町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

高速貨物輸送の主力、JR貨物EF210新塗装と異端の旧塗装ロゴ省略仕様

2023年09月03日 | JR東日本

かつての貨物輸送の主力機関車であったEF65EF66形に代わるJR貨物のEF210型は改良を重ねながら増備を続け、登場以来の東海道本線・山陽本線の高速貨物列車を筆頭に中国地方の山口県から北関東の栃木県、群馬県まで本州の至る所でその姿を見られるようになり四国地方の愛媛県にも運用範囲を拡大しました。試作機901と量産型の0100番台、山陽本線瀬野〜八本松間の勾配補助対応の300番台を合わせて146両が広範囲に活躍を見せていますが、現在は量産型の0100番台が青色をベースに細い白帯を配した新塗装への変更が進んでいます。

従来のグレー主体に青と白の3色塗り分けから一気にシンプルになった新塗装。写真の125号機は新鶴見機関区の所属で本年329日に広島車両所で重要部検査を完了し、新塗装で出場しました。青と白帯の組み合わせはかつて東海道を往来したブルートレインの先頭に立たせてみたくなるような配色です。

工事列車の先頭に立つ旧塗装の105号機。吹田機関区所属機で、愛称である桃太郎ロゴは存置される一方車体側面の目立つJRFマークが無くなっている珍しい姿で運用に就いています。これは経費節減の為にマーク貼付けを省略した為とのことですが、他の機関車にも省略された個体が存在するらしく一時期だけのものなのか、はたまた今後はマーク省略の方針なのか興味深いところですね。

 

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少数派になりつつ活躍が続くE231系0番台・中央総武緩行線

2023年09月01日 | JR東日本

209系の実績を踏まえて開発された首都圏新系列電車第2世代のE231系は2000年度より量産車が登場しますが、一番最初の導入となったのは中央総武緩行線で、同線に残っていた103系の置き換えに充当されることになります。2006年には京浜東北線の209系試作車の900番台3本の置き換えの為、幅広車体仕様の209500番台車が転出することを受けてE233系の設計を一部に反映させた増備車3編成が登場、2015年には上野東京ライン開通に伴う運用増加でB20B21編成が常磐線快速に一時的に転用されるなど目立った動きはありつつも大多数の編成は中央総武緩行線での運用が続きました。しかし2017年より山手線にE235系量産車を導入することが決定し、捻出される山手線のE231500番台を中央総武緩行線に転用の上で0900番台車と209500番台は武蔵野線、八高・川越線へ転用されることになり大きな動きを見せました。一方で10両編成6本は付随車(サハE2316扉車サハE230)を電動車ユニットに差し替えて引き続き山手線からの転属車であるE231500番台と共に現在も運用が続いています。

現在は全車両が4ドアで統一され6M4T組成に改められた0番台。電動車ユニットは八高・川越線に転用された編成の車両で、写真のB11編成はサハE231-31とサハE230-11を外し元B5編成のモハE231-9+モハE230-9を組み込んでおり、転用先が無いサハは全て廃車になりました。

上の編成とは一つ違いのB10編成。この編成は元B7編成のモハE231-13+モハE230-13を組み込んでいます。この0番台はB10B12B14B26B276編成が在籍し運用が続いています。既に登場から20年以上経過しているので、車両の入れ替わりが早い首都圏のJR東日本では古参の部類に入りつつある車両です。

たまたま捉えられたE231900番台車と同500番台のすれ違いシーン。E231900番台は当初209950番台として1998年に登場し、試作車としての役割を持っていた為電動車が三鷹寄り・千葉寄りで三菱電機・日立製作所の異なる制御装置を搭載していたり側面窓が209500番台と同一になっている、パンタグラフが量産車とは互換性の無いものを搭載するなど数々の相違点がありました。現在は8両編成化され京葉車両センターに在籍し武蔵野線のMU1編成として活躍しています。

0番台車内設備。座席モケットの色彩など209500番台で確立した仕様を踏襲していますが、化粧板がより白に近くなり明るさが増している他7人掛け座席部の側窓が全て開閉可能になっています。一段表示のLEDによる車内案内表示やクッション性が余りない座席など2世代前の車両であることを物語る部分が目立ちますが、車両性能面などは特に問題無いので今後も長く活躍が続くと思われます。

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東京都心と国際空港を結ぶJR東日本E259系・成田エクスプレス(初代塗装)

2023年08月27日 | JR東日本

1991319日より東京都心部・神奈川県横浜市からの成田空港アクセス列車として新設された特急成田エクスプレスでは長らく同列車専用に開発された253系電車が充当され、順調に利用者が増加していました。一方で目的地の成田空港では2005年よりB滑走路延伸で大型旅客機の離着陸回数増加を目論み工事に着手、2010年度完成との方針を打ち出し更なる空港利用者の増加が見込まれることとなります。これを受け、古くから東京都心〜成田空港アクセスを担い成田エクスプレスとは競合関係にある京成電鉄の特急スカイライナーには新型車導入の構想が持ち上がり、加えて北総鉄道を経由し空港に乗り入れる新線(京成成田スカイアクセス線)2010年開通に向けて動き出しました。これらの動きからJR東日本も253系に代わる新型車両の導入を決定し2009101日より2代目となるE259系の運転を開始しました。

都心に向けて総武本線の複々線区間を快走するE259系。JR東日本の特急型電車ではお馴染みのアルミ合金製車体ですが、溶接箇所を削減するなど更なる改良が施されています。東京駅で横浜方面と副都心の新宿方面からの列車を分割併合する運用に対応する為、先頭車は貫通扉と自動幌装置を備えており、先代の253系では連結しても通り抜けできない構造でしたが本系列では通路が構成され編成間の通り抜けを可能にしています。運転を開始した2009年には財団法人産業デザイン振興会よりグッドデザイン賞が、翌年には鉄道友の会よりブルーリボン賞、2011年にはブルネル賞(鉄道唯一の国際デザインコンペティション)をそれぞれ受賞しました。

空港アクセス用に登場したE259系ですが、臨時列車への起用もされるようになり201212月の週末から202038日まで空港輸送とは関連しない東京〜伊豆急下田間の臨時特急マリンエクスプレス踊り子号での運用の他、2014726日から土休日に限り定期成田エクスプレスを延長する形で富士急行線河口湖まで運転したこともあり、こちらは20193月ダイヤ改正時の「富士回遊」新設に伴い終了しました。この為、臨時ではありますが伊豆急行線・富士急行線の2社の私鉄路線に乗り入れた実績があります。またユニークな点では新型コロナウイルス流行に伴うテレワーク増加で、両国駅3番線ホームに本系列を留置し車内テレワークの実証実験にも用いられました。

普通車車内設備。海外からの観光客も多く利用するため、情報案内の充実を図るべく17インチ液晶画面による車内案内表示器を天井にも設置しました。この為に天井高さは床面から2305mmを確保しており、開放感のある室内空間となっています。

グリーン車車内。座席を本革製とし、跳ね上げ式フットレストを設けて普通車と差別化を図っています。先代253系ではコンパートメントが設置されていましたが、E259系では解放型客室とされました。

長らく空港アクセスに特化していた成田エクスプレスですが、2022312日より日中時間帯も千葉に停車するようになり、また2023324日にはE259系の塗装デザイン変更が発表され、新塗装のコンセプトに空港アクセスに限らない多様な都市間輸送特急との記述があり、今後は成田エクスプレス以外の列車の充当を示唆する動きを見せています。今後の他路線への進出に期待ですね。

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横須賀線・総武線系統の新しい主力・JR東日本E235系1000番台

2023年08月09日 | JR東日本

横須賀線・総武線快速には長年主力だった113系の置き換え用に近郊型に区分される車両では初となる4ドア車のE217系が1994年から導入され、1999年までに置き換えを完了させました。その後は東海道線への一時的な転出や機器更新改造などはありつつも全車両健在で安定した活躍を続けていましたが2018914日、JR東日本の定例会見にてE2351000番台をE217系置き換え用に導入することを発表、20201221日より営業運転を開始しています。山手線用0番台の登場から約5年目のことですが、E235系初の中距離輸送対応型になりました。

E217系同様に久里浜寄りから付属編成4両+基本編成11両で構成されるE2351000番台。帯色は横須賀色のクリーム1号と青20号の2色が継承されています。山手線とは違いホームドア未整備駅が多い郊外路線を走行する為、路線カラー帯はドア部に施すのではなく従来通り横方向に通されるようになりました。一世代前のE233系では帯がドア部も貫いていましたが、本系列では省略されE231系以前に戻ったような印象を受けます。

本番台では車両側の機器を始め、線路と架線の地上設備の状態を監視するモニタリング装置を搭載しており、走行中に記録したデータを常に地上システムへ送信しています。また、停電時にも最寄駅まで運転を継続出来るように非常用電源装置をJR東日本では初採用しました。この為、2号車と6号車のみ空気タンクが屋根上に設置されています。

基本編成と付属編成の連結部分。先頭車形状が完全な平面になっているためか従来のE231233系よりも更に連結間隔が狭くなっている印象です。将来的には同じ線路を走行する東海道線の同系列に合わせて連結位置の変更も視野に入れているようですが着手は置き換え完了後になるでしょうから、もうしばらく掛かりそうですね。

車内設備はE217系ではセミクロスシート車が存在しましたがE235系では普通車は全車両ロングシートとされました。座席の袖仕切りも形状が変更され、乗客からの要望により透明化された部分が廃止されています。また、縦長の吊り手も本番台からは他社でも見られる通常の形状に戻りました。2022年度の増備車(F-14編成)からはコストダウンと思われる仕様変更が発生し、妻面貫通扉やドア両脇の化粧板省略(ステンレス仕上げ)や荷物棚のパイプ式化、半自動ドアボタン形状変更やロールバー削減など初期車に比べて退化したかのような仕上がりになっており、今後はこちらが主流になるようです。

グリーン車車内(2階席で撮影)E235系列初となる2階建グリーン車ですが、E231233系列では1階席と2階席では座席モケットの色を変えていましたが、本系列では12階と平屋部も全て同じカラースキームで統一されています。普通列車ながら電源コンセントを各席に備えており、サービスレベルは大幅に向上しました。

ドア上の車内案内表示は0番台に続き日立製作所製で他形式・他社でも主流の17インチではなく、21インチ画面と大型のものを設置しており、表示可能な情報量は格段に向上しています。観光客の利用も多く、空港アクセス路線としても機能する横須賀線・総武線系統の路線には相応しい設備ですね。

今後もE217系置き換えの為に順次増備が続きますが、この横須賀線・総武線快速用以外に計画されていた京浜東北線を始め、東海道線(上野東京ライン・湘南新宿ライン)仕様の導入は中止になってしまった為、次にE235系列が導入されるのはどこになるのか、今後に色々期待が膨らみます。

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短編成でフレキシブルに活躍する房総半島アクセス特急・JR東日本E257系500番台

2023年08月07日 | JR東日本

中央本線、房総半島各線への特急列車には国鉄時代から引き継いだ183189系が主力として使用されていましたが、2000年代が近付くと老朽化も目立つようになって来た為、置き換えが計画され快適性の向上に主眼を置いた特急型電車としてE257系列が開発されました。当初は2001年より中央本線「あずさ・かいじ」用に0番台車が導入されましたが、房総半島各線の特急「さざなみ・わかしお・しおさい(あやめにも2015年まで充当)」で運用するべく普通車のみで構成される500番台が登場しました。5両編成と首都圏で運用の特急電車にしては短編成ですが、列車や時期により2編成併結の10両編成になる運用も設定され需要に応じ柔軟な対応を可能にしています。

身軽な5両編成単独で海沿いの京葉線の高架線を快走するNB-03編成。車体のカラーは白で夏のビーチ、青で深い太平洋、黄色で陽光と菜の花をイメージしており側面扉横にはbosobと幕張新都心の建造物をモチーフにしたロゴが入っています。

基本番台では非貫通先頭車が存在しましたが、500番台では両先頭車共に常用貫通路と自動分併装置を備えて2編成併結に備えています。20041016日から運用を開始し、約1年後の20051210日には房総半島方面の特急用183189系を全編成置き換えました。

10両編成で総武本線の複々線区間を行くNB-2編成他の10(後部5両車番不明)。登場から10年余りは安定して活躍していましたが、転機が訪れたのは2015314日ダイヤ改正による特急の削減で、NB-10NB123編成が所属は幕張車両センターのまま豊田車両センター常駐とされ、富士急行線直通列車に充当されることになりました。2019年にはホームライナー廃止で更に2編成が余剰となり、4編成(NB-06071314)が修善寺行き踊り子向けの2500番台に、豊田車両センター常駐分+2編成(NB0812)が波動輸送用の5500番台に改造され、特に5500番台は高崎線系統の「あかぎ」「草津・四万」で定期運用を開始しています。

車内設備は2人掛けリクライニングシートが並ぶオーソドックスな仕様で座席モケットは海をイメージしたと思われる青色系です。快速列車などに充当の際には枕カバーを取り外して運用します。

登場から19年目に入るE257500番台ですが、あまり経年も感じさせずフレキシブルな運用に対応可能なことから今後も相当長く活躍しそうですね。

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