ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ハンマーダルシマー&カヌーンとの共演後記。

2009-11-15 07:07:30 | 音楽

何が最近忙しかったかというと、本当に立て続けに色々あって、

今回のこのライブのそのひとつ。

集客的には散々でしたが、色んな意味でよいスタートを切れたのだと思いました。

話が少し脱線しますが、多分2年前ぐらいにカヌーンを購入して、云々、という事を書いたのですが、このカヌーンの購入には、実に曰く付の出来事があって、

エジプトに行った人間に頼んで、購入代金と、謝礼を払って、エジプトの楽器店で買ってもらって、あとは郵送で送るだけという段階になったとき、

何と、郵便局側が「大きすぎて送れない!」といい、そのままペンディング状態。

「送れないんだったらキャンセルにして。」と伝言を伝えようとすると、なんと、勝手に、そのエジプトのメーカーが、取引している日本のダラブッカ専門の会社に送り、

その後、その日本のダラブッカ専門会社が、送料と関税代以上の額を請求してきたのである。

その理由は「その人間を会社の金でエジプトへ送り込んだのだから、一部負担しろ!」という。

馬鹿も休み休み言えよ、と思い、

結局、向こうの言う「言い値」を払うことなく、送料+関税手数料+気持ち程度の金を払い、

この一件で、完全にコイツ等とは一生付き合う事はないな、と決めて今に至るわけです。

さて、到着したカヌーンは、まさに、楽器とは言えない状態。

少し手を入れて見たものの、あまりの雑さに嫌気が差して、途中で挫折して、ウチに長らく立てかけていたのですが、

今回、ハンマー・ダルシマーの達人である「たっち~」こと立枝恵子さんから、このライブの企画を持ちかけられた時、

彼女が「実はカヌーンの音色が昔から好きで、オリエンタルの音楽をハンマーダルシマーで再現したい。」と言っていたので、では、いざ私のレパートリーを持っていくと、

ハンマーダルシマーは演奏できるキーが限られていて、オリエントの響きであるヒジャーズは演奏できない事が一回目のリハで判明。

で、その数日後、立枝さんにウチに来てもらい、カヌーンを触ってみてもらうと、出来そうだとのこと。

カヌーンを弾いてもらうということが決まると、実はそこからが大変で、そのカヌーンを「演奏できる楽器」のレベルにする為の大規模な修理が始まり、

およそ10日間の時間をかけて終に「楽器」にすることができ、今回のライブを成功させる事ができたです。

ともあれ、お金も時間もかけて2年以上という歳月を経た後のライブでしたから感慨無料でした。

立枝さん、本当に素晴らしい奏者だと思います。

誰も、きっと立枝さんがカヌーンを弾いて一月も経っていない、なんて思わなかったでしょう。

今後も、一緒に共演していき、お互いに切磋琢磨しながら、更にオリエンタル音楽のレパートリーを増やしていきたい、と思っています。