ラスター現象を、作り出す方法について、述べます。
ラスターの効果を出すには、表面に金属又は、金属酸化物粒子の、非常に薄い層を、作れば良い事に
成ります。
1) その技術的方法は、
① 貴金属の樹脂酸塩を、釉の上に掛ける。
金属の、有機化合物の薄い油溶液や、エーテルの溶液を、本焼き焼成した、釉の上に掛け、
600~700℃で、焼成する方法です。この方法が、最も一般的に行われています。
② 着色酸化物を含む、鉛釉を、本焼き後の作品に掛け、還元焼成する。
③ 窯から出したばかりの、まだ熱い内に、金属塩溶液を、スプレーで、吹き付ける。
④ 錫釉に、黄土と金属溶液を掛け、焼成する。
⑤ アイリス・ラスターは、施釉したものに、チタニウム塩と、油性溶液の混合物を塗り、
低温で、焼成して造ります。
2) 金属ラスターの調合
① 元釉に成る、白ラスター(ビスマス、ラスター)を作る。
これを、釉面上に掛けて、焼成すると、真珠に似た光彩が、現れます。
② 白ラスターに、色々な金属酸化物を加え、各種の色ラスターを造ります。
) 白ラスターを造る
a) 材料は、松脂:26.1%、 硝酸ビスマス結晶:8.7%、 ラベンダー油:65.2%
b) 松脂を、サンド・バス(砂浴)の上で、溶かします。
c) 硝酸ビスマスを、少しずつ加え、撹拌します。更に、ラベンダー油、34.8%を、徐々に加えます。
d) 混合物は、褐色になりますが、自然冷却後に、ラベンダー油の、残り30.4%を加えます。
e) 不溶性物質が、完全に沈殿したら、これを、空気中にさらし、濃縮させます。
以上で白ラスターは、完成です。
) 塩化鉄、硫酸銅、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫酸マンガン、硝酸ウランなどの、塩類で、
金属ラスターを造ります。
a) 上記塩類の、水溶液に、沈殿物が出来るまで、樹脂石鹸を加えます。
b) この沈殿物を、濾過し、乾燥後に、ラベンダー油と混合し、粉砕します。
) 青色ラスター: 水金に、重量比4倍の、白ラスターを加える。
褐色ラスター: ニッケル・ラスターや、コバルト・ラスターを使います。
緑色ラスター: 水金、カドムウム・ラスター、白ラスターを、適当な割合で混ぜます。
橙色ラスター: 鉛ラスターと、クロム・ラスターの混合。
紫色ラスター: 水金に、5倍の白ラスターを加えます。
* 参照資料:素木洋一著 「図解 工芸用陶磁器」 (技報堂出版株式会社)より、転載しました。
尚、ラスター彩の復元、研究した人に、加藤卓男氏がいます。
加藤 卓男(1917~2005年)、 陶芸家、 国指定、重要無形文化財、保持者 (人間国宝)
古代ペルシア陶器の、斬新な色彩や、独創的な造形や、釉に魅力を感じ、西アジアでの、
長年の発掘研究を経て、滅び去った幻の名陶、ラスター彩の復元を始め、青釉、三彩、
ペルシア色絵など、高い芸術性を持つ、異民族の文化と、日本文化との融合に、成功しました。
その他の功績により、人間国宝に推挙されました。
ラスター釉
ラスターの効果を出すには、表面に金属又は、金属酸化物粒子の、非常に薄い層を、作れば良い事に
成ります。
1) その技術的方法は、
① 貴金属の樹脂酸塩を、釉の上に掛ける。
金属の、有機化合物の薄い油溶液や、エーテルの溶液を、本焼き焼成した、釉の上に掛け、
600~700℃で、焼成する方法です。この方法が、最も一般的に行われています。
② 着色酸化物を含む、鉛釉を、本焼き後の作品に掛け、還元焼成する。
③ 窯から出したばかりの、まだ熱い内に、金属塩溶液を、スプレーで、吹き付ける。
④ 錫釉に、黄土と金属溶液を掛け、焼成する。
⑤ アイリス・ラスターは、施釉したものに、チタニウム塩と、油性溶液の混合物を塗り、
低温で、焼成して造ります。
2) 金属ラスターの調合
① 元釉に成る、白ラスター(ビスマス、ラスター)を作る。
これを、釉面上に掛けて、焼成すると、真珠に似た光彩が、現れます。
② 白ラスターに、色々な金属酸化物を加え、各種の色ラスターを造ります。
) 白ラスターを造る
a) 材料は、松脂:26.1%、 硝酸ビスマス結晶:8.7%、 ラベンダー油:65.2%
b) 松脂を、サンド・バス(砂浴)の上で、溶かします。
c) 硝酸ビスマスを、少しずつ加え、撹拌します。更に、ラベンダー油、34.8%を、徐々に加えます。
d) 混合物は、褐色になりますが、自然冷却後に、ラベンダー油の、残り30.4%を加えます。
e) 不溶性物質が、完全に沈殿したら、これを、空気中にさらし、濃縮させます。
以上で白ラスターは、完成です。
) 塩化鉄、硫酸銅、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫酸マンガン、硝酸ウランなどの、塩類で、
金属ラスターを造ります。
a) 上記塩類の、水溶液に、沈殿物が出来るまで、樹脂石鹸を加えます。
b) この沈殿物を、濾過し、乾燥後に、ラベンダー油と混合し、粉砕します。
) 青色ラスター: 水金に、重量比4倍の、白ラスターを加える。
褐色ラスター: ニッケル・ラスターや、コバルト・ラスターを使います。
緑色ラスター: 水金、カドムウム・ラスター、白ラスターを、適当な割合で混ぜます。
橙色ラスター: 鉛ラスターと、クロム・ラスターの混合。
紫色ラスター: 水金に、5倍の白ラスターを加えます。
* 参照資料:素木洋一著 「図解 工芸用陶磁器」 (技報堂出版株式会社)より、転載しました。
尚、ラスター彩の復元、研究した人に、加藤卓男氏がいます。
加藤 卓男(1917~2005年)、 陶芸家、 国指定、重要無形文化財、保持者 (人間国宝)
古代ペルシア陶器の、斬新な色彩や、独創的な造形や、釉に魅力を感じ、西アジアでの、
長年の発掘研究を経て、滅び去った幻の名陶、ラスター彩の復元を始め、青釉、三彩、
ペルシア色絵など、高い芸術性を持つ、異民族の文化と、日本文化との融合に、成功しました。
その他の功績により、人間国宝に推挙されました。
ラスター釉