




セント・ジェームズ公園を横断する 散歩道を通ってゆっくりアパートの方へ 歩いて来る途中、彼は 見るともなしに秋の花へ目を留めていた。 しゃっきりと堅そうでひょろ長い菊が、 金色と青銅色の蕾を付けていた。 菊の香りがほんのりと漂っていた。 いくらか山羊の匂いに似ている、 といつも彼は思うのだった。 菊の香りに触れる度に ギリシャの山中を思い出した。 【A・クリスティー 「フランクフルトへの乗客」】 |

再び暑い夏が戻って来ました。
尤も、このまますんなり秋に突入なんて思っていませんでしたけれど。
夏と秋の狭間(はざま)の、
ちょっぴり複雑な季節と心のふんぎりを付けるための時間・・。
そんな風に思う事に致しましょう。

【セージ色々】

夏の気分を味わった・・
いいえ、8月に
タイムスリップ? した今日。
大好きな瑠璃色に
庭が染まりました。
先ずは朝の美人こと朝顔。
晩夏のこの季節ですのに、
瑠璃色、鮮やかに咲きました。
まるで最盛期の如く。
そしてつい先日開花した
セージに加え、春から開花し、
花期の長いブルーセージも。
こうして瑠璃色の花に
囲まれていますと、
つい季節を忘れている
自分に気付きます。
とは言え、夕方近くになりますと、
太陽は、より黄金色が濃くなり、
その色は、明らかに8月のものとは違いますね。
8月と同じようにエアコンを入れていても、迫り来る秋の色を感じます。
そうそう、今日の例文ではありませんが、菊も蕾を。
まだまだ失われていない季節。これからも大切にしたいですね。