作品に釉を掛けた際、不用に成る釉薬が、発生します。
その釉の処置に付いて、お話いたします。
1) 作品の底に着いた釉
① 一般に、棚板に接する部分(底)には、釉を掛けないか、塗ってしまった釉は、剥がします。
剥がさないと、焼成で釉が棚板に、「くっつき」、作品が取れなく成るか、棚板上の、
アルミナコーチングが、作品に、こびり付きます。
それ故、シュロ(棕櫚)製の、釉剥がし刷毛などで、剥がし取ります。
勿論、底まで釉を掛け、「つめや、め」を数個立て、底を棚板から、浮かせて、
焼成する方法も有ります。
又、底に釉を掛けずに、施釉する方法も有ります。
) 末茶茶碗などは、土を見せる為、あえて底周辺は、施釉しない事が、多いです。
) 底に、撥水剤(以前は熔かした蝋)などを塗り、釉が掛からない様にする。
実際には、完全に掛けない事は、難しいです。掛かった釉は、釉剥がし刷毛を使います。
) 霧吹きなどで、吹き掛けにすると、底には釉が掛からなく成ります。
) 筆や刷毛で塗ると、好きな位置に、好きな釉が塗れます。逆に塗らない事も出来ます。
(釉に濃淡が出易く、「むら」に成り易いです。)
② 釉を剥がす。
釉は単に、素焼した作品の上に、載っている状態です。それ故、簡単に剥がれます。
) 剥がす準備(注意点)
剥がし刷毛で、底などを擦ると、釉は乾いた粉となって、下に落ちます。
大き目の紙を用意し、その上に、削りカスの釉を落し、飛び散らない様にします。
又、微粉末化した削りカスは、空気中に漂いますので、吸い込まない様にも注意します。
) 剥がす範囲
棚板に接する分以外に、底より2~3mmの高さまで、落とします。
(釉には、流れ易い釉と、流れ難い釉が有ります。流れる釉は、多目に、流れない釉は、
少な目に、取り除きます。)
高台内は、なるべく、施釉します。ガラス質で覆う事により、「かび」の発生を抑えます。
) 剥がす時の注意
a) 作品は出来るだけ、手に持ち、宙に浮かせて下さい。
釉を掛けた部分を、下にして置か無い事。当った所の釉が、剥がれ易いです。
b) 器などの口縁は、掌が直接当らない様に、器に内外を、摘むように持ちます。
口縁部分は、特に釉が、剥がれ易いですので、注意。
c) 釉は厚く塗れば塗るほど、少しの力で、大きく、剥がれ易く成ります。
特に二重掛けした部分は、厚くなっていますので、注意の事。
) 装飾で、釉を剥がす。
作品表面に塗った釉を、削り(搔き)取り、模様にする場合も有ります。
(削り取られた面が、素焼のままに成ります。)
次回は、剥がした釉の削りカスの、使い方について、お話します。
陶芸の困り事
不用な釉薬
その釉の処置に付いて、お話いたします。
1) 作品の底に着いた釉
① 一般に、棚板に接する部分(底)には、釉を掛けないか、塗ってしまった釉は、剥がします。
剥がさないと、焼成で釉が棚板に、「くっつき」、作品が取れなく成るか、棚板上の、
アルミナコーチングが、作品に、こびり付きます。
それ故、シュロ(棕櫚)製の、釉剥がし刷毛などで、剥がし取ります。
勿論、底まで釉を掛け、「つめや、め」を数個立て、底を棚板から、浮かせて、
焼成する方法も有ります。
又、底に釉を掛けずに、施釉する方法も有ります。
) 末茶茶碗などは、土を見せる為、あえて底周辺は、施釉しない事が、多いです。
) 底に、撥水剤(以前は熔かした蝋)などを塗り、釉が掛からない様にする。
実際には、完全に掛けない事は、難しいです。掛かった釉は、釉剥がし刷毛を使います。
) 霧吹きなどで、吹き掛けにすると、底には釉が掛からなく成ります。
) 筆や刷毛で塗ると、好きな位置に、好きな釉が塗れます。逆に塗らない事も出来ます。
(釉に濃淡が出易く、「むら」に成り易いです。)
② 釉を剥がす。
釉は単に、素焼した作品の上に、載っている状態です。それ故、簡単に剥がれます。
) 剥がす準備(注意点)
剥がし刷毛で、底などを擦ると、釉は乾いた粉となって、下に落ちます。
大き目の紙を用意し、その上に、削りカスの釉を落し、飛び散らない様にします。
又、微粉末化した削りカスは、空気中に漂いますので、吸い込まない様にも注意します。
) 剥がす範囲
棚板に接する分以外に、底より2~3mmの高さまで、落とします。
(釉には、流れ易い釉と、流れ難い釉が有ります。流れる釉は、多目に、流れない釉は、
少な目に、取り除きます。)
高台内は、なるべく、施釉します。ガラス質で覆う事により、「かび」の発生を抑えます。
) 剥がす時の注意
a) 作品は出来るだけ、手に持ち、宙に浮かせて下さい。
釉を掛けた部分を、下にして置か無い事。当った所の釉が、剥がれ易いです。
b) 器などの口縁は、掌が直接当らない様に、器に内外を、摘むように持ちます。
口縁部分は、特に釉が、剥がれ易いですので、注意。
c) 釉は厚く塗れば塗るほど、少しの力で、大きく、剥がれ易く成ります。
特に二重掛けした部分は、厚くなっていますので、注意の事。
) 装飾で、釉を剥がす。
作品表面に塗った釉を、削り(搔き)取り、模様にする場合も有ります。
(削り取られた面が、素焼のままに成ります。)
次回は、剥がした釉の削りカスの、使い方について、お話します。
陶芸の困り事
不用な釉薬