町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

引退が迫り来る東急8500系(8637F)

2023年01月01日 | 東京急行電鉄

新年明けましておめでとう御座います。昨年は鉄道開通150周年という輝かしい年でしたが、次の200周年とその先へ明るい未来が開けるようお祈り申し上げます。

20231回目は、今月で定期運用を終了することになった東急8500系の最終編成8637Fです。先頭車正面に引退ヘッドマークが掲出され、20221119日で東武鉄道への乗り入れも終了し長らく田園都市線の顔として君臨して来た同系も、いよいよ最終段階に入りました。

1987年より正面に赤帯一本を配した姿から青帯に変更され、2008年までは先頭車にシャボン玉の装飾が施されていた8637F。かつては東急ケーブルテレビジョンの広告電車になっていた時期もありました。シャボン玉模様は200812月で全て撤去され、シンプルな青帯になりましたが、2018年からはドアにカラーの装飾が施されBunkamura号として運用を開始しています。

8500系グループの中では、やや異端的な存在の8637Fですが、新製は1986年と比較的新しく広告電車に起用され、交通バリアフリー法にも対応していることが幸いしたか一番最後まで残ることになりました。現在は先述の通り東武鉄道への直通を終了しましたが、引退が近いためか東武線非対応車を示すKのマークは掲出されていません。

同時期に登場した9000系と同じく、天井は扇風機を廃止してスイープファンを設置し冷房能力を向上させている他、座席には袖仕切りと中仕切りが設置されるようになりました。2005年には同じく統一広告編成TOQ-BOXに指定されていた8634Fと共に車内案内表示器・自動放送装置(放送装置は後年使用停止)を新設しています。

LED表示は1000系・2000系に設置されたものと同様に、表示部に傾斜を付けて見やすくしたタイプです。この表示器のみ稼働しており、運用される全区間での表示に対応していました。

1975年に初登場して以来、実に48年余りの長きに渡り活躍した8500系も遂に引退の年を迎え、また一つ長い歴史が終わることになりました。残り時間は僅かになりましたが、無事故で最後まで運用されることを願います。

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23年振りの8両編成化、相鉄乗り入れを前に増結が進行する東急3000系

2022年12月25日 | 東京急行電鉄

営団(東京メトロ)南北線・都営三田線への相互直通運転に対応する車両として新造された東急3000系は、第一編成が直通運転開始より1年早く1999416日に登場し暫定的な8両編成で東横線に配置され、2000115日まで渋谷〜桜木町間で主に急行で運用されました。同年86日には旧目蒲線が系統分離され目黒線となり、本使用に備え6両編成への組み替えと量産車の登場を経て、予定通り直通運転に用いられるようになり安定した活躍を見せていました。しかし2022年より、目黒線の輸送力増強と相模鉄道との直通に伴い3000系も対応改造と共に8両編成化されることが決定し、サハ3400・デハ3500を新造の上で増結を実施しています。

増結用の中間車を組み込み8両化された編成の中では一番最初に営業運転に復帰した3109F(3009F)。増結に先駆け、行先表示器のフルカラー化と前照灯LED化改造が行われ、印象が変化しました。8両編成化に際しては既存の6両も改番され、5000系グループに準じた付番になっている他、VVVFインバーター制御装置の改修も実施され磁励音が若干変化しました。新造されたサハ3400とデハ3500は車内外とも5080系用の中間車と同一形態になっており、組み込み先の3000系とは全く仕様が異なりますが、車体表面の仕上げはダルフィニッシュで合わせられている為、この角度から見ると違和感が殆どありません。

1999年に3001Fとして新製され、営業運転で東横線の桜木町入線も果たした3101F。スカートの大きな開口部が量産先行編成の証で、登場時は東横線急行運用に備え通過標識灯も設置されていました。目黒線での営業運転開始前に量産車と仕様を揃える小改造と共に中間車2両を3002Fに供出した為、8両編成を組むのは実に23年振りの事となりました。営業運転復帰前には乗務員教習の為、新横浜線を介して相鉄本線へも入線を果たしています。

車内設備。基本的に大幅な変更はありませんでしたが、車内案内表示を2段式LEDから17インチ液晶画面に換装し、鴨居部には扉開閉表示灯を新設しました。これに伴いドアチャイムがそれまでの営団タイプから5000系グループと同一仕様に変更されています。

新たに組み込まれたサハ3400・デハ3500車内(サハ3401で撮影)5080系に組み込まれた分と設備は全く同一ですが、貫通路扉窓から僅かに見える隣接の車両から3000系の編成内に組み込まれている事が分かるかと思います。

来年からは東急・相鉄新横浜線を経由し相鉄本線への乗り入れも開始する本形式ですが、新造中間車を組み込んだことで僅か8両の中に車齢の差が20年以上も開いている車両が混在する極めて珍しい編成となりました。近年ではかなり稀なケースですが、趣味的に見た目の面白さは抜群なので長く活躍して欲しいですね。

 

 

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8両編成化で相模鉄道進出を控える東急5080系

2022年12月17日 | 東京急行電鉄

目蒲線の系統分離で2000年より営団地下鉄(東京メトロ)南北線・都営地下鉄三田線と相互直通運転を開始した目黒線では、3000系を運用していましたが増発に伴い2002年度より田園都市線の5000系をベースにATO装置を搭載した5080系を増備しました。車両置き換えを伴わない為ペースは緩やかで、2002年に5181F2004年に5182F2006年に51835184F20072008年初頭に掛けて5185F5187F2008年度に5188F5190Fが増備され、6両編成9本が登場しています。小世帯ながら期間を空けて製造された関係で設計変更が行われており両数に対してバリエーションが豊かなグループですが、東急新横浜線開通を控えた8両編成化で増結用中間車の組み込みと大井町線用6000系からの編入車が加わり、更に複雑な形態になりました。

都営三田線内を走行する5189F5000系グループの中では7次車に当たる編成で、2008年に6両編成で落成しました。8両編成化は20225月に実施され同月31日に出場しており、東急新横浜線開通後は相鉄線の海老名・湘南台方面まで直通する予定です。

田園都市線内で8両編成化直後に試運転を実施している5190F。この編成も20225月に中間車組み込みを実施し同月24日に試運転を開始、63日に営業運転に復帰しました。この5189F5190Fの特徴は増結された中間車の2両のうちサハ55895590は新造車、デハ54895490は大井町線の6000系の63016302を転用している為、3種類の車内が混在する大変珍しい編成になりました。

車内設備(2008年製造の6)3000系とは配色は違うものの、ローズ系の内装でイメージは合わせられています。特徴的な新造サハ・転用デハの車内は乗客が多い為撮影出来ませんでしたが、また改めて撮影に行きたいと思います。

ドア上の車内案内表示用液晶画面は、当初15インチサイズを2台設置していましたが2011年度製造車で採用された17インチ画面の三菱電機セサミクロに換装され、現在は全編成がこの仕様で統一されました。

数の割に製造時期の違いや転用車組み込みでとにかく複雑化した5080系ですが、趣味的目線では非常に面白い編成が登場したと言えるでしょう。かつて在籍した8000系グループを凌ぐ勢いのバリエーションが続々と加わり、興味の尽きない形式です。

 

 

 

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消え始めたかつてのイメージカラー、赤帯を締めて活躍する東急5000系

2022年10月18日 | 東京急行電鉄

東急田園都市線の象徴的存在だった8500系の全廃が目前に迫り大井町線の9000系置き換え計画も発表され、現在導入が進む2020系とその兄弟系列である6020系、3020系では白と路線別カラーを配するようになった為、長らく無塗装+赤帯のイメージが強かった東急ステンレス車のイメージが一変し、田園都市線系統で正面・側面に赤帯を配した形式は5000系と大井町線から直通して来る急行用の6000系の2形式になってしまいました。今後は路線毎のカラーリングを施す方向にシフトし、ゆくゆくは車両から赤い帯が無くなる日も来るかも知れませんね。

田園都市線向けの5000系としては比較的後期の2008年に製造された5117F。正面スカートを強化型に変更、冷房装置を三菱電機製に統一、パンタグラフ上昇検知装置の新設など乗客の目線ではハッキリ分からない地味な改良が実施されています。2020年の撮影なので、まだ先頭車のアンテナが1本でスッキリしていますね。

2007年〜2008年初頭に掛けて増備の6次車5114F。この6次車からドア内側も化粧板仕上げになり窓が複層ガラス化され、ステンレス仕上げだった箇所が減らされ印象が向上しました。現在はアンテナ増設で先頭車の屋根が賑やかになっています。本来ならこれらの仕様の5000系が相当数増備され8500系置き換えを完了させる予定でしたが、東急が大株主であったJALの経営破綻や副都心線直通開始に向けての東横線車両置き換えも重なり、増備が打ち切られ長らく8500系と共存する事になりました。

車内設備。側面ドア内側の化粧板が復活するのは3000系以来9年振りの事でした。撮影したのは7次車で、一般座席の手すりが曲線になり、扉開閉表示灯の設置なども実施されるなど更なる改良点が見受けられます。いずれは5000系も化粧板修繕工事などの更新はされるんですかね

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東急8500系8631F、運用離脱。赤帯スタイルの編成が消滅へ・・・

2022年05月27日 | 東京急行電鉄

20231月での引退が東急電鉄から予告され、さよならヘッドマークが掲出された8500系の8631F8637F2編成の内、8631Fが本年525日で運用を終了しました。これに伴い、登場以来の先頭部に赤帯を配した標準的なスタイルの8500系が消滅し、残るは青帯でBunkamuraの広告電車となっている8637Fを残すのみとなりました。

今回引退を迎えた8631F。この編成は1983年度に増備された15次車に分類されるグループで、翌年4月の田園都市線全通(中央林間〜つきみ野間開通)に伴う運用数増加を控え登場し、10両固定編成で落成しました。

乗り入れ先の東武伊勢崎線内を走行する場面。8631Fは先述のように1983年に登場の後1997年に行先表示LED化、2003年には東武鉄道直通対応化とスカート新設が施工され、三社に跨がり埼玉県北部までのロングラン運用に就く姿も見せるようになりました。近年の置き換えサイクルが早くなった首都圏大手私鉄車両ながら、同一線区で39年に渡る長期間の活躍になりました。

車内設備(過去の記事より再掲載)は登場時は臙脂色だった座席がオレンジとブラウンの組み合わせに交換された他、2000年にバリアフリー対応の為に車椅子スペースを39号車に新設した以外それ程変化はありませんでしたが、末期は注意喚起のステッカーが増えて賑やかになっていました。

8631Fの運用離脱で、長らく東急では御馴染みだった首を振る扇風機も消滅となりました。こちらは東芝製の扇風機で、防護網の少ないものや羽根の中心部が砲丸状になっているものなど、複数の形態が見られましたが2000年頃からこの仕様になって行きました。

かつては400両もの大所帯で、昭和から平成初期に掛けて田園都市線のみならず東急の顔的存在の8500系でしたが、いよいよ迫り来る終焉に時代が如何に進んだかを実感させられます。8637Fは引き続き来年1月まで運転される予定ですが、こちらも最後まで活躍を見守りたいですね。

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