東武東上線〜営団有楽町線直通運転開始に向け、東上線には初のステンレス車両として1981年に9000系の試作車である9101Fが配置されますが、当時残存していた鉄道省割り当ての63形が前身の7300・7800系グループ置き換えと列車増発に向けての地上専用汎用通勤車の導入を進める事になり、9000系の増備は一時中断され1983年より10000系が登場しました。同年12月22日から東上線で運用を開始し、1984年3月20日からは伊勢崎線・日光線でも運用を開始しています。現在伊勢崎線所属の2・6・8両はリニューアル工事が施工されていますが、東上線所属の10両編成は未だ工事を施工されないまま運用に就いており、登場時に近い姿を現在も保っています。
直線的なイメージだった9000系に対して丸味を持たせたデザインになった10000系。この編成は11003F〜11006Fの4本が在籍し、当初8両編成で11803F〜11806Fを名乗りましたが、輸送力増強の為に1989年に中間車2両を増結して現在の車号に改められました。10両編成は営業運転で他車と連結することは有り得ないので、他編成が自動分併装置を備えた密着連結器に交換された後も登場以来の密着自動連結器のまま存置されています。
かつては8両編成の11801F・11802Fも所属し、2008年には増結用として11201F・11202Fが伊勢崎線から転入して来た事もありましたが、30000系の転属により先ず11802F+11202Fが2014年2月28日に館林作業所に入場しリニューアル工事を施行、同年7月24日には11801F+11201Fが施行され伊勢崎線系統に転出しています。
2006年9月1日からは東京メトロ有楽町線にも10000系が登場し相互直通運転を開始した為、東上線内では10000系同士並ぶ場面も見られるようになりました。形式は被っていますが付番の方式が全く異なる為、特に問題は無いようです。
車内はグリーン系のロングシートを配置していますが、登場当初はコロラドオレンジと呼ばれる色のモケットで、11606Fより現在の仕様になり他編成も交換されました。ステンレス無地のドアに金属管構成の座席袖仕切りなど、9000系試作車とほぼ共通ですが、戸閉装置は8000系以来の座席下収納式から鴨居設置式に改められ動作音が静かになりました。
現在のところは安定した活躍を見せる10000系ですが、来年で登場から40周年を迎えることや、マイナーチェンジ車である10030系に余剰廃車が生じたこともあり、バリアフリー非対応で残る10000系にも何らかの動きが生じることが予測されます。
こんにちは、コメントありがとうございます。
休車扱いなのにデジタル無線に対応させているのが解せない点ではありますが、部品取りのような状態にされている現状では復帰は厳しそうですね…。