上絵付とは、本焼した釉面上に、上絵具で彩色(描画、吹き付け、転写紙)し、750~850℃程度の
温度で、焼き付けたものです。
・ 焼成温度が、比較的低いので、顔料の制約が少なく、多彩な色を使い、鮮やかで、
自由な表現ができます。
しかし、釉薬の上に、顔料がある為、酸、アルカリなどで、侵されたり、傷付き、剥がたりすることも、
多いです。
・ 9~10世紀、中国の晩唐・五代の頃に現れ、元代後期の14世紀初頭の、景徳鎮で、本格的に、
作られる様になります。
日本では、江戸時代初期の、伊万里焼に始まり、柿右衛門、鍋島と高度化し、各地に広がりました。
主に、磁器に絵付けしますが(磁胎)、仁清(江戸初期)などは、陶器に絵付けを、しています(陶胎)
・ 「色絵」の言葉が、広く用いられる様になるのは、戦後のことで、1955年、重要無形文化財に、
「色絵磁器」が、指定されたことが、大きいです。
1) 上絵の具について
上絵の具は、焼成時の温度でも、安定した顔料(着色剤)と、釉の上に、固定させるフラックス
(熔剤、融剤)からできています。
焼き付けられた顔料からは、鉛やカドミウムなどの、重金属が溶け出すことが、あってはなりませんし、
顔料が熱、洗剤、また酸・アルカリに侵されてはなりません。
① 顔料と成る、着色材には、以下の様な、金属類が有ります。
酸化コバルトは、 青色、黒色 、青色、緑色 。 酸化マンガン は、紫色、青色、黒色 。
酸化銅 は、緑色、赤色(辰砂)。 酸化ウラニウムは、 朱色、黄色、灰色、 黒色 。
a) 但し、現在の絵の具は、化学薬品を使っている為、色の面白さに、欠けているそうです。
b) 古い時代の、絵の具には、不純物の多い金属や、酸化物が混じり、面白味のある、
色が出ていると、言われています。
② 熔剤(フラックス)について
a) 作品に絵の具を載せる場合、接着(粘着)剤として、植物油、砂糖、糖密などに溶いて、
使用する場合も有ります。
又、油絵に使う、テレピン油、リンシード油も、良好に使えます。
b) 溶剤は、それ自体で、色を溶かし込む、働きをします。
溶剤として、鉛丹、珪砂、硼酸、硼砂の混合物を、炭酸ソーダや、炭酸カリ、
錫灰(金属錫と、鉛の混合物)などを、使います。 何れも、ガラス質に成る、物質です。
尚、絵の具の用語で、白玉は、溶剤、フリットで、日野岡は、珪砂、唐の土は、
鉛白(塩基性炭酸鉛)の事です。
c) 顔料が、同じでも、溶剤の種類によって、発色する色が微妙に、異なります。
③ 溶剤と顔料の割合
a) 光沢のある場合、 溶剤 2~4: 顔料 1
b) 艶消しの場合、 溶剤 1: 顔料 1
の混合割合ですが、焼成温度、溶剤の熔融温度によって、変化します。
2) 金彩、銀彩について
以下次回に続きます。
上絵付け
温度で、焼き付けたものです。
・ 焼成温度が、比較的低いので、顔料の制約が少なく、多彩な色を使い、鮮やかで、
自由な表現ができます。
しかし、釉薬の上に、顔料がある為、酸、アルカリなどで、侵されたり、傷付き、剥がたりすることも、
多いです。
・ 9~10世紀、中国の晩唐・五代の頃に現れ、元代後期の14世紀初頭の、景徳鎮で、本格的に、
作られる様になります。
日本では、江戸時代初期の、伊万里焼に始まり、柿右衛門、鍋島と高度化し、各地に広がりました。
主に、磁器に絵付けしますが(磁胎)、仁清(江戸初期)などは、陶器に絵付けを、しています(陶胎)
・ 「色絵」の言葉が、広く用いられる様になるのは、戦後のことで、1955年、重要無形文化財に、
「色絵磁器」が、指定されたことが、大きいです。
1) 上絵の具について
上絵の具は、焼成時の温度でも、安定した顔料(着色剤)と、釉の上に、固定させるフラックス
(熔剤、融剤)からできています。
焼き付けられた顔料からは、鉛やカドミウムなどの、重金属が溶け出すことが、あってはなりませんし、
顔料が熱、洗剤、また酸・アルカリに侵されてはなりません。
① 顔料と成る、着色材には、以下の様な、金属類が有ります。
酸化コバルトは、 青色、黒色 、青色、緑色 。 酸化マンガン は、紫色、青色、黒色 。
酸化銅 は、緑色、赤色(辰砂)。 酸化ウラニウムは、 朱色、黄色、灰色、 黒色 。
a) 但し、現在の絵の具は、化学薬品を使っている為、色の面白さに、欠けているそうです。
b) 古い時代の、絵の具には、不純物の多い金属や、酸化物が混じり、面白味のある、
色が出ていると、言われています。
② 熔剤(フラックス)について
a) 作品に絵の具を載せる場合、接着(粘着)剤として、植物油、砂糖、糖密などに溶いて、
使用する場合も有ります。
又、油絵に使う、テレピン油、リンシード油も、良好に使えます。
b) 溶剤は、それ自体で、色を溶かし込む、働きをします。
溶剤として、鉛丹、珪砂、硼酸、硼砂の混合物を、炭酸ソーダや、炭酸カリ、
錫灰(金属錫と、鉛の混合物)などを、使います。 何れも、ガラス質に成る、物質です。
尚、絵の具の用語で、白玉は、溶剤、フリットで、日野岡は、珪砂、唐の土は、
鉛白(塩基性炭酸鉛)の事です。
c) 顔料が、同じでも、溶剤の種類によって、発色する色が微妙に、異なります。
③ 溶剤と顔料の割合
a) 光沢のある場合、 溶剤 2~4: 顔料 1
b) 艶消しの場合、 溶剤 1: 顔料 1
の混合割合ですが、焼成温度、溶剤の熔融温度によって、変化します。
2) 金彩、銀彩について
以下次回に続きます。
上絵付け