わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「割れ」、「ひび」対策(不注意2)

2009-07-24 15:23:43 | 失敗と対策
不注意から起こる、「割れ」や「ひび」に付いて、話を進めます。

3) 乾燥時に、起こる。

  ① 不均一な、乾燥も、「割れ」「ひび」の原因に成ります。

    この件に関しては、以前に述べましたので、それを参照して下さい。

  ② 天日干し

    素焼する直前に、作品を「天日干し」して、十分乾燥させます。

    注意する事は、急な夕立などで、作品を濡らさない事です。

    乾いた作品は、急激に水を吸うと、本体が、溶けて壊れてしまいます。

    天気には十分注意する事です。

4) 施釉時に起こる

   釉薬を塗る際にも、注意しないと、作品を壊す恐れが、有ります。

  ① 以前、大き目の鉢に、漬け掛けで施釉する際、作品を全部沈めた後、両手で縁を持ち、

    引き上げたら、持った部分から、完全に「割れ」てしまいました。原因は、

    中の釉を捨てずに、そのまま持ち上げた為と、指跡を気にして、持つ場所が、端過ぎた為です。

  ② 漬け掛けの際、取っ手など弱い所を、釉の容器の底や、縁にぶつけ無い事です。

  ③ 多い事故は、作品を持つ場所が少なく、不安定な持ち方となり、施釉時に、落してしまう事です。

    釉の容器の中なら、割合安全ですが、施釉後に、外に落した場合は、壊れる恐れが有ります。

    持ち難い作品は、他の施釉方法を取るか、施釉の用具の使用を、考えて下さい。

5) 窯詰め、窯出し時に起こる。

  ① 窯詰めや、窯出しの際、棚板の支柱が落ちて、下の作品に当たり、破損する場合が有ります。

   窯詰めでは、作品の入れ替えは、しばしば行われます、その都度、棚板を外します。

   その際、上手に取らないと、支柱が動いて落ち、下の作品に、当る場合が有ります。

  ② 窯出しの際には、棚板と一緒に、支柱が「くっついて来る」場合が有ります。

    棚板に、「ぶる下がった」状態です。

    (特に、棚板に、アルミナコーチングを、塗布した直後の本焼きで、起こり易い)

    その支柱が、「ひかかり」、作品を下に落したり、急に棚板から、支柱が取れて、

    落下し、下の作品に当る場合が有ります。支柱が大きい場合は、特に問題です。

   何れも、棚板を取り去る時は、支柱の動きにも注意します。

  ③ 釉薬が流れ落ち、棚板に付いた場合、力任せに、剥がそうとすると、作品が「割れ」ます。

   ) 棚板の裏側から、木槌などで叩き、コーチング毎、剥がします。

     (取れたコーチング部分は、塗布して、補修して置きます。)

   ) 流れが少ない場合には、「タガネ」などで、少しづつ、剥がします。

   底に付いたコーチング(白っぽい)は、「ダイヤモンド、ヤスリ」で削りとります。

以下次回に続きます。   

陶芸失敗と対策



 
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