ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『フリーでシビアでジョイフルなジャズコンサート』事情

2014年08月16日 | 音楽とわたし
夏休み最後の日、海から戻ってボォ~ッとしていると、「やっぱ行ってくる!」と言って、旦那は歩いてでも行ける近所の公園に、甥っ子と二人で出かけて行きました。
ずっと前から、いつも行き過ごしていた、町の『ジャズフェスティバル』が、昼から夜の9時まで行われているからです。

う~ん…行きたい気もするけど、もうクタクタだしなあ…などとグズグズしていると、

「今から甥っ子は歩いて帰るって言ってる。まうみはどうする?」と旦那が聞いてきました。
そして、「めっちゃいい感じだけどね」と。
う~んう~ん…やっぱり天気は上々で、こんな夕方に、芝の上に座ってジャズを聞くのはさも気持ち良かろうという気に押され、やっぱり出かけることに決めました。

まずは後ろの方からジワジワと。






どこもかしこも、思い思いの椅子に座って、のんびりジャズを楽しんでる人でいっぱいです。


ミキシングをしている人も、どことな~くのんびり。


ビッグバンドは、JAZZ HOUSE KIDSで勉強してる子どもたち。


ほんとに、それぞれの楽しみ方で過ごしています。


出店も、町で人気のパブレストランが出店をしていたりで、行列ができていました。




なんとなく秋っぽい空。


さてさて、大御所(子どもたちの先生でもある)の登場です。
ギターはJOHN SCOFIELD、ドラムはANTONIO SANCHEZ、そしてベースはCHRISTIAN MCBRIDE。




そして司会は、ロー&オーダーの役者さんであるS. EPATHA MERKERSONさんと、WBGOの名物アナウンサーGARY WALKERさん。
いやはや、なんとも豪華なメンバーです。


こんな贅沢な楽しみを、無料で、しかも気持ちの良い外で味わえるなんて…。


ほんっとに楽しそう。










少しずつ日が暮れて、


ホットドッグをかじりながら、


ウッドベースからエレクトリックに。




これは夏か秋か?




傘おばさん。


これぞジャズの真髄、みたいな演奏中。


いやあ、楽しかったね~。




最後の舞台は、ベボ・バルデスの息子、CHUCHITO VALDES。お父さんと同じく、ピアニストであり、バンドリーダーであり、作曲&編曲家です。




会場は大盛り上がり。あちらこちらでダンスが始まりました。




白熱してきたのでジャケットを脱ぎ~の、


立ち上がり~の、


いやもう、とんでもなく楽しい半日となりました。

さらにもうひとつ、昔教えていた生徒の親御さんたちに会い、いろいろと話しているうちに、
彼はもう19才になって、ヒゲを生やし、ギターを一所懸命に習っていて、しかも子どもたちを教えていることを知り、なんとも嬉しい気持ちに。
コンサートが終って、彼がやって来たのですが、すっかり大きくなって(当たり前か)、すれ違っていただけならまるで分かりません。
どんなことに今、一番熱中しているかを話しながら、「ボクね、今になって、あの時まうみが言ってたことの意味が、いろいろと分かってきたよ」としんみり。
「どうしてもっと早くに気づかなかったんだろう」と言う彼に、
「気づくことが大事で、それがいつだったかは別にいいと思う。なにより、ピアノでなくてもあなたが音楽を続けていること、そのことで楽しんだり苦しんだり考え込んだりしてることが嬉しい」と伝えてハグ!

音楽ってやっぱり、いい!
コメント (2)
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米国『大人も子どもも夏休み』事情

2014年08月16日 | 米国○○事情
毎年ほぼ恒例になった、親族そろって海辺に集合〝夏休み〟を過ごしました。
今回は、両親、旦那姉一家+一人娘の親友ちゃん、旦那弟の息子、そして我々一家、という構成でした。
毎回必ず、旦那母が、この合宿っぽい1週間のための、食事と片付けの当番を決めて、それをメールで送ってくるのですが、今年はなぜかシーンとしたまま。
とりあえず、これだけは持ってきて欲しいという物のリストだけが送られてきました。
我々はトイレットペーパーと食用油、そして自分たちが作ろうと思っている料理の食材。
もちろん今年も、お箸とよ~く研いだ包丁、そしておろし器を持参しました。

出発の朝、旦那はアリゾナ州から飛んできた甥っ子を空港まで迎えに行き、わたしは生徒を教え、バタバタと身支度をして(当日までにしておけよ!)出発。
今年の夏は、なんとも気持ちの良い天気が続いているので、日常がずっと日常ではなく、この海行きがいつもよりは特別な感じがしないなどと、なんとも贅沢なことを考えながら、

旦那いわく、世界の3本の指に入るらしいコンビナートを通り過ぎ、


片道8車線の橋を渡り(いくら誰もがバラバラに夏休みを取るからといっても、全国一の人口密度を誇る我が州のこと、要所要所はこんな感じで混み合います)、


なぜか、いっつも写真を撮りたくなる中央分離帯を通り過ぎ、


アバロンに到着。


今回、父が借りてくれた家は、なんと海から3軒目、浜辺に行くのにとっても楽ちん。




今日からみんなが集うダイニングキッチン。


寝室各種。








ここは別格。主寝室。


部屋続きのお風呂。


こちらも部屋続きのリビング。突き当たりの窓辺では、海を見ながらトレーニング。




外回りはというと、






みんなのシーツとタオルセット。


1週間、お世話になります。

たった一晩しか泊まることができないモーレツサラリーマンの次男くん、かき氷屋さんに変身中。


満月の夜。






一夜明けて。皆が歩きやすいように、浜辺をガリガリする車。


やっぱりガラガラ。


甥と伯父。


ミニチュアの海で、ちっちゃい子が無心に遊んでいました。


宣伝セスナ。


監視員が決めた範囲内でしか、遊ぶことが許されなくて、少しでもオーバーすると即「ピィ~!!」と笛を吹いて注意されるので、滅多に使われない救命用ボート。


絶賛食事中!


こちらの方も絶賛食事中!


水上ハングライダー。


合宿4日目、週間予報ではこの日だけが雨だというので、車で15分の隣町にゴー!

この、好きなように見なはれ~…な感じが好き。


ドライブ中に発見したすごい事。


出発前から少しずつ、読んでくださる方が増え続けていたのは知っていましたが、本当に驚きました。
読んでくださった方、それを伝えてくださった方に、心から感謝!!

波止場近くのカフェで、ランチのサンドを食べて、


古い家が並ぶ通りを過ぎ、
 

        

お天気が悪い日には大にぎわいの、観光客用の広場に到着。
お土産に、ソルトウォータータフィーをゲット。


タフィー屋さんには、ファッジも必ず売ってます。


いよいよ雨が降りそうなのに、まだまだにぎわう広場。


毎年同じことを書きますが、食事当番はまず、ベジタリアン、甲殻&貝類アレルギー、豆&ナッツ類アレルギー、イチゴ&魚アレルギーの人たち用に、メニューを考えるか、作り方を変えなければなりません。
で、これは、酢豚を作ろうとしているところです。


豚肉を入れないけれども、醤油はオッケーなベジタリアン用、豚肉はいいけれども、醤油は入れられない豆アレルギー用、そしてなんでもオッケー用に分けます。
わたしは日本料理ばかり作るし、皆それを楽しみにしてくれるのですが、醤油や味噌を使えないというのはかなり痛手です。
なので、毎年どうしようかとあれこれ悩んで、結局はなんということもないものを作って終わり…成長ってもんがありません…いやはや。


ボードウォークにも行ってみました。
なんか面白そうだと思って写真を撮ったら、「あかんあかん!」と係員さんに叱られました。
彼らの写真を撮って売るのが商売だったみたいです…「そんなことぐらい解れよ」と横で旦那が呆れ顔。


やっぱボードウォークは夜の方が楽しい。


絶叫マシーンが並ぶ一角。


いっぺんは乗ってみたいと、ずぅっと思っていたわたし…フラフラと近づいて行くと。
フリーショットゲーム実地版。


その横では、フリーシュートゲーム実地版。


恐る恐る「あれ乗ってみたい」と言うと、なんと奇跡が。


一番ユルそうに見えたのに…一振りされただけで、腹の底から後悔しました。
ブランコのでっかいの、ぐらいに考えていたわたしがバカでした。
胃袋が口から出て来ないように、固く唇を閉じ、目ももちろんギュウッと閉じて、ひたすら機械が止まるのを待つしかありません。
旦那が横で「うわぁ~うわぁ~」と叫んでいて、どうしてそんなことができるのか、不思議でなりませんでした。
席から降りると、体がフラフラして、唇全体がジンジンと痺れていました。
40代のうちは、息子たちと一緒に、率先して乗っていた木造のジェットコースター。


大勢のカモメが、その上空を飛んでいました。


ファジー屋さんのデモンストレーション。




歩き疲れた人のための乗りもの。一回3ドルはチト高い。




なぜかこんな所にも教会が…コミック仕立てで若者が語っています。



毎日、きれいな夕焼けが観られました。







姉と弟。


3人並んで話しながら歩いている時、突如右足がズボリッ!?
えっ?!なに?!
最初の10秒ぐらいは、いったい何がどうなったのか分からず、3人ともに呆然と突っ立ったまま。
といっても、わたしは片方が膝上まで埋まっていたので、かなり傾いていたのですが…。
どうしてなのかなあ…「なんでこうなるのっ!」…欽ちゃん風に(古っ!)自分で自分にツッコミ入れながら苦笑い。
広い広~い浜辺の中の、足一本でいっぱいいっぱいになるような穴に、なんでわざわざ…。
この夏は、周りの人たちが全く予想もしない、気づく間もない間に、吹っ飛んだり突っ込んだり…二度ある事は三度あるにならないように気をつけないと。

この穴です。
痛みが少し引いてから写真を撮りに行くと、いつの間にかスコップが差し込まれていました。


もっと早よから突っ込んどいてよ…と、独りゴチながらパチリ。


浜はやっぱりスキスキ。


遠浅できれいです。




まさか…。


まさかではなく、良い波を待っては波乗りしているカモメくん。


こちらでも。


「来ねえなぁ~…」


これは自然でしょうか?


こんなふうに、南北にずぅ~っと続いている浜辺に、ポツンポツンと監視員ベンチが置かれ、彼らの目の届く範囲だけで遊びます。


凧揚げも。


貝集めは楽しみのひとつなのですが、いいのが見つかった!と喜んだら、殻だけではなく、主がいました。




かなり迷った(大人のくせに)けれども、海に戻してあげたら?とみんなに言われ、持ち帰るのをあきらめました。
持ち帰るっていう意味、分かってる?
うん。
どうすんの?
茹でた後、中身を出して…ほんでもってええとええと…。
じぃ~~~。
かなり呆れる長男くん。

もうすぐ10才の可愛い姪っ子。
  


今回の合宿中は、思い存分ゆったりのんびりさせてもらいました。
とはいっても、ついつい台所に立って片付け始めるわたしを、「あ、あ、あ、またまた、まうみは退場!」と追い払う母と旦那姉。
いわゆる姑と小姑ですが、彼女たちはわたしに、なんとかして働かないようにさせようと、二人して見張るのです。

追い出されてベランダに出ると、父も一緒に出てきました。
この家族の仲間入りをさせてもらった日から22年。
幼児だった息子たちも20代後半になりました。
わたしから結婚を迫られ、大いに混乱し、なんとか事無きを得ようと断り続けていた当時の旦那と、同じ年になったわけで、
やっと決心して、というか根負けして、わたしとの結婚を報告しに実家に戻った26才の旦那を前に、いったいどんなことを思ったのか知りたくなって尋ねると、
「う~ん…あんまり覚えてないなあ」と一言。
「えぇ~!そんなはずないでしょ~。だって、自分たちも良く知らない極東の国にプイッと行ってしまったと思ったら、
これまたどこの馬の骨だかもわからない、しかも10才近くも年上の、さらには二人の幼児を抱えてる女と結婚するやなんて、とんでもないことだったんでしょうに?」
「どうして?」
「え?いや、どうしてって言われたら…」
「彼は大丈夫だと信じてるからね、その彼が決めて、そうしようと思ったんだから、僕たちはただ、必要とあらば応援するよと言ったんだ」

う~ん…と唸っていると、母と旦那も出てきて、
今度は父が母に、まうみからこんなことを聞かれたと、同じことを母に尋ねると、「わたしもあんまり覚えてないわ」とあっさり。
マジか…。
なんという信頼。なんという愛。
その後、極貧中の極貧から始まった生活の戦いの中でさえも、彼らから近況を尋ねられるたびに、
「僕たちは大丈夫、ちゃんとできてるよ、だから全然心配しないでいいよ」と答えていた旦那の態度の意味が、少し分かったような気がしました。
今となっては、ですけれども。
だって、その当時は横で、「どこが大丈夫じゃ~!なにが全然心配しないでじゃ~!」と、心の中で叫びまくってましたから。
意地を張っている、というようなことではなかったのかもしれない。
そうやってでも、地べたを這ってでも、ギリギリのギリギリまでは自分たちの力で生きる。
それが、自分が受けている信頼に応えることになる。
その覚悟が、旦那にはあったのかもしれません。
で、今の息子たちが、その年になっていると。
人生ってやっぱり、おもしろいです。

その翌日、父がわたしを呼び止めて、こんなことを言ってくれました。
「昨日、急にあんなことを聞かれて、あんまり覚えてないって答えたんだけど、あれからずっと考えていたんだよ。
あの日のこと、それから今までのことなんかをね。
で、まうみやまうみの息子たちが、うちの家族になってくれたことがどんなに幸運だったかって、それがしみじみと思えてね、よかったよ」

照れ臭いのと嬉しいのとで、胸がじーんと熱くなりました。
こんなことを言ってもらえる嫁がいるでしょうか?
いや、きっといると思うけれども、まさかこの自分が言ってもらえるとは思ってもいませんでした。


最終日の片付けを済まし、冷蔵庫の余り物を分けんこして、いざいざ我が家へ。
いったいどうして、ここまで来て運動せにゃいかんのだと、ブツブツ言う旦那。


寝ぼけ覚ましのコーヒーを買いに。カフェの前のアスファルトには、海の町らしくこんなものが。
  

  

土曜日は、皆が帰ろうとするので、道がかなり混みます。


大きな橋を渡り、


その橋から見える工場と、


原子力発電所…。



さあ、日常に戻りましょう!
コメント (2)
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