沖縄の辺野古で、今まさに起こっている現実をリポートした『報道特集・ついに…緊迫の辺野古と“民意”』の、文字起こしをしました。
ユーチューブの動画は、ここに載せることができるのですが、
先日、動画の切り取り写真の掲載で四苦八苦していたわたしに、macchan211さんがすばらしい知恵を授けてくださり、まずまずの切り取り写真を載せることができるようになりました。
それが嬉しくて、写真付きでの文字起こしをしてみました。
報道特集
『ついに…緊迫の辺野古』
キャスター・金平茂紀
ナレーター・屋良有作
7月25日、沖縄県名護市の辺野古沿岸部。
アメリカ軍普天間飛行場の返還に伴う、新基地建設計画では、この一帯(キャンプ・シュワブ)が埋め立てられる。
「発電機、やっぱ夜にでもやるつもりだな。夜通し、突貫工事」
反対派の市民らが、カヌーなどに乗って監視する。
埋立工事に先立ち、政府は、7月中に、海底ボーリング調査を始める計画を立てていた。
上空から見た、キャンプシュワブ内。
海に張り巡らされるフロート(浮具)が、運び込まれているのが確認できた。
しかし、沖縄防衛局は、(ボーリング)調査をいつ始めるか、(開始の日程を)明らかにしていない。
フロートやブイの設置が間近と見られていた夜、突如、シュワブのゲート前に、目隠しのためのフェンスが建てられた。
その奥で、鉄板を溶接しているのが見えた。
「防衛局職員、堂々と前に出て来い!」
政府は今後、埋立て区域のおよそ3.5倍にあたる区域を、ブイなどで囲い、立ち入り禁止とする。
そして…。
金平氏;
「えー、キャンプシュワブのゲート前に来ております。
普天間基地の辺野古移設に伴う、様々な作業が、この基地の中でもすでに始まっていますけれども、
警備の方は、こういうふうに続けられています。
で、目につくのは、民間の(例えばALSOK)警備会社のガードマンが、こういうふうに警備の最前線に出ていて、
その、はるか後方に、沖縄県警の車が待機しているというような。
で、はるか向こうの方に、沖縄防衛局の人たちが控えている、というような、非常にまあ、不可思議な光景が広がっています。
ゲート前の歩道には、山型の突起がついた鉄板が敷かれていた。
夜、設置していたのは、これだった。
沖縄防衛局は、
「道路の舗装の保護のためや、トラックの泥を落とすためのもの」と説明する。
しかし、反対派の人々は、
「座り込みなどをしにくくし、抗議行動を排除するためだ」と反発する。
7月28日。
ブイが設置されるのでは、と見られていた今週月曜日。
海上には、浮き桟橋が設置されていた。
警備に当たる海上保安庁のゴムボートが、停留されている。
反対派の舟と、海上保安庁による、にらみ合いが続いた。
一方、ゲート前でも…。
「お願いしますよ。帰ってください!」
資材を積んだトラックが来るたび、反対派の人々が止めようとしていた。
「普天間小学校、見てください。
子どもたちは、怯えながら勉強してるんですよ。わかります?」
工事を進める側、反対する側で、連日緊張が続く。
政府が、海底のボーリング調査に向けた作業を、本格化させる中で、抗議行動が激しさを増している。
「法律守れ!法律守れ!」
これは、そのボーリング調査に関し、沖縄防衛局が沖縄県に提出した資料。
情報開示された中には、ボーリング調査をどこで行うか、具体的な位置が分かる地図は入っていない。
防衛局が、
「事業の適正な遂行に、支障を及ぼすおそれがある」として、
県に、
「不開示にするべき」と伝えているからだ。
政府は、2004年にも、辺野古沖で、海底ボーリング調査に着手したことがある。
その時は、反対派の激しい抗議活動により、中止に追い込まれた。
情報を開示しないのは、そうした事態を避けるためなのか。
今年1月、辺野古の海を抱える名護市長選で、市民が選んだのは、基地建設反対を訴える、稲嶺進氏だった。
「名護市の未来は、守られました」
しかし政府は、その後も、工事の動きを進めている。
稲嶺進・名護市長:
選挙を通して、市民の意思がはっきりと表されたにもかかわらず、そりゃ全く無視ですよね。
ていねいな説明どころか、情報の開示ということも全く為されていない。
金平氏:
ある種の、(政府からの)情報提供というかね、情報開示みたいなものは、地元の首長にはあるんですか?
稲嶺市長:
いやいや、そりゃもう一切ありません。
ある日突然始まって、しかもそれは、「一体どうなってるんだ」というふうに尋ねると、「いやこりゃ県からちゃんと許可を得てるんだ」と。
住民たちはどんな思いを持っているのか。
基地建設予定地の対岸に暮らす、元小学校教師の、松田ふじ子さん(74)。
これまで、政治的なことには関わってこなかった。
地域のしがらみが強い中で、基地について発言することは難しかったのだ。
しかし、今、基地建設反対の先頭に立つ。
松田氏:
地域の主人公は私たち…これを前面に出して」
6月には、地区のおよそ7割に当たる人々から、署名を集め、防衛局や県に提出した。
松田さんを突き動かしたのは、これまで県外移設を訴えていた仲井真知事が、去年末、埋め立てを承認したこと。
そして、市長選で示された民意が、無意味なものであるかのように扱われたことへの憤りだった。
松田氏:
沖縄の心に寄り添って、とかね、理解をしてもらうって言うんですけど、だって、こちらに、一度もいらっしゃらないでしょ。
賛成派のところにだけ向いてやってますので、許されないでしょ、こんなことは。
何の説明も無くて。
今日の海もきれい…。
基地ができれば、対岸に滑走路ができる。
静かな日常は、今後どうなるのか。
今、声を上げなければ、本当に基地ができてしまうと、焦りを覚える。
さらにこの動きは、経済界にも波及している。
沖縄で、ハム製造会社を経営する長濱徳松会長は、経済界の有志が、翁長氏を支援するために立ち上げた団体の中心人物だ。
長濱会長らの団体は、「基地はむしろ、経済発展の阻害要因だ」として、県内移設の断念を求めている。
長濱氏:
これまではね、まあ保守対革新といえば、経済界はだいたい右手を挙げたが、そうじゃないと。
今度は、生活権の獲得のため、生きるために戦おうと。
先週日曜日、普天間基地の閉鎖と、県内移設の断念を求め、保守と革新の枠を超えて呼びかけられた集会に、およそ2千人が参加。
壇上では、翁長氏を推す自民党議員や野党の議員が、肩を並べた。
従来の枠組みを超えた、翁長氏への支持。
金平氏:
名護市のキャンプシュワブにね、あそこに今朝まで居たんですけど、
山型の鉄板というのがね、あれが敷かれた場所っていうのはまさに、座り込みが行われていた場所で、
あれが置かれたってことは、抗議行動の人たちから見ると、絶対に座り込みはもうさせないぞ、というようなね、
露骨な意思表示ではないか、といったふうに捉えられてもしょうがないな、という思いがしましたけれども、
あと、安全じゃないですね。
あれが置かれると、何かあった時にすごく危険だな、というふうに思ったんですが。
それから、民間のガードマンが、一番最前列に、基地の警備にですよ、そこに出てるっていうのは、僕は見たことがない光景でね、
その後ろに県警が居て、で、その抗議行動とか僕らを撮影したりしてますよね。
その一番後ろに、防衛局の人たちが居るっていう構図も、なんか不思議だなって思ったんですけども、
VTRで、官邸の声として、「知事に誰がなっても、工事に支障が無い」なんてこと言ってましたですけどもね、
地元に対して、何の説明も無いままに、問答無用っていうか、聞く耳を持たないっていうようなことで工事を進めるっていうのは、
民主主義の原理に照らしてどうなんだ、というような、非常に強い疑問を持たざるを得ないですけどね。
ユーチューブの動画は、ここに載せることができるのですが、
先日、動画の切り取り写真の掲載で四苦八苦していたわたしに、macchan211さんがすばらしい知恵を授けてくださり、まずまずの切り取り写真を載せることができるようになりました。
それが嬉しくて、写真付きでの文字起こしをしてみました。
報道特集
『ついに…緊迫の辺野古』
キャスター・金平茂紀
ナレーター・屋良有作
7月25日、沖縄県名護市の辺野古沿岸部。
アメリカ軍普天間飛行場の返還に伴う、新基地建設計画では、この一帯(キャンプ・シュワブ)が埋め立てられる。
「発電機、やっぱ夜にでもやるつもりだな。夜通し、突貫工事」
反対派の市民らが、カヌーなどに乗って監視する。
埋立工事に先立ち、政府は、7月中に、海底ボーリング調査を始める計画を立てていた。
上空から見た、キャンプシュワブ内。
海に張り巡らされるフロート(浮具)が、運び込まれているのが確認できた。
しかし、沖縄防衛局は、(ボーリング)調査をいつ始めるか、(開始の日程を)明らかにしていない。
フロートやブイの設置が間近と見られていた夜、突如、シュワブのゲート前に、目隠しのためのフェンスが建てられた。
その奥で、鉄板を溶接しているのが見えた。
「防衛局職員、堂々と前に出て来い!」
政府は今後、埋立て区域のおよそ3.5倍にあたる区域を、ブイなどで囲い、立ち入り禁止とする。
そして…。
金平氏;
「えー、キャンプシュワブのゲート前に来ております。
普天間基地の辺野古移設に伴う、様々な作業が、この基地の中でもすでに始まっていますけれども、
警備の方は、こういうふうに続けられています。
で、目につくのは、民間の(例えばALSOK)警備会社のガードマンが、こういうふうに警備の最前線に出ていて、
その、はるか後方に、沖縄県警の車が待機しているというような。
で、はるか向こうの方に、沖縄防衛局の人たちが控えている、というような、非常にまあ、不可思議な光景が広がっています。
ゲート前の歩道には、山型の突起がついた鉄板が敷かれていた。
夜、設置していたのは、これだった。
沖縄防衛局は、
「道路の舗装の保護のためや、トラックの泥を落とすためのもの」と説明する。
しかし、反対派の人々は、
「座り込みなどをしにくくし、抗議行動を排除するためだ」と反発する。
7月28日。
ブイが設置されるのでは、と見られていた今週月曜日。
海上には、浮き桟橋が設置されていた。
警備に当たる海上保安庁のゴムボートが、停留されている。
反対派の舟と、海上保安庁による、にらみ合いが続いた。
一方、ゲート前でも…。
「お願いしますよ。帰ってください!」
資材を積んだトラックが来るたび、反対派の人々が止めようとしていた。
「普天間小学校、見てください。
子どもたちは、怯えながら勉強してるんですよ。わかります?」
工事を進める側、反対する側で、連日緊張が続く。
政府が、海底のボーリング調査に向けた作業を、本格化させる中で、抗議行動が激しさを増している。
「法律守れ!法律守れ!」
これは、そのボーリング調査に関し、沖縄防衛局が沖縄県に提出した資料。
情報開示された中には、ボーリング調査をどこで行うか、具体的な位置が分かる地図は入っていない。
防衛局が、
「事業の適正な遂行に、支障を及ぼすおそれがある」として、
県に、
「不開示にするべき」と伝えているからだ。
政府は、2004年にも、辺野古沖で、海底ボーリング調査に着手したことがある。
その時は、反対派の激しい抗議活動により、中止に追い込まれた。
情報を開示しないのは、そうした事態を避けるためなのか。
今年1月、辺野古の海を抱える名護市長選で、市民が選んだのは、基地建設反対を訴える、稲嶺進氏だった。
「名護市の未来は、守られました」
しかし政府は、その後も、工事の動きを進めている。
稲嶺進・名護市長:
選挙を通して、市民の意思がはっきりと表されたにもかかわらず、そりゃ全く無視ですよね。
ていねいな説明どころか、情報の開示ということも全く為されていない。
金平氏:
ある種の、(政府からの)情報提供というかね、情報開示みたいなものは、地元の首長にはあるんですか?
稲嶺市長:
いやいや、そりゃもう一切ありません。
ある日突然始まって、しかもそれは、「一体どうなってるんだ」というふうに尋ねると、「いやこりゃ県からちゃんと許可を得てるんだ」と。
住民たちはどんな思いを持っているのか。
基地建設予定地の対岸に暮らす、元小学校教師の、松田ふじ子さん(74)。
これまで、政治的なことには関わってこなかった。
地域のしがらみが強い中で、基地について発言することは難しかったのだ。
しかし、今、基地建設反対の先頭に立つ。
松田氏:
地域の主人公は私たち…これを前面に出して」
6月には、地区のおよそ7割に当たる人々から、署名を集め、防衛局や県に提出した。
松田さんを突き動かしたのは、これまで県外移設を訴えていた仲井真知事が、去年末、埋め立てを承認したこと。
そして、市長選で示された民意が、無意味なものであるかのように扱われたことへの憤りだった。
松田氏:
沖縄の心に寄り添って、とかね、理解をしてもらうって言うんですけど、だって、こちらに、一度もいらっしゃらないでしょ。
賛成派のところにだけ向いてやってますので、許されないでしょ、こんなことは。
何の説明も無くて。
今日の海もきれい…。
基地ができれば、対岸に滑走路ができる。
静かな日常は、今後どうなるのか。
今、声を上げなければ、本当に基地ができてしまうと、焦りを覚える。
さらにこの動きは、経済界にも波及している。
沖縄で、ハム製造会社を経営する長濱徳松会長は、経済界の有志が、翁長氏を支援するために立ち上げた団体の中心人物だ。
長濱会長らの団体は、「基地はむしろ、経済発展の阻害要因だ」として、県内移設の断念を求めている。
長濱氏:
これまではね、まあ保守対革新といえば、経済界はだいたい右手を挙げたが、そうじゃないと。
今度は、生活権の獲得のため、生きるために戦おうと。
先週日曜日、普天間基地の閉鎖と、県内移設の断念を求め、保守と革新の枠を超えて呼びかけられた集会に、およそ2千人が参加。
壇上では、翁長氏を推す自民党議員や野党の議員が、肩を並べた。
従来の枠組みを超えた、翁長氏への支持。
金平氏:
名護市のキャンプシュワブにね、あそこに今朝まで居たんですけど、
山型の鉄板というのがね、あれが敷かれた場所っていうのはまさに、座り込みが行われていた場所で、
あれが置かれたってことは、抗議行動の人たちから見ると、絶対に座り込みはもうさせないぞ、というようなね、
露骨な意思表示ではないか、といったふうに捉えられてもしょうがないな、という思いがしましたけれども、
あと、安全じゃないですね。
あれが置かれると、何かあった時にすごく危険だな、というふうに思ったんですが。
それから、民間のガードマンが、一番最前列に、基地の警備にですよ、そこに出てるっていうのは、僕は見たことがない光景でね、
その後ろに県警が居て、で、その抗議行動とか僕らを撮影したりしてますよね。
その一番後ろに、防衛局の人たちが居るっていう構図も、なんか不思議だなって思ったんですけども、
VTRで、官邸の声として、「知事に誰がなっても、工事に支障が無い」なんてこと言ってましたですけどもね、
地元に対して、何の説明も無いままに、問答無用っていうか、聞く耳を持たないっていうようなことで工事を進めるっていうのは、
民主主義の原理に照らしてどうなんだ、というような、非常に強い疑問を持たざるを得ないですけどね。