時どき、
自分の居場所がわからなくなる事がある。
見当識障害には、まだ早いが、
私の場合は、寝ながら夢を見ていて、そこから現実に戻される直前だ。
今朝も4:30にHalが起しに来る直前、
(アレ?今どこにいるんだろう…?)
と考えた。
明け方、中高校時代の同級生の夢を見た。
タナカ君は、繊細な性格の持ち主で、私との唯一の共通点は音楽が好きだという事くらいだったが、
中高と合唱部で一緒だった。
彼の声は痩せた体に似合わず柔らかいテナーで、後輩たちからも人気があった。
練習中も時どきミュージカル風に茶化しながらシャレを言う。
しかし、そのシャレがいつもスベる。
そういえば、朝ドラ《エール》に登場した山崎育三郎さんの役柄のイメージがピッタリだった。
私は、そんな少しキザなタナカ君をよく揶揄ったものだ。
彼は10年前に亡くなったが、
その数年前にメールでやり取りした事が今でも私の心に引っかかっている。
彼が匿名で書いていた趣味のブログをやめた頃だ。
彼は当時、仕事上の悩みをブログに綴っていたが、
ある時それを読んだ見知らぬ人から中傷された事があった。
私は「そんなモノは気にしなくてよい。
気にするから相手が図に乗るのだ。無視すればいいんだよ」
と、メールしたが、
繊細なタナカ君には通じなかった。
彼は気に病んで落ち込み、ブログを閉じ、
全く返信をよこさなくなり、
その数年後、奥さんのブログで亡くなった事を知った。
直接の原因は、呼吸器系の病気だったが、
私は、ストレスも大きく影響したと思っている。
SNSやブログの書き込みは、
顔が見えないだけに、人を攻撃しやすい。
ラジオのパーソナリティをやっていた頃
自分の言葉が誤解された苦い経験をしている私は、
当時、学んだ事がある。
物事には必ず相反する考えがあると言うことだ。
例えば、五輪開催に賛成と反対があったように、
相反する考えが存在するという前提のもとに意見を述べると、
結局はダブルスタンダードの、差し障りない事を言って適当に“茶を濁す”ことになる。
ちなみにダブルスタンダードは縮めてダブスタ、日本語では「二枚舌」と訳す場合もあって、あまり良いイメージがない。
ダブスタを批判する人もいるが、
揉め事を起こさないための常套手段でもある。
良い方に解釈すれば、
反対はしたけど、まぁ仕方ないよねぇ…と言うのは日本人の優しさなのかもしれない。
タナカ君は、
私が何かに腹を立ててカリカリしていると、
「まぁまぁ…そう怒らんと、落ち着きんさい」
と宥めるような、子だった。
あのまま大人になったから、いけなかった。
何もかも我慢しすぎたんだな。
また、
一緒にハモリたかったなぁ…。
ひとりでハモネプやってみました。 (ー ー;)
↓