しばらくデータ保管だけを目的に置いていた古いPCを
夫が使いたいと言い始めたのが1ヶ月ほど前、
2tbの容量に惹かれて購入したのが10年前だったが、
果たして使えるものなのか?と
PCメンテナンス専門店に持ち込んだところ
機能的には全く問題ないと言われたらしい。
ところが、
帰宅してみると何故かWi-Fiが使えない。
別のノートPCやタブレット、他の端末は問題なく使えるのに原因がわからない。
困り果てて、
以前から通信機器のメンテナンスを契約している出入り業者にtelすると
エリア内の担当スタッフだというSさんと名乗る若い男性がやって来た。
名刺には《通信コンサルタント》とある。
2Fのルーター自体に問題がない事を確認した後、
1Fに置いてある件のPCの前に座って作業を始めたが、
30分ほどしてスマホを2台取り出し、誰かと話し始めた。
「ブロードバンド…が原因ではないですよね?」
(それ、私が電話で訊いたでしょ?)
「…Wi-Fiが見つからない、と表示されるんです」
(それも電話で説明したよね)
そして、
「…そうなんです、あそこの…〇〇さんです」
と、
契約している私の事務所名を、苦笑を交えたトーンで電話の相手に伝えた。
そして彼は、私の方へ向き、
「すみません、自分のレベルでは原因がわからないので、改めて、より詳しい者を来させます」
と説明した。
まじまじと見れば、
後頭部やサイドを短く刈り上げて昭和風の七三分けにしている。
濃紺のスーツに同色のネクタイ。
白い不織布マスクの上は、端正で涼しい目元だ。
30歳くらいだろうか?典型的な好青年である。
その彼が
『あそこの〇〇さんです』と言った…。
『あそこ』とは、どう言う意味か。
悪い方に考えると、
《口うるさい顧客》??
いやいや、なんでもネガティヴに受け取ってはいけない。
実は前日、Sさんは、
此処ではなく以前、事務所登録をしていた場所に行ったらしい。
顧客名簿の共有データをアップデートしていなかったのが原因だったようだが、
先輩スタッフは何回も此処に来ているのに…と呆れたのは事実だ。
5W1Hは基本であるが、ややアバウトな点は否めない。
Sさんが、
『あそこの…〇〇さんです』
と苦笑しながら言ったのは、
きっと、
前日、此処に来るつもりで、以前の事務所があった街に行ってしまった事だ。
そうだ、そうでなければ顧客の前で、
あんな好青年が、意味深な事を言って苦笑するはずがない。
見た目の印象が良かったぶん、
良いほうに解釈することにしよう。
(いや、まてよ、
それとも…二重人格かな?
そういえば、帰る時にチラッと見えた車の中の顔は、別人のように無表情だったぞ…)
いずれにせよ、誤解を招く言葉には要注意だ。
ようやくスマホの問題がひと段落したと思ったら次はPC。
夫は問題なく使えるのなら音楽制作ソフトをDLするつもりだという。
買い換えたほうが早い気もするが…。
(^_^;)