1993年より8000系の兄弟系列として、一部に廃車車両の部品を流用して地元横浜市の東急車輛製造(現在の総合車両製作所)で製造された9000系ですが、2007年から開始された新グループカラーへの変更完了から間を置かず、デザインブランドアッププロジェクトの発足で、大規模な更新改造と“YOKOHAMA NAVYBLUE”への塗装変更を実施することになり、グループカラーで残存するのは遂にトップナンバーの1編成のみとなりました。
本線急行運用中の9701F。グループカラーへの変更を受けながらも、行先表示は幕式を維持し、ドア交換と機器更新を施工されている一方、車内設備は未更新のままという、何ともチグハグな状態になっています。更新途中でブランドアッププロジェクトが発足したので、どうせ更新するならこのままで良し、と判断されたのかも知れないですね。
行先・種別表示は唯一幕式を堅持していますが、特急運転開始に伴い新幕に更新されています。分散式冷房装置を搭載するのは、相鉄ではこの9000系が最初で、現状唯一の存在です。グループカラー化までは8000系とは全く似ていない印象でしたが、塗装が揃えられて共通性がハッキリと分かるようになりました。
登場以来のオレンジの座席と、ステンレス製手摺りで構成された袖仕切りを保つ車内。ドアが新品に交換されていますが、車内案内表示は妻面部分に設置されているものを継続使用しており、ドア上にはチャイムのスピーカーのみがある点にも注目です。
妻面部分に設置される特徴的な三段式大型LED表示器。かつては8000系初期車もこのタイプでした。後期車では、やはりドア上の方が見やすいとされチャイム併設の上鴨居部に千鳥配置になり、初期製造の編成も順次改造されましたが、どういうわけか9701Fは改造を受けないまま運用されて来ました。写真のように特急運転にも対応するように改修され、現在も稼働しています。
トップナンバー編成ということで残している、というわけでもないでしょうが、1編成くらいネイビーブルー化から除外して、廃車までに旧来の赤帯などにリバイバルしてくれたりとか、しませんかね?(その時は8000系も1編成だけ赤帯復活を激しく希望します)