町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東京湾岸で活躍する快速ランナー・JR東日本E233系5000番台

2024年03月05日 | JR東日本

京葉線では暫定開業以来、主に京浜東北線と横浜線からの転入車である103系と1990年の東京延伸以来、正面形状をオリジナルスタイルとした205系が長らく主力として運用されていました。その後、E231系の登場で中央総武緩行線から201系、また同線と山手線からは205系、更にE233系により置き換えられた209系500番台が転入しますが、都心部に乗り入れる主要路線の中で新系列電車による置き換えが進む中、京葉線は連接車体の試作車であるE331系が2007年3月18日に1編成が運用を開始したのみで、他線区からの転属車が主力となる状況が続いていました。

2009年、遂にE233系の導入が発表され翌年2010年7月1日より運転を開始しました。京葉線向けの仕様は5000番台に区分され、カラーリングは205系同様にワインレッドとされています。本形式の導入により201系とE331系は廃車、209系500番台は1編成を残して武蔵野線に転属、205系は一部廃車と日光線・宇都宮線向けに4両化の上で転出、並びに富士急行向けに6000系として改造され譲渡が実施されました。

当初の計画では250両が新造される予定でしたが、実際に登場したのは240両で、1編成のみ残された209系500番台と共に共通運用されており、朝夕は分割可能編成が外房線勝浦と内房線上総湊、東金線大網〜成東間までロングランする他、間合いで内房線内完結運用も設定され、千葉駅へも乗り入れを行なっています。

車内設備は比較的長距離で駅と駅の間隔が離れている閑散路線にも乗り入れますが、分割編成も含めて全車両トイレ無し、ロングシートとこれまで運用していた201・205系の仕様が踏襲されました。半自動ドアも設定されませんでしたが、3/4閉機能が設置されており内房線・外房線・東金線での長時間停車時に使用されることがあります。

車内案内表示器は1000・2000番台に続き17インチ液晶画面を採用し、本番台ではモバイルWiMAXを採用し、旅客向けの路線情報を表示する画面は2000番台の新デザインに準拠しています。

ところで、京葉線といえば2024年3月16日のダイヤ改正で朝夕通勤時間帯の快速を全便各停に変更の上で新木場〜蘇我間無停車の通勤快速の廃止を打ち出し、千葉市長や千葉県知事を始め千葉県財界からも反発の声が上がっている事が全国的なニュースで取り上げられましたが、反発を受けて朝通勤時間の快速の運転を継続する極めて異例の対応が為されるなど、何かと話題を集めています。遂には国会でも言及され国土交通大臣の斉藤鉄夫氏が「ダイヤ設定には地元自治体などとコミュニケーションをとるよう、鉄道事業者に指導している」と答弁しましたが今後のダイヤ改正で、どの程度沿線自治体の声が反映されるか注目されるところです。

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登場から30年余を数える“Boso View Express”JR東日本255系

2024年03月03日 | JR東日本

千葉県房総半島に至る内房線・外房線方面と東京を結ぶ特急列車には国鉄時代の1972年以来183系電車を充当していましたが、平成時代に入り登場から20年以上が経過すると老朽化・陳腐化で置き換えが視野に入るようになりました。折しも同時期には東関東自動車道延伸と東京湾横断道路(現在の東京湾アクアライン)着工など高速道路網が相次いで整備されていた為、マイカーや高速バスへの競争力強化と房総特急のイメージアップを目的として255系が登場することとなりました。JR東日本発足後の特急電車として初のVVVFインバーター制御を採用し、当時の通商産業省(現・経済産業省)のグッドデザイン商品に選定されるなど意欲的な設計が評価された車両ですが、登場から30年以上が経過し、JR東日本の特急車としてはかなりの古参の領域に達しています。 

京葉線内の海沿いの高架線を行く255系。観光特急らしく拡大された窓とビビットなカラーリングが目を引きますが、ホワイト部分は夏のビーチ、ブルーは深みのある太平洋、イエローは太陽の光と房総半島に広がる菜の花畑をイメージしており、ブルーとイエローは同じ地区で運用される普通列車(209系)の帯色に採用されました。

登場時は保安装置の関係で京葉線経由の列車に限定運用されていましたが、2004年度に横須賀線・総武線快速の品川〜錦糸町間の地下区間がATCからATS-Pに切り替えられ、総武本線の運用にも保安装置の改造無しで対応できるようになっています。首都圏の電車では比較的珍しく東芝製GTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を搭載していた為、起動・停止時には独特の磁励音を耳にすることが出来ましたが、2014〜2016年度に掛けてIGBTによる新インバーター制御装置に換装されています。

普通車の車内。座席は255系用に新規設計され、シートピッチは970ミリを確保しています。観光需要の多さを踏まえて4人向かい合わせ時でも使用可能なインアームテーブルを肘掛けに収納し、これはグリーン車でも採用されました。

グリーン車車内。普通車よりもゆとりを持たせる為にシートピッチを1160ミリとしています。観光のみならず旺盛な遠距離通勤需要にも応えるため、本形式以降はグリーン車の車内設備も2人掛け+2人掛けの配列が基本とされるようになっています。

来る2024年3月ダイヤ改正では、これまで成田エクスプレス専用車であったE259系を房総方面各列車に転用し、255系は引退かと思われましたが、実際のプレスリリースでは続投を示唆する記述がありました。今後どれくらいの期間運用に入るのか注目ですね。

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南武線新時代の幕開けを告げたE233系8000番台

2023年11月03日 | JR東日本

2010年代前半には続々と首都圏の主要路線へE233系の導入が実施され、世代交代が急速に進行しましたが、かつては他路線からの転用車が中心となっていた南武線にもその波は及び、2014年から同線向け8000番台の導入を発表し、同年104日から運用開始。それまで主力として運用されて来た205系と209系の置き換えが始まり、最後まで残った2092200番台置き換え用に豊田車両センターからの0番台を改造し転入させた8500番台の導入で2017210日から南武線の定期列車は全列車E233系化されました。

ラインカラーはJR東日本発足後の1989311日より導入の205系で採用された三色(黄色+橙+ぶどう色)の帯が引き継がれ、先頭車の乗務員室直後には「明るく弾み伸びゆく沿線」をイメージしたロゴと沿線の街並みを表現したイラストが入る楽しい雰囲気のデザインになりました。

同線から置き換えられた205系は廃車になる一方で新製導入並びに山手線から転属の0番台車はインドネシアへ譲渡された他、209系は最後まで残存した2200番台1編成が房総地区のジョイフルトレイン「B.B.BASE」に改造され何れも活躍中です。

路線別に座席モケットのカラーバリエーションが見られるE233系ですが、8000番台はラインカラーに合わせて模様入りの黄色+茶色系になり画一的な同系の中で他路線には無いオリジナル仕様とされています。

ドア上は当然のように17インチ液晶画面を設置しており、それまでは少数派の209系に次の停車駅を表示するLED式案内表示があったのみですから大変な進歩になりました。営業運転を開始した頃は他路線からの転入車が使用されているのは国鉄時代から沿線住民にとって周知の事実らしく、「南武線なのにTVが付いた新型車が入った」との会話を耳にしたものです。かつての各駅停車のみで新車導入が途絶えた期間を思うと、駅改良工事や高架線化なども併せて見違える程改善されましたね。

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高速貨物輸送の主力、JR貨物EF210新塗装と異端の旧塗装ロゴ省略仕様

2023年09月03日 | JR東日本

かつての貨物輸送の主力機関車であったEF65EF66形に代わるJR貨物のEF210型は改良を重ねながら増備を続け、登場以来の東海道本線・山陽本線の高速貨物列車を筆頭に中国地方の山口県から北関東の栃木県、群馬県まで本州の至る所でその姿を見られるようになり四国地方の愛媛県にも運用範囲を拡大しました。試作機901と量産型の0100番台、山陽本線瀬野〜八本松間の勾配補助対応の300番台を合わせて146両が広範囲に活躍を見せていますが、現在は量産型の0100番台が青色をベースに細い白帯を配した新塗装への変更が進んでいます。

従来のグレー主体に青と白の3色塗り分けから一気にシンプルになった新塗装。写真の125号機は新鶴見機関区の所属で本年329日に広島車両所で重要部検査を完了し、新塗装で出場しました。青と白帯の組み合わせはかつて東海道を往来したブルートレインの先頭に立たせてみたくなるような配色です。

工事列車の先頭に立つ旧塗装の105号機。吹田機関区所属機で、愛称である桃太郎ロゴは存置される一方車体側面の目立つJRFマークが無くなっている珍しい姿で運用に就いています。これは経費節減の為にマーク貼付けを省略した為とのことですが、他の機関車にも省略された個体が存在するらしく一時期だけのものなのか、はたまた今後はマーク省略の方針なのか興味深いところですね。

 

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少数派になりつつ活躍が続くE231系0番台・中央総武緩行線

2023年09月01日 | JR東日本

209系の実績を踏まえて開発された首都圏新系列電車第2世代のE231系は2000年度より量産車が登場しますが、一番最初の導入となったのは中央総武緩行線で、同線に残っていた103系の置き換えに充当されることになります。2006年には京浜東北線の209系試作車の900番台3本の置き換えの為、幅広車体仕様の209500番台車が転出することを受けてE233系の設計を一部に反映させた増備車3編成が登場、2015年には上野東京ライン開通に伴う運用増加でB20B21編成が常磐線快速に一時的に転用されるなど目立った動きはありつつも大多数の編成は中央総武緩行線での運用が続きました。しかし2017年より山手線にE235系量産車を導入することが決定し、捻出される山手線のE231500番台を中央総武緩行線に転用の上で0900番台車と209500番台は武蔵野線、八高・川越線へ転用されることになり大きな動きを見せました。一方で10両編成6本は付随車(サハE2316扉車サハE230)を電動車ユニットに差し替えて引き続き山手線からの転属車であるE231500番台と共に現在も運用が続いています。

現在は全車両が4ドアで統一され6M4T組成に改められた0番台。電動車ユニットは八高・川越線に転用された編成の車両で、写真のB11編成はサハE231-31とサハE230-11を外し元B5編成のモハE231-9+モハE230-9を組み込んでおり、転用先が無いサハは全て廃車になりました。

上の編成とは一つ違いのB10編成。この編成は元B7編成のモハE231-13+モハE230-13を組み込んでいます。この0番台はB10B12B14B26B276編成が在籍し運用が続いています。既に登場から20年以上経過しているので、車両の入れ替わりが早い首都圏のJR東日本では古参の部類に入りつつある車両です。

たまたま捉えられたE231900番台車と同500番台のすれ違いシーン。E231900番台は当初209950番台として1998年に登場し、試作車としての役割を持っていた為電動車が三鷹寄り・千葉寄りで三菱電機・日立製作所の異なる制御装置を搭載していたり側面窓が209500番台と同一になっている、パンタグラフが量産車とは互換性の無いものを搭載するなど数々の相違点がありました。現在は8両編成化され京葉車両センターに在籍し武蔵野線のMU1編成として活躍しています。

0番台車内設備。座席モケットの色彩など209500番台で確立した仕様を踏襲していますが、化粧板がより白に近くなり明るさが増している他7人掛け座席部の側窓が全て開閉可能になっています。一段表示のLEDによる車内案内表示やクッション性が余りない座席など2世代前の車両であることを物語る部分が目立ちますが、車両性能面などは特に問題無いので今後も長く活躍が続くと思われます。

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