わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸、陶磁器の諺、格言、名言 3

2011-01-06 22:06:00 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
7) 焼く時間は、長い方が、良い。

 ① 焼成とは、釉を熔かす他に、土を焼しめる、効果が有ります。

   焼き締まる事により、作品の強度も、増します。

 ② 短時間の焼成では、釉は解けますが、焼き締まりは、十分ではありません。

   (楽焼は、釉を熔かすのみの、行為ですので、短時間焼成と成ります。)

   土が焼き締まる為には、一定温度に長時間、晒されている、必要が有ります。

   土の種類に拠っては、急激な温度上昇が、出来ない土もあります。その様な場合は、ゆっくり時間

   掛けて、焼成する必要があります。

 ③ 土は、時間とともに、軟らかくなりながら、収縮して行きます。

   強く焼き締まる(密度が増す)事により、強度が増し、水を通し難くします。

   強く焼きし締まった土は、指で弾くと、高い音に成りますので、判断が出来ます。

 ④ ゼーゲルコーンは、100℃/時間で、温度上昇して、所定の温度にした時に、コーンが倒れる様に

   成っています。 即ち、SK-8(1250℃)の場合、12時間半を掛けて、1250℃まで温度を

   上げた時に、コーンは倒れます。

   12時間半よりも、短い時間ですと、倒れません。この場合、より高い温度にする必要が有ります。

   逆に、12時間半以上、時間を掛けた場合には、1250℃以下でコーンは倒れます。

   (但し、現在の窯には、熱電対温度計が、備わっている物がほとんどですので、コーンを使う事は、

   少なく成っています。)

8) 絵は、窯が描く

   磁器には、明瞭な図柄が、描かれていますが、陶器の場合、何が描かれているのか、判然とし無い

   物が多いです。

   当然、絵の上手の人と、下手な人では、焼き上がりに、差が出ますが、心配無用です。

  ① 「焼き」と言う行為は、絵のみでなく、その作品全体に、影響を与えます。

    その為、絵は全体の一部で有り、全体の焼の出来具合によって、その絵が、生きたり死んだりする

    訳です。

  ② 例え、描いた時に、幼稚な絵(判別しづらい、不明瞭な絵)であると、感じても、窯から出して

    見ると、意外に良く見える場合が、結構多いものです。

    それ故、絵が下手と感じても、悲観せず、「積極的に描きなさい」と言う、諺に成っています。

9) 窯焚きが出来れば、陶芸(焼き物作り)は出来る。

   陶芸で一番難しい、窯焚きが出来れば、作品を作る等の、他の作業も、出来ると言う事です。

  ① 窯を焚く方法は、素焼、本焼、楽焼、そして上絵付けを焼く、4種類有りますが、素焼と本焼が

    出来れば、他の2つの焼き方は、割合容易です。

  ② 素焼と本焼では、窯詰のタイミングや、窯詰の仕方、温度の上昇スピード等に、違いが有ります。

    又、本焼きには、酸化還元の問題も、生じます。

    これらを理解し、無事に作業できれば、作品作りや、釉等の作業は、努力次第で、どうにか成る

    ものです。

  ③ 現在では、電気の窯が普及し、マイコン制御で、窯焚きも簡単に成りました。それ故、ある程度の

    焼き上がりで良いならば、さほど苦労せずに、窯焚きが出来ます。

    即ち、陶芸の経験の浅い方でも、自分の窯を持ち、陶芸を楽しむ事が、可能に成りました。

以下次回に続きます。

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