わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸、陶磁器の諺、格言、名言 7

2011-01-10 22:20:40 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
諺、格言、名言の話を、続けます。

15) 土は寝かせてから使え。

  土を寝かすとは: 土に水を掛け、乾燥し無い様に、覆い(昔ならば、むしろ)をして、数ヶ月から、

  数年放置して置く事を、言います。

  時々、上から水を掛けたり、天地をひっくり返して、満遍なく、空気に晒します。

 ① 寝かす事による効果は、土に粘りが出て、作り易い事と、作品に傷や、割れが発生するのを、防ぐ

   事に有ります。特に大物を作る際には、大きく縮み、割れや切れが、発生し易いですので、寝かせた

   土を使うと、より安全です。

 ② 寝かせる事により、土の中の微生物や「カビ」が、大量に増殖し、それらからの分泌物が、土に

   粘りを与えると言われています。(尚、微生物や「カビ」は、焼成する事により、消失しますので、

   何の問題も、起こしません。)

   この強い粘りが、作品を作り易くすると同時に、切れや割れを、防ぎます。

 ③ 一度失敗した土を、再利用する為、水分を抜き、土練後、直ぐに作品を作ると、大変作り難いです。

   特に、轆轤作業での失敗した土は、顕著です。腰がなくなり、土も上手に伸びません。

   これは、轆轤作業で、土の表面の「ドベ」を剥ぎ取る事により、表面を水で、洗った結果、分泌物が

   少なくなり、粘りが少なく成った為です。

  ④ 上記の場合には、新たな土を使うか、半分ほど新しい土を、混入して、練り直し後、使用すると

    良いでしょう。

  ⑤ 土に粘りを出す方法は、寝かす以外にも、次の様な方法も有ります。

   ) 土をよく練る。土は回数を多く練るほど、粘りが出ると言われています。

   ) 土の塊を、板の上や床に、何度も、叩き付けると、粘りが出ます。

      これは、韓国の方法だそうです。

   ) 人によっては、砂糖を土に混ぜる事で、粘りを出す方法を、採る方もいます。

      分泌物の成分が、糖類を含んでいる為、砂糖でも同じ効果が、期待されるそうです。

 ⑥  現在市販されている土は、必ずしも寝かす必要は、ありません。

    なぜならば、製造元で、作り易く、割れ難い様に、土の調節(各種土の調合)をしているからです

    尚、御自分で採取した土は、寝かせる必要が有ります。

    市販されている土は、ビニール袋に入っているのが、一般的です。この状態で、土を寝かせても、

    効果は、期待できません。逆に、粘土がどんどん乾燥し、作り難く成るだけです。

    もし土を、寝かせるならば、ビニール袋から出して、寝かせます。

以下次回に続きます。

 土を寝かす
      
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