わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器の絵付け 6(下絵付)

2010-01-09 22:41:46 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
今まで、手作業による、絵付けの方法を、述べて来ましたが、当然、産業用の絵付けの方法も有ります。

素地に、絵の具で、直接印刷する、「パッド印刷」や、「スクリーン印刷」など、量産に使われる、技法です。

3) パッド印刷: 「 シリコン、パッド」を用い、絵柄を、直接印刷します 。
     
   ① ハンコを押すような、印刷方法で、版から、インキ(絵柄)を、商品に移し変える印刷方法です。

   ② 他の印刷法では困難な、丸みある物や、凹凸のある面や、凹みの内側でも、安易に

    印刷する事が出来、形を選びません。又陶磁器に限らず、ガラスや、プラスチックにも、印刷可能で

    印刷スピードも、かなり高速です。

   ③ 作業は、完全に、機械化されています。

     絵の具の調合、機械の調整などでは、微妙な感覚が、要求されます。

   ④ バット印刷について、詳細は省略しますが、概略は以下の様に、成ります。

    ) 色々な形をした、シリコンゴム製の、バットと言う転写物を、使います。

      パットは、柔軟性に富み、陶磁器などの、印刷物の形に、確実にフィットします。

    ) 樹脂や、鋼板に絵柄をエッチングし、溝を掘り、凹版を造ります。

    ) この凹版に、絵の具(インク)を、流し込みます。

    ) パットを、凹版に押し付け、インクを拾います。次にパットを、印刷物に移動し、

      パットを押し付けると、印刷物の形状に、変形しながら、密着し、転写が出来ます。

  「下絵の技法」についての、話は以上で終わりに致します。

4) 下絵付けの釉薬について

  下絵付けした場合、一般には、透明釉を塗ります。

  しかし、透明釉以外にも、志野釉(絵志野)、黄瀬戸釉、唐津釉(絵唐津)、織部釉などを、

  塗る事も珍しく有りません。これらの絵の具は、酸化鉄(鬼板など)が多いです。

  (尚、黄瀬戸の場合、タンパン(硫酸銅の粉末)を水に溶き、緑色を出す事も、多いです。

   タンパンは、絵の具とは、見なされません。)

  釉の種類によって、当然、絵の具の発色が、異なりますが、完全に絵が隠れない、釉であるならば、

  どんな釉を使っても、悪い訳ではありません。
 
以上にて、下絵付けの話を終わり、次回より、上絵付けの話をしたいと、思います。

パット印刷(量産用)
コメント
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