ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」

2021-05-11 17:21:39 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆★

「最強のふたり」のエリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ監督がケア施設に働く2人の男たちの実話を、ユーモアを交えて描いたヒューマンドラマ。

どこの施設も扱ってくれない強度の自閉症の子供たちを預かり、社会復帰させようと努力す人たちの姿は、尊い。

映画にするにあたって、いささか誇張はあるだろうが、気の抜けない人たちだ。

ちょっとした事件で、政府が乗り出す。

まあ当たり前にことだけど、何とか説得する。

誰かがやらなければいけないのだ。

バンサン・カッセルとレダ・カティブのコンビが、物語を引っ張っていく。

本物の介護者と自閉症の若者、その家族たちが多数キャスティングされていなかなかの力作。

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「スリー・オブ・アス」、イラン人の苦悩!

2021-01-21 17:04:16 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

第28回東京国際映画祭上映作品。

Unextで鑑賞

イランで反政府運動をし、長期投獄中の警察からの暴行にも耐え、政権交代で救われたと思いきや…
紆余曲折経て、最後はフランスへ。
持ち前の不屈の精神で居住区(無法地帯)を変えていく。

フランスの人気コメディアンであるケイロンが、父の若き日を演じ、自らメガホンも取った感動の実話ドラマ。

イランという特殊な国、移民大国フランス。

それぞれの悩みを。実録で描いていく。

父を題材に描くとは、監督みょうりに尽きる。

ただ、一般には鑑賞がむつかしい。

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「燃ゆる女の肖像」、言い得て妙な、タイトル!

2021-01-15 17:46:24 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆(劇場鑑賞)

Pg12 美しいラブシーンがあります。

2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞したラブストーリー。

らぶといっても、女同士の恋。男性はほとんど出てきません。

肖像画家マリアンヌと、母が依頼したモデルエロイーズ。

見合い写真のような肖像画は当時のはやりか?

気の進まぬエロイーズを観察しようと、積極的に近づく。

そして書き上げた絵は、一蹴される。

再度挑戦するマリアンヌ、エロイーズもモデルを快諾。

そして母の居ぬ五日間。

急接近した二人は愛に溺れる。

なんと美しい絵。

セリフも文學調。

18世紀後半のブルターニュの孤島を舞台に、海辺、岩肌、波、岸壁。

エレーヌデルメールという画家の存在。

妖しくも切ないひと時の恋、だからこそ、燃え上がる炎のよう。

古典劇の様相は、映画を高みに導く。

圧倒される2時間。

 

 

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「もうひとりの息子」、イスラエルとパレスチナ、その相克の地で赤ん坊の取り違えが!

2021-01-08 13:46:11 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

2012年製作

2012年・第25回東京国際映画祭で、最高賞の東京サクラグランプリと優秀監督賞の2冠に輝いたドラマ。

兵役用健康検査の結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年。出生の際の手違いが明らかになり、やがてイスラエルとパレスチナふたつの家庭のアイデンティティと信念とが、大きく揺さぶられる事態に発展する。根深い憎しみからの解放を描く。

アイデンティティを揺さぶられ、家族とは何か、愛情とは何か、という問いに直面する2つの家族。

だが、取り違えられた二人の青年の前向きな姿に、それまでゆがんでいた家族たちも、和の方向へと進む。

イスラエル人、パレスチナ人撮影スタッフの意見を日々取り入れて、この衝撃的な題材をリアルで感動的な家族の物語に完成させたのはフランスの女性監督ロレーヌ・レヴィ。

国同士のゆがみ合いと家族の絆、両者の融合が心憎い。

感動の物語だ。

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「レ・ミゼラブル」、パリ近郊移民の町での暴動!

2020-12-05 17:42:09 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

カンヌ映画祭で、「パラサイト」と賞を争った作品。

「レミゼラブル(悲劇)と同じ舞台(パリ郊外)。

だが、現在は、アフリカ系移民、イスラム教、貧困層の巣窟となっている。市長ら有力者も黒人だ。

監督が、この地の出身で、見聞きしたことを題材に描いたという。

アメリカで、黒人の警官による差別が問題となっているが、この映画も根底は一緒。

ライオン窃盗という些細な出来事が、子供たちの暴徒化によって、テロ的な暴走に。

子供たちに追い詰められた警官がゴム弾を発射、顔に傷を負った少年。

だが、警官は、救急車を呼ぼうとせず、ドローンの存在に目を奪われてしまう。

そして、この地の有力者にとりなしてもらう。

だが、犯罪者にされた少年たちは再び蜂起。

爆竹などで警官を追い詰める。

少年は爆竹を警官に向かって投げるか、警官が発砲するか、でエンド。

最後まで緊張感が途切れない切れきれの演出。

「悪い草もない。悪い人間もいない、悪いのは育て方だ」の言葉が耳に残る。

 

 

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「狂熱の愛」、女は、欲望に狂う。 男は、快楽に酔う。そして、“愛の地獄”がはじまる

2020-11-13 14:11:52 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆

官能映画 75分

欲望に狂う女と快楽に酔う男の危険な愛を描いたエロスドラマ。満たされない想いを心に秘めた看護師のサラは恋人と別れ、派手なウィッグで変身し、快楽を追い求めてドラッグに手を染める。そんなある日、サラは作家志望のザックという男と出会い…。

まあ、そこそこきれいに脱いでくれますが、エロチック度は希薄。

映像がシャープで、やや難解。

愛の話なんだけど、ウイッグに象徴される。

愛の先は?

ドラッグ?

 

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「私の知らないわたしの素顔」、ジュリエット・ビノシュ、渾身の疑似恋愛!

2020-09-04 17:09:20 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆★

R15

ジュリエットビノシュ演じる中年女性の愛の遍歴。

パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。

結婚し子供もいる、が離婚、年下男と熱烈恋愛。

破綻するや、SNSで、年齢を偽り、姪っ子の写真で、Facebookを通じて、若い男と疑似恋愛。

そして、深みにはまっていく。

突然に相手の死を知り、これを題材に小説を。

ここまでを、カウンセラーとのやり取りの中で見せていく。

だが、実際は入院中で、と

物語は二重、三重に。

サスペンス、恋愛映画。

まさにジュリエット・ビノシュ独り舞台。

ある意味醜さもそのままに美しいビノシュ。

彼女を見ているだけで、引き込まれる。

 

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「マイ・エンジェル」、愛し方が分からない母と、愛されたことのない娘!

2020-08-30 20:36:02 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

PG12

夏が過ぎゆく南仏コート・ダジュールを舞台に、行き場を失った母娘の絆の崩壊と再生をエモーショナルに紡ぎ上げた映像世界。

愛しているといいながら、酒と男に溺れるふしだらな母親。

母親を死んだといわざるを得ないおしゃまな娘。

行きつくところまで行きついて、崖から飛び降りる娘。

なんとも痛々しい映画。

子どものネグレクト映画が散見されるが、本作は、バネッサ・フィロの初監督作品。

母親役のマリオン・コティヤールと娘役のエイリーヌ・アクソイ=エテックスの演技が光っている。

 

 

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「ストリッパー パリ18区」、モニカ・ベルッチがストリッパー役!

2020-08-07 09:36:41 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆

劇場未公開 2002年作品

タイトルは思わせぶりだが、モニカは脱ぎません。

すり専業の青年。

モニカのバッグを盗みます。

気になって、モニカにバッグの中身を返そうと。

モニカは、ストリッパーをしながら、老人の愛人。

老人は、麻薬取引のギャング。

いかにも、フランス映画らしい、淡々とした雰囲気。

ギャング映画なのに、風景が主役のような、平坦さ。

まあ、モニカ目当てなら、下着姿のエロさは堪能できる。

ラスト、ギャング同士の争い、ここでちょっと動きが。

 

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「わがままなヴァカンス」、カンヌでのひと夏の青春!

2020-05-19 13:51:00 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

「美しき棘」のレベッカ・ズロトブスキ監督が、16歳の少女が体験する刺激的な夏をつづった青春ドラマ。

ブリジットバルドーの再来と噂されているようだが、あの強烈さはない。

夏のカンヌ。

トップレスで、海辺で日光浴。

やや刺激的だが、そこまで。エロスに特化した映画ではない。

16歳の少女が、パリに住む従妹とアバンチュールを楽しむ映画。

だが、この映画、かなり節度を保っていて、豪華なパーティを楽しんだり、小型船でのクルーズなど、大人の遊びを体験するのだが、深入りしない。

まあ、青春を描いているのだが、感情移入できないので、あまりうれしくない。

 

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