わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「割れ」、「ひび」対策(生1)

2009-07-16 20:09:21 | 失敗と対策
陶芸作品で、一番の失敗は、作品が「割れ」たり、「ひび」が入る事です。

色が気に入らない、形が悪い、使い勝手が悪いなど、「失敗作だ!」と思っていても、

人によっては、その作品を「失敗作」とは、思わないかも知れません。

・ しかし、「割れ」や、「ひび」が入っていたら、その作品は、使い物に成りません。

  誰が見ても、明らかに、「失敗作」と、解かります。

  但し、置物の様に、実用に供さない物では、その限りではありません。

  ( 例として、あの有名な、「破れ袋」と銘銘された、茶器の水指が有ります。

  水指本体の、胴の部分が、破裂して、大きく「ひび割れ」ていますが、釉がとても綺麗で、

  壊すには、勿体ないと言う理由で、長年大切に、保存されています。)

 一般的には、「ひび」程度なら、二度焼き等で、補修も可能ですが、「割れ」の場合には、

  破棄の対象に成ります。 (尚、愛用していて、「割れ」た場合には、金継などの方法や、

  陶器用接着剤で、補修する場合も、有ります。)

 何れにしても、「割れ」「ひび」は、陶芸作品には、大敵です。


 以下「割れ」「ひび」に付いて、述べたいと思います。

 (過去の記述と、重複するかも知れませんが、ご容赦下さい。)

1) 「割れ」「ひび」の原因

 ① 陶芸材料の、粘土などが、縮む事

  ) 土は、作品を作り終えると直ぐに、乾燥し、収縮し始めます。

  ) 焼成で、高い温度に、晒される事により、もう一度収縮します。

 ・ 収縮とは、隣同士や、周囲の土が、「綱引き」の様に、お互い引張り合いながら、体積を減らし、

   密度を増す現象です。土の種類によっても、収縮の強さ(収縮率)に、差が有ります。

   引き合う力の弱い所は、周囲から引張られ、負けてしまい、「割れ」や「ひび」が入り易いです。

   引っ張り合う強さは、以下の如く成ります。

   A) 速く乾燥する所は、乾燥の遅い所より、引き合う力は強い。

     肉厚が薄い所、器などの口縁部分、日光や、ドライヤーなど、熱源の近くで、速く乾燥する部分、

     作品を置いた場合の上部(上部より乾きます)、などです。

   B) 同じ様な乾燥度の場合。 じっくり時間を掛けて、乾燥させた場合

    ( 陶器用の乾燥器に入れる、濡れた布を掛ける、作品に時々霧を吹くなど)

     肉厚の薄い部分より、肉の厚い部分の方が、引く力は強い。

   C) 周囲の引く力が、一定でない場合(アンバランス)

     作品の端っこ以外の場所では、四方八方から、バランス良く、「綱引き」が、行われています。

     端っこ(口縁など)の場合、一方のみの力が働き、他方からは、働きません。

     形によっては、三方が引き合い、一方のみが「ゼロ」の場合も有ります。

    ・ それ故、口縁などは、形が歪み易いです。

以下、対策に付いては、次回に続きます。

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