2011年3月で運用を終了した京王初の大型車にして最後の普通鋼製車となっていた6000系は、2009年に運用を離脱し廃車となったデハ6438号車が保存の対象に選ばれ長らく若葉台検車区にて保管されていましたが、2013年10月10日にリニューアルオープンする京王れーるランド入りすることが決定し、他の保存車両と共に展示されるようになりました。この時点では新塗装化された後の姿でしたが、引退から12年目となる本年3月11日より、登場から長らく見られた臙脂色の帯に整備され、懐かしい姿を久々に見せています。
1973〜2002年の間に纏っていたアイボリーホワイト+臙脂帯に戻った6438号車。引退間際のリバイバル塗装では登場直後の1972年の僅かな期間の姿(正面の帯が斜めカット処理で行先表示器が塗り分けられている)だったので標準的なスタイルに戻ったのは実に役21年振りとなります。乗務員室扉後部に貼られていたKEIOのロゴが消されていますが、現行ロゴ貼り付けは1989年より、スカート新設は1992年からの為、厳密には実際に運用されていたどの時期とも合致しないので、それさえ無ければ完璧でした。
帯色復元後はヘッドマークの取り付けがされていたようですが、筆者が訪問した日は特に掲出はありませんでした。京王といえば、やはりこの色を思い出す方は多いのではないでしょうか。普通鋼製車体で一段下降式窓を採用したことが短命に繋がってしまい、ほぼ同じ性能で車体をステンレス化した7000系はVVVF化改造を受け現在も廃車が出てるとはいえ幅広い運用に就いているのを見ると、なかなか残念な終末でした。
よく見ると5000系の5723号車もKEIOロゴが消されて急行系列車の運用にも入っていた1970〜1980年代を思わせる姿になっています。通勤時間帯に1992年まで設定されていた通勤急行の表示板が掲げられていますが、現役時代は新宿方先頭車だったので良く似合いますね。
妻面側に設置されている6000系の説明板。元々地上専用車だったのが後年乗り入れ対応に改造されたことが触れられています。系列全体では39年間在籍でしたが、個別に見ると20年に満たないまま廃車になる車両が多数存在しました。