1988年より営団地下鉄(東京メトロ)東西線の主力として増備が続いた05系は、4次車の最終増備分からドア幅を拡大したワイドドア仕様になり外観に大きな変化が生じましたが、6・7次車である19〜24編成では再び通常の1300mm扉に戻されました。しかし6次車では千代田線の06系・有楽町線(当時)の07系同様に座席配置が4-6-7-6-4人掛けになり、窓割が不均等になった他、電動車がユニットを組まない1M方式に変更されました。メカニズム面ではIGBT素子を用いたVVVFインバーター制御装置を本格採用するなど先頭部形状は在来の編成と同一の形態ながら中身は別物と言える仕様になりました。2018年からはB修繕工事が開始されています。
6次車に当たる05系21編成。6〜7次車の中では一番最初にB修繕が2018年9月〜2019年4月に掛けて施行され、運用復帰は7月3日のことでした。工事内容は主電動機のPMSM(永久磁石同期電動機)化とそれに対応するVVVFインバーター制御装置への更新、外観の帯色配置変更、先頭車へのスカート新設、行先表示のフルカラーLEDへの換装、灯火類のLED化など非常に多岐に渡ります。更新後は千代田線向けの16000系に近い性能になり、制御装置が発する磁励音も同一となりました。
行先表示には直通先の路線名を表示するようになりました。外観の印象がかなり変化し、最新世代の走行機器で固められる一方で、屋根状の集電装置はシングルアーム化されず旧来の菱形を継続使用しているのが面白いところです。
修繕により白系の化粧板に更新され明るさが増した車内。バリアフリー対応の為、車椅子・ベビーカー利用者の為のフリースペース新設や袖仕切り大型化、更にドア上のLED表示の液晶画面化で令和世代の車両と比較しても遜色ない設備になりました。しかし座席が片持ち式ではなく蹴込板が存在する構造のままなど、時代を感じる部分も見受けられます。
ドア上の液晶画面は、もうすっかり首都圏で御馴染みの扉開閉表示灯を備えた17インチ画面の三菱電機セサミクロを採用し情報量が格段に向上しました。セキリュティ面から防犯カメラも併設されています。
現在はアルミリサイクルカーの24編成が未だ修繕を受けていないのが少々気になりますが、しばらくの間は安定した活躍を見せることと思います。