わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸の困り事(不用な釉薬1)

2009-07-07 18:07:50 | 陶芸の困り事
作品に釉を掛けた際、不用に成る釉薬が、発生します。

その釉の処置に付いて、お話いたします。

1) 作品の底に着いた釉

 ① 一般に、棚板に接する部分(底)には、釉を掛けないか、塗ってしまった釉は、剥がします。

   剥がさないと、焼成で釉が棚板に、「くっつき」、作品が取れなく成るか、棚板上の、

   アルミナコーチングが、作品に、こびり付きます。

   それ故、シュロ(棕櫚)製の、釉剥がし刷毛などで、剥がし取ります。

  勿論、底まで釉を掛け、「つめや、め」を数個立て、底を棚板から、浮かせて、

  焼成する方法も有ります。

  又、底に釉を掛けずに、施釉する方法も有ります。

  ) 末茶茶碗などは、土を見せる為、あえて底周辺は、施釉しない事が、多いです。

  ) 底に、撥水剤(以前は熔かした蝋)などを塗り、釉が掛からない様にする。

    実際には、完全に掛けない事は、難しいです。掛かった釉は、釉剥がし刷毛を使います。

  ) 霧吹きなどで、吹き掛けにすると、底には釉が掛からなく成ります。

  ) 筆や刷毛で塗ると、好きな位置に、好きな釉が塗れます。逆に塗らない事も出来ます。

     (釉に濃淡が出易く、「むら」に成り易いです。)

 ② 釉を剥がす。

    釉は単に、素焼した作品の上に、載っている状態です。それ故、簡単に剥がれます。

  ) 剥がす準備(注意点)

     剥がし刷毛で、底などを擦ると、釉は乾いた粉となって、下に落ちます。

     大き目の紙を用意し、その上に、削りカスの釉を落し、飛び散らない様にします。

     又、微粉末化した削りカスは、空気中に漂いますので、吸い込まない様にも注意します。

  ) 剥がす範囲

     棚板に接する分以外に、底より2~3mmの高さまで、落とします。

     (釉には、流れ易い釉と、流れ難い釉が有ります。流れる釉は、多目に、流れない釉は、

     少な目に、取り除きます。)

     高台内は、なるべく、施釉します。ガラス質で覆う事により、「かび」の発生を抑えます。

  ) 剥がす時の注意

   a) 作品は出来るだけ、手に持ち、宙に浮かせて下さい。

     釉を掛けた部分を、下にして置か無い事。当った所の釉が、剥がれ易いです。 

   b) 器などの口縁は、掌が直接当らない様に、器に内外を、摘むように持ちます。

      口縁部分は、特に釉が、剥がれ易いですので、注意。

   c) 釉は厚く塗れば塗るほど、少しの力で、大きく、剥がれ易く成ります。

     特に二重掛けした部分は、厚くなっていますので、注意の事。

  ) 装飾で、釉を剥がす。

     作品表面に塗った釉を、削り(搔き)取り、模様にする場合も有ります。

    (削り取られた面が、素焼のままに成ります。)

次回は、剥がした釉の削りカスの、使い方について、お話します。

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不用な釉薬
  
 
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