ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国「2本の歯の治療に50万円?!」事情

2021年06月05日 | 米国○○事情
歯の治療第二弾は奥の歯の抜歯だった。

第一弾は先週の火曜日だった。
この時点で歯科医が話してくれたことをまとめると、わたしの歯は目視はもちろんのこと、レントゲン写真でさえも見た目の症状が軽い。
これぐらいならと思いながら治療を始める(要するにガリガリ削り始める)と、どういうわけかどこまで削っても終わりが見えないのだそうだ。
まあ簡単に言うとかなり酷い状態である、ということになる😭。
アメリカでの歯の治療費を補ってくれる健康保険というと、州が発行する低所得者用の保険しかない。
歯科保険と眼科保険は、医療保険とは別ものなのだ。
低所得者用の保険を使わせてもらったことがあるけれど、指定された病院と医師のところでしか治療が受けられず、あまり良いとは言えない経験が続いた。

そんなこんなで、それでなくても病院の敷居が高いのに、歯科医院の敷居となると飛び箱10段の難易度に…とても跨げるもんじゃない。
なので少々の痛みには耐える。
いや、かなりの痛みにも耐えてしまう。
歯の健康を考えると一番やってはいけないことなのだが、ついついそういう癖がついて早21年、そりゃ悪化するはずだ。
痛みは少々どころか、夜も眠れないほどの時もあったが、正露丸を砕いて詰め込んだり、根性で我慢しているうちにいつしか消える、ということを繰り返していた。
その頃に夫が鍼灸師だったら話はまた違ったのかもしれないのだけど…。

話がまたまた横に逸れてしまった。
削った結果、奥歯の2本にクラウン治療を施すということになった。
第一弾は1個目の義歯(奥歯のクラウン )。
ビビリであると散々訴えておいたので、麻酔を人よりたくさん盛大に打ってもらい、治療が始まった。
ずっと目を瞑っていたので、周りでどんなことをしているのかさっぱりわからなかったのだが、削りが終了したからと、唇につけていたマウスピースを外してもらってボーッとしていると、カチカチとパソコンのマウスをクリックする音が聞こえてきた。
一体何やってんのやろ?と後ろを振り向くと、先生が「見ますか」と言うので見せてもらった。
画面いっぱいに奥歯の3D映像が映っていてびっくり!
そういやさっき、長い時間使って何かやってたけど、これだったのか…。
「これが何か知ってますか?」
「見たことがありません」
「もう10年近く前から使ってるんですが、こうやって3D光化学カメラで削った歯を撮影して、それらを元に型を取り、その情報を隣の部屋にある機械に送ると
、その機械が自動的に義歯を作ってくれるんです」
「はぁ…なるほど…」
30分ほどで出来上がった義奥歯は真っ白で、どちらかというと紫がかっていた。
「これからこの歯をあなたの歯の色に合わせますね」
しばらくしてまた現れた歯は、ほぼわたしの奥歯と同じ色に変わっていた。
セレックシステムと呼ばれているそうな…。

治療は約4時間。
検査や違う歯の治療もあったので長引いたのかもしれないが、終わった頃にはもうヘトヘト。
そこに治療費が20万を超えると聞いて心までヘトヘトに…。
紹介してもらった歯科手術の専門医の所に行って歯を抜いてもらい、また時期が来たらクラウン治療を受ける。
嗚呼…。
ということは、抜歯した後の2本の骨の保存治療も受けないといけないってことだ。
その専門医にもきっと、10万以上の治療費を払うことになるのだ。
いやもう、階段が3回直せるっちゅうの!

気持ちが立ち直るまで5日ほどかかり、けれどもノロノロとしてもいられないので専門医に連絡をして、抜歯をしてもらったのが一昨日の水曜日。
事前にオンラインで送った問診書に、歯科治療で受けたトラウマが原因で大掛かりな治療になると吐きそうになると伝えてあったので、笑気麻酔をしましょうと言われた。
局部麻酔も上手であまり痛まなかったのだけど、笑気ガスを鼻から吸い込み始めて数分も経つと、頭がふわぁ〜っとしてリラックスした。
うがいをする装置もなく、血とか大丈夫なのかなあと思ってたけど、塩味のする水を噴射されてるうちに歯が抜かれた。
思ったよりショックが大きくなかった。
今頃血がいっぱい出てるんじゃないかと思ったけど、口の周りを拭き取ってくれたガーゼを見てもほとんどついていない。
口の中にも無い。
それがすごく不思議だった。
何針か縫ってあるので、見た目はかなりすごいけど、麻酔がすっかり切れてからも心配していたほどの痛みも無く、とりあえず今のところは大丈夫のようだ。
ただ、数日間は飲み物と柔らかい食べ物しか食べてはいけないし、4週間はナッツ類とタネ類とポップコーンはダメ。
あんたはリスか?と呆れられるほどのナッツ食いなので、これはかなり辛い。
昨日も今日もお粥とバナナとサツマイモで凌いでいるのだけど、もしかしたら少しは痩せられるかな…と良い方に考えようと思う。
まあ何が起ころうと、何かが原因で痩せるということが全く無い性質なので、多分虚しい願いになるとは思うけれど…。

さて、抜歯と骨の保存治療を合わせて14万円也。
このままいくと、たった2本の歯のために、わたしは50万円近く払うことになりそうだ。
日本のみなさん、国保があること、感謝しましょうね。
コメント
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