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白くきらきら光る斑点は放射性物質のセシウムの微粒子が物体に付着し、放射線を出している様子だ。
写真のフィルムに感光させた物だ。
目にも見えず、音もなく、臭いもなく、味もなく、五感で感じることが出来ない放射線の視覚化です。
福島原発事故から3年が過ぎ、すでに福島は終わったかのように人びとは振る舞っている。しかし、放射能の脅威は人びとの心と肉体に深い傷を追わせてしまった。目に見えず、臭いもなく、味もなく、音もなく、痛くもかゆくもなく五感で感じることが出来ない放射能。これを視覚化し人びとの脳裏に焼き付けたいと試行錯誤を続けている。放射能の視覚化は当初、東京大学農学部名誉教授の森敏先生の協力で、ICプレートを用いて映像化した。その後、フィルム(TRY-X)に感光させる方法で現在の映像を作り出している。
これらの映像は日本の大地が被曝していることを厳然と伝えている。人びとに放射能の脅威の継続性を再認識させてくれる。福島県内の帰還困難区域から拾ってきた汚染した生活用品、植物などである。福島第一原発事故がもたらした放射能は多くの人びとのふるさとを奪ってしまった。平凡な幸せを壊してしまったそのその証拠である。そのふるさとが再生するのはいつになるのだろうか?かつて、詩人の宮沢賢治は「おそらくこれから二千年もたつころは」と未来の人びとへの思いを「春と修羅」に書いた。これらの映像が未来を創造し、今をどう生きたら良いのかを示すその一助になれば幸いである。
以上