ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

オーディションとジャパンデーと母の日と

2015年05月10日 | ひとりごと
昨日の土曜日は、12月にカーネギーのザンケルホールで行われるコンサートの出演をかけたオーディションに参加しました。
ザンケルホールは地下にできた客席数600の、とてもモダンな新しいホールです。
ここでは誰でも演奏できるというわけにはいかず、基本的にはプロとして活動している演奏家のために、というホールなので、
その趣旨に沿ったオーディションであることが、まず開始前に告げられ、出席しているわたしたちの緊張はさらに増し、あちらこちらで小さなため息が漏れました。

ここ数年は、ピアノを弾く前に必ず、テープ巻きの時間を取らなければなりません。
まずは左手、


そして右手、


ピアノ弾きとしてはいささか情けないのですが、こうして痛みを和らげるテープと、指を固定するテープを巻いておかないと、
弾いている最中はもちろんのこと、弾き終わってからの痛みが増してしまうので仕方がありません。
もう今では、ぐるぐる巻きのテープが全く気にならなくなったし、速いテンポで黒鍵だらけのスケールを弾いても引っかからなくなりました。
慣れとは恐ろしいものです、あ、いや、ありがたいものです、はい。

16組のアンサンブルから5組、9人のソロから3人、どちらも3分の1の確率です。
わたしは、ソプラノ歌手のポーレットと一緒にアンサンブルの部で出ました。
ところが今年に限ってそのパターンのアンサンブルが6組もあり、しかもどの歌手も鳥肌ものの歌声で、曲も魅力的だったので、
今回はかなり難しいかもな…と、ちょっと落ち込んだりしていましたが、一日寝るともうすっかり元気が戻ってきました。
結果は3週間後。
わくわくドキドキしながら待つことにします。



そして今日、母の日の恒例行事、セントラルパークでの『ジャパンデー』が開催されました。
今年で9回目。
この催しは、雨天なら中止、延長も無し、ということになっていて、だから関係者の方々にとっては雨降りが一番恐ろしい…。
なのに今年はなんと、直前まで“雨“の予報が出てしまっていて、かなり心配をしていました。
ところがところが…ぴっか~んな晴れとなり、堂々の開催です。
これはもう、みんなの願い、祈りが届いたとしか言いようがありません。

開催にあたっては、日本の大使館や大企業が支えとなり、募金が集まります。
大企業には、こんなふうに、日本の文化交流のような良いことに使うお金も、人殺しのための武器や、原発のようなものを開発したり製造したりするお金もあるわけで、
それが世の中の常ではあるとわかっていても、この時期、このような行事の裏表を垣間見ていると、なかなか複雑な思いになることが多くなります。

とはいえ、日本の文化を伝えるためにと、大勢の人たちが何ヶ月もかかって準備や手続きや交渉に奔走し、やっとやっとで迎える行事です。
行かいでかぁ~!!
というわけで、昨日の疲れがドロロンと残ってはいましたが、またまたマンハッタンへと向かいました。

セントラルパークのこのでっかい岩が好っきゃねん❤️


この並木のずぅ~っと奥に、メインステージがあります。


焼きそばと、


お好み焼きのテント。食べ物はすべて無料。すご~い行列でした。


おなじみ、野外トイレ。



で、お目当てのステージまでにちょっと腹ごしらえをと、公園を出た途端、キャ~ッという声が聞こえてきて、何事かとそちらの方を見ると、
もしかして彼女たちがあの…AKB???




らしかったです…全く知らないので、今も定かではありませんが…。

どこもかしこも気持ちがいい、セントラルパーク周辺。ベンチに座り、心地よい風に吹かれながら、屋台のサンドウィッチを頬張る父と夫とわたし。



歌舞伎ペイントコーナー。(撮りたかったのはお化粧してもらった男の子だったのに、カメラのピントが一番手前の男性の後頭部に合ってしまってました…)


わたしと同年代のアメリカンのおばちゃんでしたが、浴衣と帯をアレンジした堂々たるコスプレ!恐れ入りました!


歌舞伎ペイントを写メに撮ろうと努力中。


習字体験コーナー。


浴衣体験コーナー。


折り紙体験コーナー。


ヨーヨー釣りコーナー。


去年と同じぐらいのピーカンっぷりと盛況っぷり。あっちぃ~!!


今年のポスターに採用されたMarci Ichimuraさんの作品。


ポスターにはこれ。


わたし的にはこれ。


ほんっとに暑かった…。


そんなギラギラの太陽の下で、爆発的に太鼓を叩きダンスをするCOBUの女性たち。




演技が終わって超~リラックスの盆踊り同好会さん。


ローラーアート、ライブペイントで有名なさとうたけしさん。
人混みの、それもみぃ~んなわたしより背が高い人ばっかりのところで、腕をピンピンに伸ばして撮りましたが…プルプルと震えだして最後まで持ちませんでした。










この後、下の方に木の幹や枝が描かれたのでした…。











最後のトリ、AKBを観ずにとっととレストランに向かう男二人連れ。


彼らに遅れて(思いっきり顰蹙を買いながらも)、あっちこっちを撮りまくるおばちゃん。








お馬さんも暑そう…。


好きなトンネル。


公園内にはいろんな草花が。






工事中のビルさえもがきれいに見えてしまう五月晴れの日曜日。




ジュリアード音楽院。
初めて入った美容院で、アメリカンの美容師にバリカンで二分刈りにされ、飛び散った短い毛を額や頬にいっぱいつけたまんま、生徒のふりして入った挙句、
どうしても見学したかった教授のドアをノックして、あることないことを適当にしゃべり、結局はレッスン見学させてもらったのはさて、誰だったでしょう…。



誰もが知っている会社の試験を受けて、二次の結果待ちの長男くん。彼いわく、万が一三次も受かって採用されたら、カリフォルニアに行くと。
そして昨日のトーナメントで優勝した次男くん。彼いわく、日本で自分の可能性を試してみたいと。
あらら、母としてはちょいとばかり寂しい話が飛び出してきました。
でも、彼らには彼らの生き方がある。それをわたしは生きている限り応援し見守る。
そう決めたのですから、笑って行ってらっしゃいと言えるようにしないと。
というわけで、母の日ディナーを息子たちにもカンパしてもらい、家族4人そろって楽しく会食というオマケ付きの、とても幸せな週末でした。
コメント (2)
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