東京三多摩地域を南北に縦断する多摩都市モノレールに乗車して来ました。同線は鉄道空白地帯となっていた多摩地域の南北交通機関の充実を目指し建設された路線で、東京都東大和市の上北台駅を起点に、立川市・日野市・八王子市・多摩市を結びJR各線や西武鉄道、京王電鉄、小田急電鉄などへの連絡輸送の他、沿線各所に点在する大学など教育機関へのアクセス路線として機能しています。基本的に住宅街の中を走り抜けますが、区間によっては高速道路や幅の広い河川を超える為に高い場所を走ったり、丘陵地帯ではトンネルを抜けるなど、中々に景色の変化を楽しめる路線です。
現在の車両は開業時からの1000形で統一されています。川崎重工業・日立製作所に2社により製造され、車内設備に幾つかのバリエーションが存在しましたが、後年の改造工事でほぼ全編成の仕様が統一されました。登場は1998年で、上北台~立川北間の開通と同時に営業運転を開始しています。全電動車編成で、VVVFインバーター制御装置は日立製作所の物を採用しました。
夕陽を浴びて、終点の上北台駅に進入する1000形。多摩都市モノレールは日本跨座式を採用している為に車高が高くスカートも長いので、駅で撮ろうとすると画面から見切れてしまうのが難点です・・・。沿線撮影の方が向いていますね。ちなみに登場から長い間、正面はブラックでしたがロングシート化改造と併せてオレンジの太い帯が加わりました。行先表示も方向幕からLEDに交換されています。
1.3メートルの両開き扉にロングシートを配置する通勤電車らしい車内設備。当初長い座席はドア付近のみ2人掛けロング+ボックスシートを採用していましたが、輸送量が増大したことで乗務員室後部を除きロングシートに改造され、大型の袖仕切も新設されました。進行方向と反対側を向いて運ばれることが無くなり、乗り降りの際に他に着席している乗客に気を使わなくて済むようになったのは大いに歓迎です。
久々に乗って驚いたのがこちら。三色LEDによる車内案内表示器は三菱電機が開発したカラーユニバーサルデザインに更新され(駅間でもその旨のメッセージが見られる)、英語・中国語・ハングル語の表示も行うようになりました。しかし自動放送は相変わらず日本語のみの実施です。
現在は上北台~多摩センターの16キロを結んでいますが延伸計画にある上北台~箱根ヶ崎間、多摩センター~町田・八王子間に関して、果たして実現する日はいつになるのでしょうか。