ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ウードの改造(かなりマニアックな日記)

2007-06-16 23:26:27 | 音楽

久々の日記。

ちょっと嬉しい発見があったので、マニアックすぎるけど記録として書きます。

昨日の及川景子プレゼント「夜の旅」が素晴らしくて、びっくり。

景子ちゃん、アラディーンでもお世話になっていますが、あれだけの事を良く、この短期間でやったなぁと、しきりに感心しました。

しかも、常味さんのウードがまた凄くて、ちょっと右手のテクニックで煮詰まっていた私は、ものすごく刺激を受けました。

やはり師匠は凄い!!

何が凄いかって、あの右手のコントロールが凄い!!

やっぱり、師匠のように自在に弾きたい!!

で、早速帰っていろいろと考えました。

フォーム、右手の位置、姿勢、はたまた椅子の高さなど・・・。

でも結局は、「トレモロ」を引く瞬間、自分の中に、無意識的に「ある種のブレーキ」がかかっていることを発見。

何だろう???一体???

その答えを発見するために、もう1本のウードを引っ張り出して弦を張り替え、いろいろ弾くうちに、その「ある種のブレーキ」を発見!!

それは、前から問題だった、メインのウードの「ピックガード」が原因だったようです。

普通、ウードのピックガードは薄い板が表面板に貼り付けてあっるだけなのだけど、自分のメインのウードのピックガードは厚い黒檀の板で、しかも微妙に自分が弾く位置よりも前にあります。

この黒檀の板、ウードを弾く位置を常味さんと同じフォームに変えてからというもの、高音のF弦を弾く時、リーシャ(撥)が、その板の段差にあたって引っかかる上、その時に「ガシガシ」という雑音を発生させるので、ずっと気になっていたのでした。

そのため、板にあたらないように色々と右腕の位置を試し続けた結果、トレモロのときに板に当たらないよう、リーシャの軌道を無意識にずらしてしまって、結果不安定なフォームになり、トレモロが出来なくなって・・・、煮詰まってしまった。

で、終に、思い切って、今日その板をはがすことに決め、小型スクレーパーで慎重に黒檀の板を剥がし、その剥がした後に、ゴルペ版を張ってから練習をしました。

結果、想像した以上に良い効果がありました。

邪魔者がいないから軌道を自然な位置にすることが出来る!!

う~ん、早く剥がせばよかった・・・。

何事もそうですが、「これがあるから思い通りにならない」ということが分かっているのならば、それがどんなに解決が難しそうでも、回り道しないで、直接、積極的に解決する事がベストだということですね。

でも、その黒檀の板のおかげで、自分が欲しいスタイル~トレモロを多用するウードのスタイル~が明確になった訳ですから、困難がその人を育てるということでもある訳ですね。

ともあれ、ひとつ物理的な問題を解決したわけで、自在に音を操れる達人になれるよう、精進、精進です。