東武10000系グループは登場から20年以上が経過した2007年からリニューアル工事を実施していますが、伊勢崎線所属車の6両全編成に対し施工が完了すると、対象はマイナーチェンジ車の10030系に移行し2011年3月8日より11635F6両が施工され運用を開始しました。何れも車内接客設備の改善を目的としており、9000系の副都心線対応車に準拠した設備に改められていますが、年度毎に更新内容が変化しVVVFインバーター制御化された編成も登場しました。
6両編成では最若番で1988年に落成した11631F。登場以来、伊勢崎線・日光線系統で運用されていましたが2013年6月にリニューアルを受け、同年8月2日で七光台支所へ転出し野田線で運用を開始しました。転出時に自動分併装置の撤去、2015年2月には先頭車前面にホーム検知装置を設置して印象が変化しています。
東上線所属の11637F+11442F。1990年度車で、番号からも分かるように6両編成と4両編成でしたが2014年8月に中間に連結しているクハ16637とクハ11442の運転台機器・前照灯を全て撤去し正式に付随車(サハ)化、2017年3月21日にリニューアル工事を完了しました。行先・種別はフルカラー化されていますが、耐久性に個体差があるようでこの編成はシャッタースピードを1000分の1に設定しても切れずに写り込みます(他編成は完全に切れてしまいます)。東上線では界磁チョッパ制御の部品確保の為、11032Fと11639F+11443Fの10両編成2本が60000系同様のVVVFインバーター制御に更新されました。
9000系副都心線対応車に準じている車内。2010年以降からは妻面貫通扉の半減(1両に付き2箇所だった扉の片側を撤去し各車1箇所へ)、11640F+11440Fから車内案内表示器の変更(LEDスクロールからコイト電工の横長液晶画面「パッとビジョン」を設置)など、細かいメニューが変更されています。
リニューアル工事で50000系列と同等の水準になり、今後も長い活躍が見込まれそうですが、野田線所属車両は2024年度から順次導入される5両編成の新型車両で置き換えられる事になるようで、再び転出することがほぼ確定となりました。既に佐野線で10000系2両編成が運転を開始した事から想像しますに6両固定編成を伊勢崎線に戻し、捻出される4両と2両をワンマン改造して館林地区各線などに回すのではないかと思われますが今後の動向を注視したいですね