新系列電車の始祖である209系は発祥路線である京浜東北線へのE233系1000番台導入により2007年から置き換えが開始され、運用終了後は順次廃車される予定でしたが、老朽化が進行していた房総半島各線の113系置き換えに充当される事になり、電気式戸閉装置を搭載する後期車を中心に324両が4両編成42本、6両編成26本に組成され2009年〜2013年に掛けて転入しました。現在は一部線区のワンマン化で撤退した区間もありますが、千葉以東の路線で広範囲に運用されています。
4両編成2本を連結した8両で運用中の編成。転用に当たっては分割併合運用が存在する為、自動分併装置の新設と尖った形状のスカートに換装されています。またVVVFインバーター制御装置・制御伝送装置の更新や中間車モハ208への車椅子対応大型トイレの設置など大規模な改造を施行されました。戸閉機構の違いで、2000番台(1・2次車ベース、空気式戸閉装置)・2100番台(3次車以降ベース・電気式戸閉装置)で分けられています。
両側の先頭車が川崎重工業のマリC427編成先頭の8両。近年は内房線・外房線の末端区間ワンマン化でこのような運用が増加しています。6両編成は単純に種車の10両から付随のサハを抜いた構成ですが、4両編成は別々の編成の車両を組み合わせているものが多く、写真のように川崎重工業の先頭車と東急車輛(新津車両製作所)の中間車の編成が見られ、窓枠の形状で判別できます。なお川崎重工業の車両は一部の先頭車のみが活用され、中間車は全て廃車になりました。
京浜東北線時代の面影を色濃く残しているロングシートの車内。冬季や夏季の長時間停車を考慮してドア3/4閉機能を追加しており、1箇所を除いて閉める事が出来る様になっています。
長時間の乗車を考慮して先頭車はセミクロスシート化されました。モケットはE231系500番台のような緑系で、座り心地が改善されています。
2013年の113系置き換え完了後は安定した活躍が続いていましたが、京浜東北線・横浜線のワンマン化に伴う新形式投入により捻出されるE233系で房総各線の209系を置き換える計画が明らかになり、2024年以降に着手する事が決定しました。現時点でも内房線・外房線末端区間と鹿島線のワンマン化によるE131系運転開始で6両編成の4両化と余剰廃車が発生しており、平成世代の新系列電車の終焉もいよいよ見えて来たようです。