東急では「きになるプロジェクト」として戸越銀座駅のリニューアルに際して地域と一体となった計画を発足させ実に90年振りとなる改装に着手し、多摩(あきる野市)産材を使用した新たな老舗商家をイメージした木造駅に一新されました。それらのプロジェクトの一環で、2016年3月下旬より1000系の1017Fが昭和20〜40年代初頭まで採用していたツートーンカラーのラッピングを施され「きになる電車」として登場し注目を集めています。
1951年〜1966年頃まで初代3000系列に施されいたカラーリングでラッピングされた1017F。側面には近年見れなくなって久しいT.K.K(Tokyo.kyuko.kabushikigaisha)の文字も再現されています。
ステンレスに赤帯や緑帯が中心の池上線・多摩川線系統では異彩を放つ存在ですが、登場から今年で5年目に入り、すっかり日常的な光景として定着しました。ドア窓は広告ステッカーは貼られないことの方が多いようですね。
車内設備は木目調に一新され、1950年代以前の主流だった木造の内張りをイメージしています。配色こそ違えど車椅子スペースやスタンションポール設置は1000系1500番台に近い設備に更新され、LEDの車内案内表示器なども活用する一方で足回りは原型の東洋電機GTOサイリスタを維持しており、セミリニューアル車的な雰囲気もあります…。
車内案内表示器の筐体も化粧板に併せて茶色く塗装仕上げにしたものが設置されました。ドアチャイムは例によって旧営団タイプが開閉時に流れます。
現在は緑色のラッピングを施工された1013編成と一緒に沿線に華を添えていますが、更新工事で1500番台化されたら、どんな姿になるか楽しみでもあります。