わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「割れ」、「ひび」対策(補修1)

2009-07-25 21:51:48 | 失敗と対策
作品に、「割れ」や「ひび」が出来た場合、原則的には、廃棄処分とし、新たに作り直す事を勧めます。

 (但し、製作途中の場合は、除きます。)

しかし、どうしても、その作品を、助けたい時には、補修する方法が有ります。

但し、どの段階での「割れ」、「ひび」かによって、その対処方法(対策)も異なります。

1) 製作途中の、「割れ」「ひび」の場合

   乾燥以前でしたら、容易に補修できます。

  ① 製作途中で、粘土が乾燥し始め、「ひび」が入る場合や、土を曲げたり、変形した時に出来た物は、

    濡らした「スポンジ」で、土に水を含ませ、指や「竹ベラ」で撫ぜて、「ひび」を消します。

    同じ土の「どべ」を、「ひび」に塗りこむ場合も有ります。

  ② 製作途中の「割れ」は、土を圧着させる方法と、土を足す方法が有ります。

   ) 「割れ」の隙間が狭い場合には、割れた両端を持ち、圧着させます。

     その際、隙間部に、筆などで、水や「どべ」を流し込みます。

     その後、左右の土を、指や「竹へら」で、「×、×、×」状に伸ばして、接着した後、

     指や皮で慣らします。

   ) 「割れ」の隙間が、やや広い(1mm以上)時には、土を足して補修します。

    a)  縁など端が「割れ」た場合には、紐状にした同じ土を、水で濡らし、「コの字」状にします。

      この紐を、縁の三方(内外上)に押し当てます。更に針(剣先)等を使い、割れた溝に

      押し込み、三方を、強く締め付けます。

     その後、余分な土は、直ぐに取り除くか、若干乾燥した後、削り取ります。

   b) 縁以外に、「割れ」がはいった場合

      「割れ」が裏側にまで、達している時は、裏表(又は内外)から、紐状にした土で、

      補修し、裏側に達していない場合には、表側のみから、補修します。

     何れも、溝に空気が残らない様にします。

     (水、「どべ」を付ける、溝に押し込む、両側から、締め付けるなど。)

  以上の方法で、製作途中の補修は、ほとんど問題有りません。

2) 製作後、乾燥時の「割れ」「ひび」の補修。

   乾燥と伴に、土は縮み始め、「割れ」や「ひび」がある場合には、どんどん傷が大きく長く成ります。

   この場合も、乾燥度合いによって、対処方法も変わります。

  ① 乾きが甘い場合、まだ土の色が、製作時と、余り変わらない時には、前記1)の方法で、

    対処できます。

  ② 乾燥が進み、土の色が変わって来たら、補修はかなり困難です。

    (最初に述べた様に、廃棄処分するのが、妥当ですが・・・)

    対策として、以下の方法が有ります。

   ) そのまま素焼し、素焼後に、対処する。

   ) 外科的に、切開、切除して補修する。

   ) 陶芸用(本焼き)接着剤を使って補修する。


 以下、詳細は、次回に述べます。

陶芸失敗と対策

    
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