
いつものように南側の障子を開け、
空を眺めました。
晴れているのに、お月様の姿は、
そこにはありません。
そう言えば、今日は
『下弦の月』 ですね。
案の定と言いますか・・
今日も朝の空は、ボ~ッと霞んでいます。
雲があるのか、ないのか・・。
陽射しはありますのに、どこまでも真珠色の空です。

幸い空の方も、お昼頃には
蘇って? 来ました。
薔薇色の陽が射すのが冬の午後だとしましたら、
春の午後は、ラベンダーの風がそよ吹く、
そんなひと時なのかも知れません。
花も俄かに開き始め・・。
そうなりましたら待ち切れなくて、早速花瓶に。
なぜかラベンダーには、こんな硝子が合うような気がします。
ついでに大好きな、すみれも一緒に・・。
小さくて、繊細なこれらの花々を眺めている時が、
ほっと心の和む瞬間です。

小さな部屋の中は、仄かなラベンダーの香りが・・。
外から部屋に入った時などは、
ふっと香るその香りで存在感をしらしめてくれるのです。
そして冬の間には葉っぱを落としていた、
他のハーブ類も又、負けじと存在感を現し始めました。
ラベンダー・ミント、ゴールデン・レモンタイム、
ボリジ、インウォールクラーク等など・・。
そうそう、ローズゼラニュームも、
小さな可愛いピンクの花を咲かせてくれました。


「小さな皺の寄った褐色の種を見ては ――
その中に虹のような様々な色が入っているかと思うと、
わしはいつも不思議になるですよ。
こういった種のことを考えると、
わしらはあの世でも生きている魂を
持ち合わせているのだと信じる事が、
決して難しくないですね。
この奇跡のような事柄を見なかったら、
色と匂いはさておき、あんな小さな、
中には埃くらいの大きさしかない物の中に、
生命があるとは信じられませんよね。」
【「アンの夢の家」 第18章】
この言葉は・・もうお分かりですね。
アンの友達 ジム船長 のものです。
ジム船長は、「さんざし」 や 「甘草(カンゾー)」 を
せっせとアンの所へ届けもしました。
アンと同じく、熱烈な 「美の崇拝者」 である
ジム船長の言葉には、説得力があります。
お恥ずかしい事に、これまであまり意識した事は
ありませんでしたが、本当に種って、不思議ですね。
それはそうと、ハーブの花は、
どれも小さくて可愛らしくて・・大好きです。