夕闇にまぎれて 小鳥は飛んでいった。テールライトがひときわ赤く滲んでそれから青い闇に溶けていった。わかっていたことだからわたしは快活だった。けれども夜更けとともに哀しみがこみあげる。哀しみに呑み込まれて声をあげて泣いてしまえたら...だが、わたしのなみだは目のふちを赤く爛れさせ ただ滂沱と流れる。
あしたのあさ おはなし会がある。月曜日おはなし会がある。10日 ちいさなワークショップとおはなし会がある。わたしはどのように語るか?...愛惜をこめ すこしの悔いをこめ語るか?...渾身の力を籠めずして ひとを愛しみ しあわせを願うことができようか。徒な後悔を繰り返すしかないのだろうか?
わたしは蝋燭の火のように語ろう。みずからを燃やすように語ろう。なみだがこんどこそ滴りおちるだろう。飛んでいった小鳥のために。からっぽのさみしい空のために。
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