ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

「ベリーダンスと音楽の夜」のリハ~その1

2005-11-19 04:41:59 | 音楽

sanninformixi



26日(金)に行うイベント「ベリーダンスと音楽の夜」のリハを行いました。

このイベントは、私がエジプトで勉強した「アラブ古典音楽(アラビア語で、ムスィーカ・シャルキーヤ)」を中心に演奏し、その伴奏で3人のベリーダンサーに踊ってもらうという事を企んだ内容ですが、実はもうひとつ違う目的があるのです。

このイベントを通して、ジプシー音楽の起源は、実はこの「アラブ古典音楽」の影響を強く受けている、という事を披露してみたいという目的があるのです。

まず、ジプシー音楽は基本的にユニゾン。アラブ古典音楽も「単旋律音楽」。

リズムも、アラブ音楽で言うところの「マルフーフ」や「アユーブ」を主に使用しているところ。

次に、ジプシー音楽の特徴的なスケールも、アラブ音楽で使用する「マカーム」と同じである事。

フラメンコや、最近日本で流行ってきている「バルカン半島のジプシーの音楽」で良く使われている「ヒジャーズ」や「クルド」というスケール。

「ヒジャーズ」は、私の師匠の「アラッディーン」先生によると「サウジアラビア」から来た音階(アラビア語ではマカームという)で、コーランの詠唱や、呼びかけに主に使われている物だとか。

「クルド」は、言わずもがな「クルド地方」から。

で、ここら辺の音階は、とりあえず、うるさいことを言わなければ「平均律楽器」で演奏できます。

もちろん、他にも「アジャム(メジャースケール)」「ナハワンド(マイナースケール)」という西洋音楽と共通の音階もあります。

こういったことを踏まえて、東京ラマダーンでお世話になった「テディ熊谷」さん、「ミン・ケンキ」さんという、普段はあまりアラブ音楽とは馴染みがない、凄腕ミュージシャンと一緒に演奏すると、出音が「モロにジプシーっぽい!」という風になるのではないか、と密かに考えて、この企画を考えたのでした。

「そういうことは早く言ってよ、ケンちゃん」と、紳士君はリハ終了後に言ってましたが、今回はそういう企みがあるのです。

テディさん、ミンさんは、「う~ん、変な曲ばかりだな。」「練習曲やらされているみたい。」と、いろいろ述べていましたが、出音は、思惑通りの出来に成りそうです。

リハが終わった後は、近くのカフェで、しばらく音楽談義で花を咲かしていました。

こういうメンバーで音楽を作り上げるのは、至上の喜びだなぁ、なんて、帰りながら感慨深く思ったのでした。


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