わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

骨董入門 14 (真贋について1)

2011-01-29 22:48:34 | 縄文土器の話、骨董の話
本来なら、酒器について、述べるところですが、当方の勉強不足の為、書く準備が、出来ておりませんので、

酒器の話しは、後日お話する予定です。


古美術や骨董品には、必ず本物と、偽物(贋作)の問題が発生し、損得(お金)に大きく影響します。

偽物は、本物(真作)の価値の、100分の1又は、それ以下の場合も多いです。

それ故、真偽を見極める事は、骨董蒐集家にとっては、最重要な事に成ります。

但し、この見極めは、素人にとっては、まず不可能ですし、鑑定家と呼ばれる人も、かなり困難で、

自信を持って、鑑定する事も、少なくないそうです。

 (尚、鑑定人は、それが本物でも、偽物であっても、中々断定する事は、ない様です。)

ある本(別冊太陽 やきものの真贋と鑑定 平凡社)を、読んでいると「おなじみの、良く見掛る

偽物」の記事が、載っていましたので、参考までに、お話します。

1) ほとんど偽物(本物:偽物=1:100以上)

   陶磁器の本などに、多く掲載されていて、目に止まり易い為、多く出回っていると、錯覚を起させる

   偽物類です。

 ① 大振りの、絵唐津茶碗

 ② 調度良い大きさの、朝鮮唐津徳利

 ③ 斑唐津、立ちぐい呑み

 ④ 黄瀬戸、六角盃

 ⑤ 絵志野、茶碗又は水指

 ⑥ 手ごろの大きさの、三島盃と粉引盃

2) 本物も偽物も、沢山(たくさん)存在する物

   この手の作品が、一番問題に成り易いです。本物と偽物が、多く存在していますので、偽物を

   掴まされる、危険性が大きいです。

 ① 各種の、初期伊万里の磁器

 ② 李朝白磁染付、各種類

 ③ 三島徳利や、鶏竜山徳利

   鶏竜山: 李朝陶器の一種で、白い化粧土に、黒の鉄釉で、伸び伸びとした、抽象的な線画を、

   施している物で、鉄絵刷毛目などとも、呼ばれています。

 ④ 伊万里、地図皿や輸出用醤油瓶

   輸出用醤油瓶: 江戸末から、明治時代にかけ、醤油を詰めて、輸出した容器で、コンプラ瓶と

   呼ばれる物です。密封度を高める為に、独特の口造りが特徴です。

 ⑤ 各種、唐三彩

 ⑥ 影青(インチン)各種

   影青とは、釉の下に、美しい彫り文があり、その部分が、影の様に青く見える事からの名称です。

   淡青色を呈し、青白磁とも言われ、宋~元代にかけて中国江西省,福建省,広東省一帯で多く焼かれ

   宋代景徳鎮窯の作品が、特に優れています。

3) 本物の方が、偽物より多い物

 ① 漢、緑釉陶器各種

 ② 唐、加彩俑(かさいよう)

   俑とは、中国で、死者とともに埋葬した、人間や動物の姿を、型取った人形の事で、実際の人や

   動物を埋める、殉葬の代わりにした物です。

 ③ 宋胡禄 青磁

   宋胡禄:(すんころく)とは、タイのスコータイ県、サワンカローク周辺で、作られる陶器類。

 ④ 伊万里色絵皿

 ⑤ 須恵器

4) ほとんど本物(偽物が少ない)

 ① 沖縄、湧田又は壺屋窯の作品

 ② 益子、笠間、東北各地の窯の作品

 ③ 小規模な、各地方の窯の作品

 ④ 呉州染付け

 ⑤ 室町以降の常滑壺

 ⑥ 漢、焼締め灰釉各種

以下次回に続きます。
     
よく見る偽物
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