邦子は、もうさっきから歩廊に立っていた。 (中略) 反対側の歩廊から、丁度発車する列車が あるので、人のざわめきが起こった。 そして、その列車が出たと思うと、 入り違いに、邦子の前の線路へ 下関発の急行が突き入って来た。 【吉屋信子作 「良人の貞操」】 |
今日も “朝から太陽”、そして雲一つない空となりました。
1日中快晴の空は、久し振りのような気がします。
ただ、起き抜けの寒かったこと!
この処の寒さに、ついうっかりしていましたが、3月も後、僅かなのですね。
いよいよ春本番を迎えようとしているなんて信じられません。
一方で、日はいつの間にか高くなり、
部屋の中程まで入っていたそれも今では、その半分にまで後退。
着々と季節が巡っているのが分かります。
朝の寒さとは打って変わって、すっかり暖かくなった今日。
そんな私は、いそいそとなぜか旅支度。
列車の発車ベルが、けたたましく鳴り響いています。
どうにか間に合いました。途端に列車は滑るように歩廊(ホーム)を出て行き・・。
今私は車上の人。そして行先は何と 「昭和」。終点です。
どうやら、真夏の夜の夢ならぬ、「春の真昼の夢」・・?
~なんて。
最近の私は、ご存知のように、
吉屋文学にハマっていますので、すっかり昭和漬け。
おまけに今日の引用文は松本清張の 「点と線」 を彷彿させるような
東京駅のプラットホームの描写と来ています。そんなこんなで。
ちょっと遊んでみたという訳です。悪しからず。
そうそう、歩廊 がホームというのも新鮮です。
【因みに麵麭焙器(トースター)、髪刷子(ヘアブラシ)等など】
ただ、歩廊でホームはいいな・・と思ったものですが、
麵麭焙器(トースター)なんて、当て字もいい処ですね。
面白いけれど読めません。
でも、外来語の漢字がいかにも昭和、それも初期という感じで好きです。
そんな私ですから今日は当然の如く、セピア色の部屋に一直線。
聴く曲は勿論、昭和の歌を。本を読んで感動した、【わが愛を星に祈りて】。
尤も、ドーナツ盤ではなく CD ですけれど。通販で求めました。