声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

忍耐の春

2021-03-18 10:11:00 | Diary
3ヶ月に一度の定期通院。

採血室は、予想通り混んでいる。

番号を呼ばれて座ったブースの若い女性スタッフが

「お名前と生年月日をお願いします」

と蚊の鳴くような声で言った。

(自信がなさそうな声だなぁ…新人さんかな?)

と思ったら、

やはり…そうだったらしい。

以前、この採血室でベテランスタッフから

「いい血管ですね!」

褒められた事がある“自慢の血管”が浮き出ている右腕を差し出した私に、

相変わらず小さな声で、

「3本採ります。少しチクっとしますので」

と言いながら、彼女はブスリと針を刺した。

(う…う…う…)

と思わず声が出た。

「痛いですか?」

と訊かれ、

「痛いです」と即答したのは、

このまま3本分採られるのは、たまらない…と思ったからだ。

自分で言うのもなんだが、
痛みには強いほうだと思う。

こう見えても外科の患者キャリアは10年だ。

術後の痛み止めも飲まずに我慢した事もあるし、

点滴が漏れたくらいでは騒がない。

しかし、
この採血の失敗は、チクっどころではない。

血管突き抜けた?と思えるような痛みだ。

「すみません、えーと…」

と言いながら彼女は再び、

私の自慢の血管に針を刺した…。

「う…」

と、再び声を出した私に

「すみません、反対の腕を出していただいてもいいですか?」

と訊く。

「はい、いいですよ」

と言いながら、血管の細い左腕を差し出した。

(今度こそうまくいってくれ!)

心の中で祈ったら、

今度は結構あっさりと入ったようだ。

右腕は今でもズキズキする。

新人スタッフに当たった患者には、

忍耐の春である。

(ー ー;)







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