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休日のバッハ(2.12.11)

2011-02-12 10:14:37 | 休日のバッハ
今週は多くの方々が3連休ですので、もう1つ、「休日のバッハ」をご紹介します。

カンタータ第122番(新たに生まれしみどりご)の第4曲より、コラール(アルト)付きのソプラノとテノールとの二重唱という、少々珍しい曲です。

小林英夫氏の対訳は以下の通り。

-神は人間と和解し、私たちの友となった、

おお、何と幸いなことか、神を信じる私たちは。

-邪悪な敵とて私たちに対して何ができよう、

いくら怒っても私たちから慰めを奪えはしない。

-悪魔も地獄の門も何するものぞ、

彼らがいかに猛り狂っても無駄なこと。

-幼いイエスが私たちの盾となったのだから、

神は私たちとともにおられ、私たちを守っている。

アルトのコラールが先導し、ソプラノとテノールの二重唱が展開されていくこの曲が示唆するものの1つが、いわゆる「三位一体」ですね。バッハの曲には、様々な数字が意味を持っており、それが暗喩としても用いられていることはよく知られた事実です。

宇宙生命的なものの何かを、シンプルな数字で背景描写として用いるその手法はバッハならではのものですが、バッハは、例えばフーガの技法において、最初にモチーフとなるメロディを持ってきて、その後そのメロディを多様な形へと変貌させ展開することを、彼の生の最後にあえて挑戦しております。しかし、音楽そのものは実に硬質でシンプルな形態をしております。そのため、このフーガの技法は、筆者もなかなかなじめない難解な曲として知られております。

なぜ、バッハはこのような曲に死を目前にしてたどり着いたのか?

そこには死とは逆の、人間の生誕以前の胎内での光景が逆照射されているようにも思えるのです。脊椎動物の胚の形成についての「ベーアの法則」をご存じでしょうか?多分、学校の教科書でどなたもご覧になったと思います。脊椎動物の胚が、4週、5週、8週と進むにつれ、段々と一般性から特殊性へと発達することを示した法則です。

4週では、サカナ、ニワトリ、ブタ、ウシ、ウサギの胚とヒトの胚の形は、驚くべきことにほとんど同じです。これが、8週になると明確にそれと分かるようになります。まさしく一般性が特殊性に先立って発達するのが、我々人間を含む脊椎動物の胚の発達の大原則なのです。

ということは、この宇宙の法則からすると、誕生前とは逆の、死に入る過程においては、特殊性から一般性へと回帰すると言えるのかも知れません。それを音楽で示したのが、自身の生の波乱多い特殊性から、死の直前に究極の一般性へと回帰していく様を描いたフーガの技法という難解な音楽ではないかと思えるほどです。ちなみに、バッハはこの曲を完成させることなく死に、最後はBACHという音符で終わっております。

人の死も、結局はこの宇宙の構成元素に単純化された「灰」に帰結します。あの複雑でそれぞれが持っていた個性はみじんもなく、熱力学第二法則、エントロピーの増大の法則に従って無秩序な一般性へと収束します。

そのようなことに思いを至らせてくれるのもバッハの音楽ですね。

いつものようにここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。期間限定の公開です。

インターネットディスクの変更中です。しばらくの間はクリックしてもお聴きになれません。
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市場概況(2.10.11)

2011-02-12 07:16:35 | 市場概況
2月10日(木)の市場概況です。 下に11日の海外市況

◆日経先物:10620円(+-0円)OSC58%(+6%)1月31日のOSC42%、終値10230円から切り返しに転じる。RSIは58%(+6%)
◆日経平均:10606円(-12円)OSC60%(+1%)1月28日のOSC41%、終値10360円から切り返しに転じる。RSIは66%(+8%)
◆TOPIX:947(+3)OSC62%(+4%)1月28日のOSC42%、終値920ポイントから切り返しに転じる。RSIは69%(+11%)
◆マザーズ指数:485(-2)OSC72%(+2%)1月24日のOSC40%、終値450から切り返し中。RSIは77%(+15%)

◆騰落レシオ(25日間)
 東証1部:119.5%(-0.8%)-2月10日現在。
 マザーズ:91.7(+0.6%)-2月10日現在。

◆10日高値移動平均値超の銘柄比率50%(-3%)
◆10日安値移動平均値未満の銘柄比率15%(-3%)

後場はほとんどヨコヨコの動き。しかしながら、日経平均、TOPIX、マザーズの3市場共に珍しく買いサイン点灯。(出来高は昨日のもので計算)個別株でもプラス終了での買いサインは39銘柄も。何か持ち越すつもりはなかったのですが、この満艦飾のネオンサインを見て、年甲斐もなくネオン街へと出没。

引け際に指していた3644ファーストホールディングスと2138クルーズの買い玉が約定。クルーズは引けの成り売りでサイン消滅。夜に出かけたのでは「クルーズ」どころではなかったわな。。。読み間違い。

以下は11日の海外市況

◆ドル・円:83.44円(+21銭)OSC60%(+1%)2月3日のOSC37%から円安へと切り返し中。 RSIは60%(+3%)
◆ユーロ・ドル:1.355ドル(-0.005ドル)OSC46%(-1%)1月27日のOSC74%からユーロ安トレンド継続中。RSIは46%(-3%)
◆USドルインデックス:78.41(+0.16)50MA(79.27)を割り込み77あたりを底に反発し上昇気配。
◆米10年債利回り:3.7%(+0.05%)50MA(3.39%)を突破し、3.5%前後での揉み合いから大幅上昇中。(10日現在)
◆米3ヶ月国債:0.12%(-0.02%)対10年債スプレッド:3.68%(10日現在。3%切ると要注意。)
◆NYダウ:12273ドル(+44ドル)OSC77%(+1%)RSIは72%(-3%)1月28日の57%から短期切り返し中。
◆Nasdaq:2809(+19)OSC77%(+3%)1月28日の50%から短期切り返し中。RSIは69%(-1%)
◆上海総合:2827(+9)OSC72%(+1%)1月24日の38%から斬り返しに転じる。RSIは65%(+12%)
◆VIX指数:15.69(-0.4)50MA(17.18)を一気に抜き去り、再度割り込んでから揉み合い中。
◆WTI原油先物:85.45ドル(-2.83ドル)50MA(89.62ドル)を一気に抜き去り、再度割り込に下落加速。
◆CRB指数:337.78(-2.17)50MA(329.33)を大きく抜けて上昇し、少し下落傾向から揉み合い中。
◆NY金:1356.3ドル(-7.2ドル)50MA(1372.75ドル)を目指して反発中。
◆バルチックドライ指数:1178(+42)50MA(1630.22)から遙か下方へと下落中で、やっと5日連続プラス。
◆シカゴCME(円建て):10705円(+85円)

NY株はシスコシステムズの決算に嫌気し下落するも、週間失業保険申請件数が38.3万件に減少し持ち直す。但し、これも先日の雇用統計と同様に悪天候の影響とのこと。これがコンスタントに40万人を切れば、景気の本格回復の証となります。これでドルインデックスが上昇し金利も上昇。ドル・円は83円台へと突入。このためシカゴの先物も値を戻してのプラス終了。

為替がドル高へと振れたのは、債券や株式に頭打ち感が見られるため、ドル買いへと資金が逃避しているとの指摘があります。確かにドルインデックスは76-77ポイントあたりがこの半年間の底値付近です。上値は81ポイント程度ですので、このサイクルからすると上値追いの余地はあります。そのためには、失業保険申請件数のコンスタントな40万人割れなどの経済指標の更なる改善が必要です。

(以上、10日の海外市況コメント)

ムバラク大統領が辞任し軍に権限委譲したため原油が大幅下落。ミシガン大学消費者信頼感指数は事前予想を若干上回ったものの、先行きの期待指数が低下したためドル売りに。NY株はエジプト情勢の好転を見て上昇。但し、ドルや債券が上昇していることから言えるように、市場はエジプトの先行き不透明感から資金を安全資産へと移行させ始めております。こうした場合、株よりもドル買いや国債買いの方に資金が流れる傾向がありますので、どこでそのバランスが崩れて、株価の一時調整に入るのか秒読み段階と見ます。

ところで、米GSE2社の段階的廃止を議会に提出したとのニュース。今後5-7年かけての廃止するとのことですが、この両社には既に1500億ドル(12兆4千500億円)以上の公的資金が投入されており、GSE債の700兆円も事実上のFRBによる保証がされており、かつ時価会計も停止されたままです。時価会計されれば4割は価格が下落するとも言われておりますが、この廃止の動きはこれ以上の政府資金負担に耐えることが出来なくなったことを示唆しております。

住宅価格(商業用不動産も含む)の下落が止まらない今、こうした案を議会に提出したことの意味は大きいと思います。これが2009年初頭のリーマン・ショック後に株価が底を付けた時期に仮に出されていれば、株式市場は暴落の憂き目に遭っていたことでしょう。逆に言うと、今こういうことがなされたと言うことはそれだけ経済が浮揚しつつあるとも言えますが、その経済の依然としてのアキレス腱である住宅市場が再度頓挫しないだろうか?いや、今は頓挫したままなので、これで「頓死」しないか??

(以上、11日の海外市況コメント)
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