おすすめ度 ☆☆☆☆
疑似家族関係を描く秀作。クリスマスシーズンに全寮制の高校で、帰る家のない青年と、家族のいない教師、ベトナム戦争で息子を失った寮の料理長が束の間のホリデーをともにする。生徒は生意気な問題児だった。ことあるごとに教師にぶつかる。教師の方は気難しい性格で、生徒たちから嫌われている。ホリデーシーズンにも関わらず、寮での生活を厳しくルールで縛ろうとする教師に生徒はうんざりするが、料理長が緩衝材となっていって、打ち解けていく。
1970年という時代設定なのに、現代社会にも通じるのは、登場人物たちがみな生きづらさを抱えているから。
そして、人の悩みや苦しみというものは古来、変わらないからなんだろう。
それぞれ立場も異なり、一見すると共通点のない3人が、2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように過ごすことになる。
ついつい情に絆されて、ルールを破ってボストンの精神病棟に父を訪ねたことが問題となり、教師が職を追われることになる。
退学が必至だった生徒を庇って、嘘をついたからだ。ラストは、学校を教師が去るのだが、悲壮感よりも爽快感がある。
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