少し前、
高齢者施設のデイサービスで、
《ツェッペリンを聴く》企画が受けたというネットの記事を読んだ。
大音響で『移民の歌』や『天国への階段』などヒット曲を聴いた…とあった。
デイサービスと言うと昭和の懐メロや童謡唱歌が定番だが、
団塊の世代以降は、ロックもありだ。
以前、音楽療法を少しだけ勉強した事があったが、
元気な頃の私は、全ての音楽には癒し効果があると思い込んでいた。
ところが自分が病気になった時のこと、
同じ病棟に歌好きなお婆さんがいて、彼女とナースステーションで一緒に歌っていると、
同じ病気で苦しんでいる患者から
「今は歌を聞きたい気分じゃないから」
と言われた。
時には歌が騒音として聞こえる事もあるわけだ。
病気のことで頭がいっぱいで音楽どころじゃない、というのもの事実だと思う。
私のようなノンビリした患者は珍しいのかもしれない。
あれから4年、
術後の定期検診では異状もなく今日に至っているが、
この夏の酷暑とコロナ感染拡大は、
私のような鈍感な者でも、心と身体に疲れを蓄積させた…
昨晩、
夫が酔った勢いでキングクリムゾンを聴いていた。
「うるさくするぞ〜!」
と前置きして、ガンガン鳴らしていた。
普段の私なら文句の一つも言いたいところだが
昨夜は大音響で聴く
《21世紀のスキッツォイド・マン》がサイコーに心地よかった。
「ドラム、めちゃくちゃカッコいい…名前なんだっけ?」
「マイケルなんとかだよ」
「マイケル…ジャイルズか?」
「そうだ、そうだ!」
一気に疲れがぶっ飛んだ。
ロックには心を解放する力がある。
今の私の癒しの音楽はコレだ。