『モンマルトルの丘』
45度の傾斜をケーブルカーで上って行くと丘の上には夕刻のサクレクール寺院が聳え立つ。
中に入ると厳粛な空気が漂い、礼拝をする人々の息遣いだけが聞こえる静けさ。
2ユーロでローソクを買って灯す。
クリスチャンでもない私が変?かとも思うが、このお金で寺院の修復工事をするのだという但し書きがあった。
少しでも・・・という気持ちで記念のコインも購入。
寺院を出てパリ市内を一望する。
映画「アメリ」では、印象的に使われているモンマルトルの丘。
アメリが覗いた望遠鏡は、アレだろうか・・。
下りは、徒歩で丘を降りる。
私たちが降りて行くと、下から日本人らしき女の子が地図を片手に上って来た。
学生風の若い女性だ。
ムッシュから聞いたところでは夕方4時以降はモンマルトルには行くな、というのはフランス在住の日本人駐在員の中では常識なんだとか。
そういえば、ケーブルカーの乗り口付近で、アラブ系らしい妙な男たちを、多く見かけたが・・以前、身ぐるみはがれ痛い目に遇った日本人もいたらしい。
あの女の子は、こんな時間から・・大丈夫だろうか…。
「モンマルトルの丘」は、パリの中では私が一番行きたかった場所。
シャンソンには、ここをテーマに歌った名曲が多い。
古くから若い芸術家達の集う場所・・
憧れの地のイメージが悪くなるのは残念なことだ。
夕食の時間まで本屋に入って立ち読み。
欲しい本がたくさんあったが、なかなか決められず荷物になるので今回は断念。
(トランクはすでに満杯状態)
小腹がすいたので、日本食街(うどん屋に入る)
パリのうどん屋さんはどんなものか・・・興味津々。
狭い入り口は5人がようやく座れる位のカウンターとテーブルが2つ3つ・・地下に降りて行くと、ワイン蔵のようなスペースに壁際に沿って、木でできた大き目のテーブルを囲んで7~8人が座れそうなスペースが2つ。
不思議な空間だ。
従業員は全員日本人、もちろん日本人客も多い。
一瞬、パリであることを忘れてしまう。
コリーはもちろんキツネうどん、私は小町うどん、を食べたが麺は讃岐風でコシがあってまあまあだった。
味付けは関西風、なんだか懐かしい味だった。
しっかし、こんなパリで「うどん屋」をやって果して儲かるのだろうか。
テナント料、高いだろうなぁ・・・
従業員の女の子は、語学留学中のアルバイトだろうか。
物価の高いパリ・・ アルバイト料でやっていけるのかなぁ・・。
根掘り葉掘り訊いてみたくなるのは、私の悪いクセだ。
その衝動を抑えて、ググっとスープまで全部平らげた。
ホテルに戻り、午後10時までお茶。
マダム一家と一緒の、パリ最後の夜を過ごす。
何度もしつこく言うが、明日帰ると思うとやはり淋しい。