横浜市営地下鉄が開通してから50年目となる2022年、想定以上の老朽化が進行していた3000A形の置き換え用として待望の新形式となる4000形が登場しました。1992年登場の3000A形以来、N•R•S•Vのアルファベットで構造の違いを表しながら増備が続けられながらも系列自体は3000のままで本形式も3000V形2次車として計画されていましたが、外観デザインを大幅に変更した為新形式とされたものです。製造メーカーは川崎重工業(2021年10月より子会社の川崎車両)が担当しており、初代車両の1000形以来こちらも50年ぶりの受注となりました。今後も3000A形の置き換えを完了させるべく増備が予定されています。
これまでの3000形グループでは「く」の字状に尖った流線形スタイルの前頭部でしたが、見る角度で表情が変化する直線的な形状に改め、前照灯・尾灯が縦配置となっているのが特徴的です。これは、横浜市が実施した調査から「横浜のイメージ」「横浜らしさ」を抽出し「海辺の先進的な都会感」をコンセプトに掲げ凛とした佇まい、スピード感を感じさせるデザインとされています。
側面も3000V形までは配置は若干違うものの基本的には青と水色の帯が横方向に貫くデザインでしたが、ゲートタイプのホームドアの普及に伴い上部に4色の帯が入り腰部に細帯が通るスタイルになりました。メカニズム的にはハイブリッドSiC適用IGBT-VVVFインバーター制御を採用し、3000V形とほぼ同じ性能となっています。
3000V形でもガラスを多用した開放感ある車内でしたが、4000形ではまたデザインが見直されました。天井や袖仕切りの形状、一部の配色が変更になりましたが、近年の新造車にしては珍しく、座席は片持ち式ではない蹴込み板があるタイプになったのが特徴です。
車内案内表示器は17.5インチの液晶画面で、3000V形では周囲に合わせて白の筐体でしたが、本形式では黒になりました。停電時でも車載バッテリーによる表示を可能にしており、非常時にも視覚による情報提供を可能にしています。
今回の4000形は3000A形の代替の為に8編成が増備される予定ですがブルーラインは2030年度を目標に、あざみ野〜新百合ヶ丘間の延伸を予定しており開通時には更に車両が増備される予定となっています。4000形はそれらとは関連しない3000A形代替用ですが、延伸の際の増備車は現在の4000形のマイナーチェンジ車になるのか、また完全な新形式になるのか注目ですね。