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今週の朝散歩は私の当番…。
相変わらず早起きのHalは、
まだ暗いうちからヒュンヒュンと階下で私たちを呼ぶ、
無視していると、甘えた声でワン、ワンと鳴き
散歩を催促する。
今朝は4:30だった。
熊よけの鈴と懐中点灯を持って外に出ると
寝起きの眼にもハッキリと、北斗七星が確認できた。
(今日は晴れだなぁ)
と思いながら、Halが用を足すのを待ち、
帰ってきてからドッグフードを食べさせて、
もうひと眠りしようと布団に入ったら、
数分後に、
またHalが起きてきて階下でヒュンヒュンと私を呼ぶ…
人恋しいのか、降りて行って背中を撫でてやり、
トン、トン、と優しく叩いてやると、すぐに寝息を立て始め安心したように眠りはじめた。
数日前、
胃カメラを飲んだ際に、時折り襲ってくる強い吐き気に苦しむ私の背中を、
看護師が、軽くトン、トン、と叩いてくれていた。
ふと、
( このトン、トン、がなければ、どうだっただろう…?)
と考えた。
(きっと、もっと苦しいはずだ)
と思った。
子供の頃、
寝つきの悪い私の背中を、母がよくトン、トン、してくれた…。
看護師のトン、トン、に私は
妙な気恥ずかしさと同時に懐かしさを覚えた。
ようやく、
在宅ワークの大半を占めていた膨大な量の音声データ評価の仕事が一段落した。
同時進行で新しいデータ評価の仕事が舞込み、
加えて秋からの企画書作り、研修用の資料作成と、
慌ただしい日々を過ごしている。
外出せずに家で仕事ができるのはありがたい…
ありがたいが、やはりストレスもピークだったらしく、胃をやられた…。
口内炎ができたり、唾液の分泌量が極端に少なくなったように感じ、
同時に胃が重いように感じ始めたのが9月の中頃からだ。
胃カメラを担当してくれた医師によれば、
胃の壁が荒れていて凸凹しているらしい…
それは目の前に映し出されるカメラの映像でも見てとれるほどだった。
3年ぶりの胃カメラは、
喉で溶かした麻酔薬の効き目が悪いのか
予想どおり、苦痛のなにものでもなかったが、
あの看護師のトン、トン、に思いがけず助けられた。
主治医から
「これからは、毎年、胃カメラやりましょう」
と言われ、正直なところウンザリしている…
が、
また、あの看護師にトン、トン、やって貰えるかな…
それなら、
きっと耐えられるな。