このところのドル・円の落ち着きは少々不気味です。
ご存じのように、昨年8月以降はドル・円相場と株式市場がまさに連動して動いております。日本の輸出企業が円高によりダメージを受けるため、円高基調が強まれば株価は安くなるとの一般的な解説は、それはその通りなのですが、為替相場操縦にはインサイダー疑惑がかからないということにもう一度思いを馳せる必要がありそうです。
今日のブログで、日経平均が400円以上も動いた日が、今年になって10回を数えていると書きました。このボラティリティの高さは一体何故なのか?
ここまでに、世界のサブプライムローンを始めとするローンの証券化による損失額は、1月2日のブログで紹介したように、ゴールドマン・サックスの試算で、既に45兆円になっております。これにより、BIS規制を守るためには、銀行は貸出規模を2兆ドル削減しなければなりません。
この膨大な額の貸出削減の動きが、いわゆるクレジット・クランチです。しかし、金融機関の損失はこれで終止符が打たれる訳ではありません。45兆円が、我が国のバブル崩壊に匹敵する100兆円規模の損失に拡大していけば、更に2兆ドル以上の貸し出しの削減を迫られます。
これが見えているからこそ、投資銀行やヘッジファンドは、世界の株式市場や商品市場から、出来るだけ短期に利鞘を抜かなければならないところに追い込まれている筈です。
そのため、ボラティリティの高い株式相場が続いている訳ですね。
その日本の株式市場の操作の基本は、インサイダー疑惑のかからない為替操作です。円安に振っておいて、日本株を一定程度上げて円の手取りのバリューを上げておき、その後、為替操作により、円高に振って儲けの円をドルに交換する時のドルの手取りを多くする、そして、更にその過程で株を大きく下落させる空売りを仕掛けて、更に儲けを確定する、といった荒々しい手口があからさまに出てきているのが今年の特徴かと思います。
年初に株式市場が劇的な下落を見せた時、日経平均連動債のノックイン価格というのが話題になりましたが、為替にもオプション取引においてノックイン価格というのがあるようです。(オプション料が安いので結構使っているとのこと)このノックイン価格を割り込めば、輸出企業は手持ちのドルの損失拡大を防ぐため、更にドルを売らざるを得ず、その上、結構な額の円借款をしているアジア各国(先日行ったベトナムもそうです)は、借りた円の価値が上がる(円高)と返済額がそれだけ増えるため、手持ちのドル外貨を円に換える動きをとります。この2つの動きにより、スパイラル的に円高が昂進するというのが、いわば悪魔の仕掛けです。
今は、円高は小康状態ですが、これから日本株を上げられるだけ上げておいて、その後、何らかの理由が後付でついて、円高に一気に振れる動きが予想されます。
アメリカはこれからも政策金利を2%程度にまで下げて、金融機関の救済を行う方向に舵を切りました。インフレ率を加味すると今の3%でも既にマイナス金利です。
金利を下げると言うことは、アメリカの債券がこれまで通りには買われなくなることを意味します。15ヶ月で100兆円の資金流入が必要な国が取れる方策として、ドルの実質的な切り下げを30%行えば、ドルの対外負債額は変わらずに、アメリカが持つ対外資産の現地通貨での価値がその分上昇して、結果として、アメリカは0.9兆ドルの純債権国になるという試算もあります。
その時、1ドルは現在の107円から75円となります。
この大きな流れを見失わないようにして、現在の相場の位置取りを見極めたいものですね。
ご存じのように、昨年8月以降はドル・円相場と株式市場がまさに連動して動いております。日本の輸出企業が円高によりダメージを受けるため、円高基調が強まれば株価は安くなるとの一般的な解説は、それはその通りなのですが、為替相場操縦にはインサイダー疑惑がかからないということにもう一度思いを馳せる必要がありそうです。
今日のブログで、日経平均が400円以上も動いた日が、今年になって10回を数えていると書きました。このボラティリティの高さは一体何故なのか?
ここまでに、世界のサブプライムローンを始めとするローンの証券化による損失額は、1月2日のブログで紹介したように、ゴールドマン・サックスの試算で、既に45兆円になっております。これにより、BIS規制を守るためには、銀行は貸出規模を2兆ドル削減しなければなりません。
この膨大な額の貸出削減の動きが、いわゆるクレジット・クランチです。しかし、金融機関の損失はこれで終止符が打たれる訳ではありません。45兆円が、我が国のバブル崩壊に匹敵する100兆円規模の損失に拡大していけば、更に2兆ドル以上の貸し出しの削減を迫られます。
これが見えているからこそ、投資銀行やヘッジファンドは、世界の株式市場や商品市場から、出来るだけ短期に利鞘を抜かなければならないところに追い込まれている筈です。
そのため、ボラティリティの高い株式相場が続いている訳ですね。
その日本の株式市場の操作の基本は、インサイダー疑惑のかからない為替操作です。円安に振っておいて、日本株を一定程度上げて円の手取りのバリューを上げておき、その後、為替操作により、円高に振って儲けの円をドルに交換する時のドルの手取りを多くする、そして、更にその過程で株を大きく下落させる空売りを仕掛けて、更に儲けを確定する、といった荒々しい手口があからさまに出てきているのが今年の特徴かと思います。
年初に株式市場が劇的な下落を見せた時、日経平均連動債のノックイン価格というのが話題になりましたが、為替にもオプション取引においてノックイン価格というのがあるようです。(オプション料が安いので結構使っているとのこと)このノックイン価格を割り込めば、輸出企業は手持ちのドルの損失拡大を防ぐため、更にドルを売らざるを得ず、その上、結構な額の円借款をしているアジア各国(先日行ったベトナムもそうです)は、借りた円の価値が上がる(円高)と返済額がそれだけ増えるため、手持ちのドル外貨を円に換える動きをとります。この2つの動きにより、スパイラル的に円高が昂進するというのが、いわば悪魔の仕掛けです。
今は、円高は小康状態ですが、これから日本株を上げられるだけ上げておいて、その後、何らかの理由が後付でついて、円高に一気に振れる動きが予想されます。
アメリカはこれからも政策金利を2%程度にまで下げて、金融機関の救済を行う方向に舵を切りました。インフレ率を加味すると今の3%でも既にマイナス金利です。
金利を下げると言うことは、アメリカの債券がこれまで通りには買われなくなることを意味します。15ヶ月で100兆円の資金流入が必要な国が取れる方策として、ドルの実質的な切り下げを30%行えば、ドルの対外負債額は変わらずに、アメリカが持つ対外資産の現地通貨での価値がその分上昇して、結果として、アメリカは0.9兆ドルの純債権国になるという試算もあります。
その時、1ドルは現在の107円から75円となります。
この大きな流れを見失わないようにして、現在の相場の位置取りを見極めたいものですね。