株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

このボラティリティの高い相場は何故?

2008-02-25 22:49:44 | 金融全般
このところのドル・円の落ち着きは少々不気味です。

ご存じのように、昨年8月以降はドル・円相場と株式市場がまさに連動して動いております。日本の輸出企業が円高によりダメージを受けるため、円高基調が強まれば株価は安くなるとの一般的な解説は、それはその通りなのですが、為替相場操縦にはインサイダー疑惑がかからないということにもう一度思いを馳せる必要がありそうです。

今日のブログで、日経平均が400円以上も動いた日が、今年になって10回を数えていると書きました。このボラティリティの高さは一体何故なのか?

ここまでに、世界のサブプライムローンを始めとするローンの証券化による損失額は、1月2日のブログで紹介したように、ゴールドマン・サックスの試算で、既に45兆円になっております。これにより、BIS規制を守るためには、銀行は貸出規模を2兆ドル削減しなければなりません。

この膨大な額の貸出削減の動きが、いわゆるクレジット・クランチです。しかし、金融機関の損失はこれで終止符が打たれる訳ではありません。45兆円が、我が国のバブル崩壊に匹敵する100兆円規模の損失に拡大していけば、更に2兆ドル以上の貸し出しの削減を迫られます。

これが見えているからこそ、投資銀行やヘッジファンドは、世界の株式市場や商品市場から、出来るだけ短期に利鞘を抜かなければならないところに追い込まれている筈です。

そのため、ボラティリティの高い株式相場が続いている訳ですね。

その日本の株式市場の操作の基本は、インサイダー疑惑のかからない為替操作です。円安に振っておいて、日本株を一定程度上げて円の手取りのバリューを上げておき、その後、為替操作により、円高に振って儲けの円をドルに交換する時のドルの手取りを多くする、そして、更にその過程で株を大きく下落させる空売りを仕掛けて、更に儲けを確定する、といった荒々しい手口があからさまに出てきているのが今年の特徴かと思います。

年初に株式市場が劇的な下落を見せた時、日経平均連動債のノックイン価格というのが話題になりましたが、為替にもオプション取引においてノックイン価格というのがあるようです。(オプション料が安いので結構使っているとのこと)このノックイン価格を割り込めば、輸出企業は手持ちのドルの損失拡大を防ぐため、更にドルを売らざるを得ず、その上、結構な額の円借款をしているアジア各国(先日行ったベトナムもそうです)は、借りた円の価値が上がる(円高)と返済額がそれだけ増えるため、手持ちのドル外貨を円に換える動きをとります。この2つの動きにより、スパイラル的に円高が昂進するというのが、いわば悪魔の仕掛けです。

今は、円高は小康状態ですが、これから日本株を上げられるだけ上げておいて、その後、何らかの理由が後付でついて、円高に一気に振れる動きが予想されます。

アメリカはこれからも政策金利を2%程度にまで下げて、金融機関の救済を行う方向に舵を切りました。インフレ率を加味すると今の3%でも既にマイナス金利です。

金利を下げると言うことは、アメリカの債券がこれまで通りには買われなくなることを意味します。15ヶ月で100兆円の資金流入が必要な国が取れる方策として、ドルの実質的な切り下げを30%行えば、ドルの対外負債額は変わらずに、アメリカが持つ対外資産の現地通貨での価値がその分上昇して、結果として、アメリカは0.9兆ドルの純債権国になるという試算もあります。

その時、1ドルは現在の107円から75円となります。

この大きな流れを見失わないようにして、現在の相場の位置取りを見極めたいものですね。
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明日のモニタリング銘柄(2.26.08)

2008-02-25 17:32:57 | 明日のモニタリング銘柄
テクニカル用語の簡単解説

最初にいつものOSC4層分析です。少し古いデータは削除します。

注:①から③に件数が移動するに従い、相場環境の改善を示唆しております。④は中立。
日付の後の( )内の数字はその日の日経平均の前日比。

①OSCが前日同値以下&終値が前日安値と同値かそれ以下で終了
②OSCがコンバージェンス&前日比マイナス引け
③OSCが前日以上&プラス引け
④いずれにも該当せず

1月21日(-535円)①26件 ②4件 ③6件  ④167件
1月22日(-753円)①179件②17件 ③5件  ④2件
1月23日(+256円)①12件 ②10件 ③143件④37件
1月24日(+264円)①5件  ②17件 ③169件④12件
1月25日(+536円)①5件  ②6件 ③181件④12件
1月28日(-541円)①114件②4件 ③7件  ④76件
1月29日(+391円)①17件 ②1件 ③48件 ④134件
1月30日(-133円)①46件 ②45件③63件 ④45件
1月31日(+247円)①8件  ②49件③135件④7件
2月1日 (-95円) ①31件 ②28件③66件 ④74件
2月4日 (+363円)①30件 ②5件 ③118件④60件
2月5日 (-114円)①61件 ②17件③41件 ④84件
2月6日 (-646円)①117件②36件③23件 ④26件
2月7日 (+108円)①65件 ②10件③43件 ④85件
2月8日 (-190円)①80件 ②37件③37件 ④50件
2月12日(+5円)  ①104件②7件 ③48件 ④44件
2月13日(+46円) ①38件 ②18件③79件 ④65件
2月14日(+558円)①8件  ②1件 ③136件④57件
2月15日(-4円)  ①14件 ②26件③128件④34件
2月18日(+13円) ①12件 ②33件③114件④43件
2月19日(+123円)①40件 ②17件③65件 ④80件
2月20日(-448円)①122件②30件③18件 ④33件
2月21日(+378円)①12件 ②7件 ③132件④51件
2月22日(-188円)①28件 ②62件③72件 ④38件
2月25日(+414円)①20件 ②7件 ③69件 ④107件

それにしても、日経平均のこのボラティリティの高さは異常ですね。昨年は8月17日以前には400円以上の変動はたったの5回でした。8月17以降昨年年末までは、それでも2回だけでした。ところが今年に入ってからは既に10回を数えております。

昨年1年分の回数を既に今年のたったの2ヶ月弱で上回っております。こうなると、大きく上げたその次の日は、さすがに下げなければ物事のつじつまが合いません。

だからと言う訳ではありませんが、今日の上げで②がたったの7件に激減しております。③が多くなっておりますので、今日上げたものの、何時反落するのかペンディングボックスに大勢待機している様が見て取れます。今晩NYが強気に上げれば、今日の勢いのままに次は14000円の節目の奪還に向けて、日経平均は突き進むものと思います。しかし、OSCは2%下げてのダイバージェンスを示しておりますので、そろそろチョイとピークを付けてからの反落への準備が出来ているようです。但し、OSCのこのところのピーク値は58%から59%ですので、まだ後少し上げ余地があるのではないかと思います。それが明日の前場なのかどうかですが、OSCを見る限りではそのように見えます。

いずれにしても、海外市場が大きく波乱すれば、ここからは、まさに脱兎のごとく逃げ出す様が見物できるかも知れませんし、海外市場が上に地道に上げれば、もう1段の上値追いの方が勝っているようですので、14000円台の奪還が見えてきます。

新興市場ですが、例えばマザーズ指数は、OSCを22日に61%をマークし、既にピークアウト体勢に入っている可能性が大です。つまり、日経平均よりも一足先に上げてしまっているようです。昨年12月5日に66%というのがありますが、これを、今年の年初からの地合に鑑みて奪還してよいのか? 少し出しゃばり過ぎではないのか、というのが現状のOSCが語っていることです。

そういう微妙な段階ですが、大きな反落も覚悟しながらの、明日のモニタリング銘柄です。

1.3859シナジーマーケティング
 404Kを底に手堅くボックス圏の動きです。しかし、指数値が上場来最低値をマーク。OSCは+2%のコンバージェンス。安値はわずかに金曜日のそれを割り込みましたが、これは単なる綾での割り込み。筆者は昨日から410Kで指しておりましたが、後ひと息で届かず。売買判断指数はたったの8%です。RSIも+4%の30%とコンバージェンス。VR改は70%奪還。410Kあたりをすんなりと割り込むようなことがなければ、ここからは一旦反転体勢に入るかと思います。それにしても、出来高が細っているのが気がかり。買っても買っても、後が続かないようです。

2.8924リサパートナーズ
 231K~236Kでの買いですが、NYダウが下げて226K割れとなれば、話は別となります。上げ目途は246K。

3.9432日本電信電話
 ドコモの下落に歩調を合わせての下落が続いておりましたが、ようやくOSCを+3%の38%に戻しての+10K終了です。もう一度470K割れを回避する動きからの反転に期待。

4.9020東日本旅客鉄道
 今日の841Kが底打ちサインか?明日は846K以下での仕込み。865Kあたりにチョイと大きな岩盤があるようです。

5.8905イオンモール
 これは今や筋金入りのお天気株と言っても良いかと。別に天気予報関連銘柄という訳ではありません。その日の値動きがその日のお天気次第という、全くもって気まぐれな動きをする株という意味です。今日はとりあえず反転の体勢を作っておりますので、明日一気に動き出すのかどうか注目。

6.8697大証
 あまり大きな価格変動がないと言う意味では安定株。明日は今日の安値の551Kが割れるのかどうかをまず監視。割れたら見送り。542K割れでは売りが増えるようです。

7.9843ニトリ
 やっと底値を固めた模様。しかしそれは今日の地合に助けられたのかも知れません。とりあえず窮地は脱出したと思います。明日は4960円に近づく最初の押し目待ち。今日は頑張りすぎておりますので、一旦利益確定の動きが出る可能性があります。

8.5333日本碍子
 2345円~2390円の間での仕込み。OSCは+4%の39%と切り返しております。最初の上げ目途は2500円。次に2550円といったところです。

以上です。
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市場概況(2.25.07)

2008-02-25 15:53:39 | 市場概況
2月25日(月曜日)の市場概況です。

・日経先物:OSC56%(+5%)
・日経平均:OSC52%(-2%)
・TOPIX:OSC51%(-1%)
・マザーズ指数:OSC59%(-2%)
・ヘラクレス指数:OSC63%(+2%)
・国債先物:前日比34銭安、OSC38%(前日同値)
・日経先物イーブニングセッション:13900円(+10円)
・NYダウ:12570ドル(+189ドル)OSC53%(+2%)26日更新
・シカゴCME日経先物:14020円(大証比+130円)26日更新
・ドル円:108.04円(前日比86銭円安)OSC57%(+8%)26日更新

先週待つのNYダウは、OSCを+5%の51%と伸ばしており、今日の上げを示唆しております。それを受けて今日は先物が予定通りに、シカゴCME比+20円で寄り付き、高値は13980円まで伸ばしました。2月4日の高値の13910円は綺麗に抜いております。

但し、日経平均やTOPIX、そしてマザーズ指数のOSCは前日比で%を落としながらのプラス終了のダイバージェンスです。これは、明日の前場に一旦ピークを付けてから、利確の売りに晒されることを示しております。(今晩のNYダウが反落した場合は、いきなりマイナス始まりでの下落となります。)その前兆が国債先物価格のOSCが、今日も下げたとはいえ、前日比同値の38%と踏ん張っていることに現れております。

今日は後場から参戦しましたが、朝から705円で指していた6666リバーエレテックの敗戦処理に終わりました。700円の節目の価格が破られてから、回復の見込みが立たないのを見極めて迅速に売るべきでしたが、少し様子を見ているうちに傷が拡がり、結局681円で損切り。MMはいきなりドスーンと落とされるので、やはりやりずらいですね。去年、和井田製作所で痛い目に遭っておりますので、ここは今日のデイトレの敗北を素直に認めての退却です。しかし、この株どこかで反転に転じる筈ですので、根気よくウォッチをしたいと思っております。

OSCの4層分析と明日のモニタリング銘柄は稿を改めます。
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