【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

奏でるセピアの世界

2013-09-12 16:30:16 | 私の手作り夢時間










「この時計の写真を撮らせて
頂けませんでしょうか?」
「結構よ」 ミス・グリーンショウは答えた。
「これは確か、パリ博覧会で
買い入れた物なの」
そうでしょうな。それに違いありませんよ」
と言って、ホレイスはその写真を撮った。
      【A・クリスティー 「グリーンショウ氏の阿房宮」】





   昨日とほぼ同様の空となりました。
  蒸し暑さも同じ。夏の間は高かった太陽も低くなった分、
  余計にその存在感を感じます。つい先程、ツクツクボウシが一声。

   そろそろ虫の演奏会も始まろうとしているこの時間。
  負けじと鳴いたのはいいものの、この蝉の声が
  どこか物悲しそうに感じるのは気のせいでしょうか。
  












   なぜでしょう? 9月に入った途端にセピア色の世界が恋しくなりました。
  そんな時、いつだって逃げ込める空間があるっていいですね。

   今日の例文のように、パリ博覧会で買った古時計もいいけれど、
  銅製品、ポプリやドライフラワー、セピア色のカードと・・。
  それらを無造作に飾るだけで容易にその空間は作れます。

   そうそう、以前に作ったビーズの刺繍も仲間入り。
  それこそ、お得意の 「想像の余地」 で。

   安物のビーズをただ縫い合わせたチョーカーも、宝石煌く、
  「貴婦人のチョーカー」 という事に致しましょう。それにしても・・。

   チョーカーって、若い頃から大好きでしたが、
  年齢の出る首の衰えを隠すのに有効だったとは・・。
  この私にも 「先見の明」 があったという事ですね。






悲しみの原石と宝石彫摩師とは手を携えて歩き、
年と共に、首の幾重の衰えを隠す
チョーカー の銘品の数々を世に送った。


                        【三島由紀夫作 「暁の寺」】