《最近は友達同士のチャットの話題について行くために動画配信ドラマや映画を2倍速で見る若者が増えている》
今朝のニュース番組でそんな話題を取り上げていた。
ふと、昨日見た映画を2倍速で見たらどうなるだろう…と考えた。
《ドラゴン》という米露合作のファンタジー映画だ。
2時間の映画を1時間で見てどこまで理解できるのだろうか…?
例えば、この映画《ドラゴン》には、
同じようなシーンが最初と最後に出てくる。
しかも途中でヒロインの心の動きが変わっていく様子を丁寧に描写しているシーンが多い。
その心の動きや変化がクライマックスのシーンを裏付ける映画の大事な要素になっているのだ…。
登場人物の《機微》の箇所が2倍速で理解できるものなのだろうか?
考えてみれば、
会話を端折って絵文字や省略語でコミュニケーションするのは当たり前の時代だ。
大事な事を端折って伝えるのは困るが、
要約がうまくできれば長々話すより伝わりやすい。
内容を要約で伝えることは、情報過多時代を生きるために必要なスキルでもある。
若者たちは日常的にタイムパフォーマンス(タイパ)を使ってるらしいが、
今朝のニュースでは、最近は流行りの音楽にまで、イントロのない曲やイントロが5秒以内という短い曲がウケる傾向があるとも言っていた。
インタビューに答えていた音楽番組のDJのように、
イントロ乗せで曲紹介やるのに生き甲斐を感じている人からすれば残念な話だ。
淋しいのは頷ける。
かく言う私も、20年前まではイントロの秒数を測って、曲紹介のコメント尻りをQシートに書き込んでいた1人だ。
イントロに乗せてうまく曲紹介ができた時の気持ちよさは、
ちょっと言葉では表せないほどの快感だった…
いきなりカットインでサビから始まる曲は確かに斬新でカッコいいが、
イントロ当てクイズで遊んだ我々のような中高年には、
カラオケだって歌いづらいものだ。
(−_−;)
イントロだけでなく、最近は全体的に短い曲が若者に受けいられやすいとも言っていたが、
裏を返せば《長い曲は流行らない》という事だろうか?
コレはジェネレーションギャップという言葉だけでは片付けられない。
いつもオンライン講義をタイパで見ているという女子大生が、
1.75倍速がちょうど良いとも言っていたが
今後は若者たちの文化やコミュニティを理解したうえで、
オンライン講義用のビデオを作ったり、
配信用楽曲を作ったりする事が必要だと言うことだ。
ただ心配なのは、
この風潮が続けば、じっくり話をしたり聴いたりする機会がどんどん失われていくように思うのだが……
杞憂だろうか…。