5000形の増備が進み、リニューアル工事の対象から外された1000形が消滅しましたが、導入当時1000形ワイドドア編成と共に順次代替されると思われた8000形は予想に反して界磁チョッパ制御のまま存置された8251・8255Fと踏切事故で大破した8264Fの6両3編成18輌が廃車されたのみで、VVVFインバーター制御化改造を受けた142両に関しては現在も主力車両として運用が続いています。初の営業運転開始は1983年3月22日ですから、来年でいよいよ登場40年目を数える事になります。
2004年に更新工事を受けた8257F(後部4両8057F)。この編成から10両組成時に中間に入るクハ8250に搭載される96芯電気連結器の下段に36芯電気連結器を増設し、D-ATS-Pも新設され、他編成にも波及しています。また特筆すべき点として登場時の1984年から1987年までイベントカーに指定され、車体をホワイトとしレッド、イエロー、マルーンの3色を配するカラフルな装いで「ポケット号」の愛称が付けられていました。
1986年末に登場した8062F。リニューアルは比較的遅めの2012年で、同年12月4日に完了しています。車内設備・走行機器共に4000形で採用された仕様が反映されていますが、リニューアル後の4両は単独での運用が出来ない為、廃車開始の際は6両編成よりも先に処分される事もあり得そうですね。
過去にも載せていますが2006年度までに更新を受けた編成の車内設備。写真は2003年末に入場し、2004年3月31日VVVF化改造編成第一陣として出場した8254Fのデハ8204で撮影したものですが、修繕から18年が経過した今も劣化は見られません。
ドア上のLED表示器は3000形3次車初期編成と同一品となり、8251・8255Fに設置されたものと外観は同じですが、英語表示の書体が異なっています。
徹底したリニューアル工事で3000・4000形と同等の性能になりバリアフリー対応も問題無い事、普通鋼製車体ながらステンレスやアルミを内部に用いたおかげで、車体の劣化が少ないなどの理由で早期に置き換える必要性が薄く歴代の小田急通勤電車の中でも長寿命になっている8000形ですが、1000形未更新車が全廃された現在では一番動向が気になる形式です。車齢40年を超えるのら確実そうですが、どこまで活躍出来るか見ものですね。筆者個人としては東武の8000系よろしく50周年を迎えることを期待してしまうのですが…。