ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

助けてくれたみんな、支えてくれたみんな、本当に本当にありがとう!

2018年03月25日 | 音楽とわたし




気がつくと全部暗譜できていたというくらい練習した曲を、昨日、無事(詳細に言うと無事とは言い切れない…)に弾き終えることができた。

指の故障でピアノが弾けなくなって、ドスンと落ち込んで、なんとかならないかなあと考えられるぐらいに気持ちが復活して、カフェインと砂糖とアルコールを断てと言われて泣く泣く実践して、
そしたらじわりじわりと痛みが和らいできて、もしかしたら大丈夫かもしれないと試し弾きしたらやっぱり痛くて、また少し落ち込んだけどストレッチと食べ物の制限を続けていたら、
丸2年ちゃんとした曲を弾けずにいた指の痛みがほとんど無くなって、無茶さえしなければ故障前のような練習をしても大丈夫なまでに復活した。

よっしゃ〜今年はオーディションに挑戦するぞ〜!と意気込んでたけど、一緒に演奏してくれる人が見つからなくてほぼ諦めていたら、
エリオットから急に、決まってたパートナーが何の連絡も無く練習に全く現れなくて、だからもう他の人に頼もうと思って、曲をまず聞いて返事をして欲しい、という連絡がきた。
オーディションのわずか10日前だったから、とりあえず曲を聞いて、10日でなんとかなりそうかどうか判断してから返事すると言ったのだけど、もう気持ちは決まっていた。
フォーレの曲は、連弾以外は勉強したことが無くて、いつも弾いてみたいと思っていた。
聞いてみると、一目惚れ、いや、一耳惚れした。
それはそれは美しくて、流れがあって、いろんな思いが見え隠れして、ヴァイオリンとピアノが絡み合って愛を奏でている。

ああ弾きたい!と思ったから、10日間は文字通り狂ったように弾いて、とりあえずオーデイション用の演奏を仕上げることができた。

エリオットは息子よりちょいと年上の若者で、一緒にじっくり練習してみると、なんとも純真で素直で、音楽に対する強い思いとエネルギーを持つ、そして他人をものすごく思いやることができる人だということがわかった。
去年の暮れからやっとお尻に火がついて、細かいニュアンスについて話し合ったり、音程を一音一音修正したり、大きな流れを作るための調整をしたり、
マンハッタンとうちは、電車でもバスでも車でも、なぜか30分弱という距離なんだけど、仕事が終わってからの練習通いは、彼にとってかなり大変なことだったと思う。

弾けば弾くほど好きになる曲で、だからこそ素敵に仕上げたいという思いが募って、正直言うともうこれ以上弾きたくないと思うほど弾いた。
今回初めて挑戦したこともあった。
完成したとは言えないけれど、挑戦したことで得られたものは、これからの演奏に活きると思う。

そして、ピアノ弾きの友だちが、本当に親身になって助けてくれた。
実際に弾くのを聞いてくれたり、助言をくれたり、たくさんの励ましの言葉をかけてくれた。
何かというと自虐的になるわたしを、何度となく窘めてくれた。

催眠療法のセラピストさんは、良い暗示を自分に与えることを教えてくれた。
夫が選んでくれた落ち着きを与える漢方薬を、確かにカバンの中に入れたはずなのに、どんなに探しても見つからなかったけど、パニックに陥らずに本番に臨めた。


今回の舞台は3年ぶりで、だからちょっと特別にと思って買った勝負ドレス。


なのに、本番30分前の控え室で、うっかりとお味噌汁をボトボトとこぼしてしまった?!
歩くとほのかに味噌の香りが漂う、不思議なドレスに…。
さらに100メートル走でもしたのかと思うぐらいに汗をかいたので、早速今日はぬるま湯で手洗いした。

エリオットが色合わせの紫のベストとネクタイを身につけてくれた。




演奏が終わって放心状態。


エリオットの家族、そして夫とわたし、それから友人たちと一緒に近くのダイナーでお疲れ会。


エリオットといつも素晴らしい音楽を演奏するとしちゃんは、わたしたちにとってすごく頼りになるコーチ役を引き受けてくれた。



さっき、恐る恐る、昨日の演奏の録音を聞いてみた。
ちょこちょこと小さなミスや音程のズレがあるけれど、わたしたちはとても溶け合っていて、感じあっていて、音楽に勢いがあって、それがとても嬉しかった。

助けてくれたみんな、支えてくれたみんな、本当に本当にありがとう!

******* ******* ******* *******

昨日はMARCH FOR OUR LIVES 2018が、全米各地で行われた。
ワシントンD.C.では、なんと80万人もの人が通りに現れた。
マンハッタンでも大きな行進があった。
残念ながら本番当日と重なったので、さすがに参加できなかったけれど、各地の様子を写した写真をここに載せておこうと思う。
こういった集会や行進が当たり前のように行われ、市井の人々の声がしっかりと反映される社会のシステムや法律が生み出されることを心から願って。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする