横浜市営地下鉄1・3号線(ブルーライン)では、1972年の開業以来長らく初代車両の1000形が主力車両でしたが、消費電力が大きい抵抗制御かつ内部構体を普通鋼製とするセミステンレス構造の車体で老朽化が進行していた為、2004年度から順次置き換えられる事になり、代替の新造車として1999年の戸塚〜湘南台間延伸開通時に増備された2次車の3000N(Newの頭文字)形をベースに細部の改良を実施した3次車となる3000R形を導入しました。Rは置き換えを意味する「Replace」の頭文字で、1000形と同数の6両編成14本が製造されており、現在ブルーラインで運用される3000形グループの中では、この3次車が最多となっています。
日本車輌製造のブロック工法が採用された為、2次車までは車体にあったビードが廃されシンプルな外観になった3次車3000R形。角張った先頭部のデザインは2次車からですが、正面ガラス下部が曲線とされソフトな印象になるよう仕上げられています。
2004年度製造分(39〜46編成)の落成当時は車掌も乗務するツーマン体制による運転だった為、ワンマン運転用設備は未設置でしたが、2005年度製造分(47〜52編成)は対応する機器を搭載しており、他編成も改造で設置されました。ATOによる運転は2007年1月20日より開始され、それに伴うホームドアは同年4月中より設置駅から順次稼働開始、12月15日からは完全にワンマン運転に移行しています。
車内設備はほぼ2次車を踏襲する部分が多いですが、人数区分がされたバケットシートが採用され、優先席も一般座席と同一のモケットを採用、また車椅子スペースを先頭車から全車両に設置するなどバリアフリー面も強化されています。登場時は路線図一体型のLEDによる車内案内表示器は液晶画面に換装されました。3000S形はR形と同一の設備ですが、一部の手摺りや妻面貫通扉の取っ手に2000形の発生品を再利用するなど、細部に違いが見られます。
新しい印象がある3000形3次車以降のグループですが、R形も来年で登場20周年を迎えることになりました。今後は2030年度を目標に、あざみ野〜新百合ヶ丘間延伸を控えていますが、開通後もR形・S形共に主力として活躍しているでしょう。