薦められて観てきました。
久しぶりにシアターキノに行って来ました。
ユーモアにあふれた映画かと思ったら、新法王の心の葛藤を描いた映画でした。
選挙で選ばれた新ローマ法王は、ローマ市民の前で演説をする前にプレッシャーでバルコニーに現れず、その後、お付きの人の目を盗んで逃げだしてしまいました。
そこで多くのローマ市民と触れ合い、自分を見つめ直していきます。
新ローマ法王はチェーホフの舞台が好きでした。
この映画でチェーホフを聞けると思わなかった・・・・
連れ戻された法王がバルコニーに立ち、演説を行います。
わたしはまるでローマ市民になったような気分でした。
なので、最後は茫然としました。ショックでした。
言葉を失う・・・ということはこういうことなのだと思います。
(まだ見ていない人のために、ネタばれしないようにしています)
久々に心にざらつきを残した映画でした。
なぜ、こういう結果になったのが、なぜこういう映画を作りたかったのか、頭から離れなくなりました。
好きか嫌いかといわれたら、断然好きな映画です。
北海道近代美術館で催されている「東山魁夷展」を見てきました。
10年以上前に「東山魁夷 青の世界」を見てから、本当に好きで、楽しみにしていました。
ぼんやりした絵のように見えても、少しの陰影を細かく描写。
しっかりとした構図の中に静けさを感じます。
日本画を基礎とした美しい風景画も、実はどこにも存在しない架空の場所。
でも何処かで見たような懐かしい風景です。
パンフレットに使われたこの道の絵も、あえて咲いているお花たちを排除して、道だけを際立たせ、同じ 色の様に見えて、丁寧に陰影を付けています。
いろんな絵があり、人それぞれ感想は違うけれど、日本の四季に心を揺さぶられ、暮れゆく風景を心にとどめ、いつもいろんなことを感じられる自分でありたいと思いました。